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【第三幕:千年解けない究極の問い。心(メンタル)か、それとも物理(フィジカル)か】

 アーガスを除いては。


 彼は静かに隅に座り、木炭のペンでノートに猛スピードで記録していた。

 だが彼が記録ログしていたのは、理論の背後にある、冷たく、バグだらけの論理枠組み(ロジック・フレームワーク)だった。


 彼のペン先は素早く動き、簡潔な文字の羅列を残していった。


「従来理論:魔力=連続流体フルード

「問題1:流体理論では魔法の機能不全フェイル現象を説明できない」

「問題2:『敬虔さ』『意志』などの主観的要因は定量化クオンティファイできない」

「問題3:もし流体が途切れないのであれば、経路パスが完全なら100%成功するはずである」


(……違いますよ、教授)


 彼の内心は、音もなく反論していた。


(これは大河じゃない。この河を構成しているのは、億万もの肉眼では見えない『砂礫』だ。もし俺の推測が正しければ、魔法の失敗は、虚無的な『心が誠実であれば通じる』といったものではなく、純粋な物理現象に過ぎない)

(砂利の粒度パーティクルサイズが経路の口径ポートサイズよりも大きい場合、詰まり(ジャム)は必然的な結果だ)


 彼はノートに簡単な図解を描き込んだ。

 一本のパイプがあり、その中には大小さまざまな粒子パーティクルがある。スムーズに通過するものもあれば、管の壁に引っかかっているものもある図だ。


 授業の最後に、トーマス教授は教典を閉じた。

 その分厚い本は「パタン」と音を立てて閉じられ、まるで一つの章の終わりを宣言しているようだった。


 彼は再び、古い井戸のように静かな瞳で教室全体を見渡した。


「では、今日の授業が終わる前に、魔法界を数千年にわたって悩ませてきた究極の問いを一つ提示しよう。この問いには標準的な正解はないが、すべての魔法使いが一生をかけて考えなければならない課題だ」


 教室の空気が凝り固まった。

 学生たちは背筋を伸ばし、その目には期待の光が点滅していた。


 彼は極めてゆっくりとした、魂に問いかけるような口調で尋ねた。


「誰か教えてくれないか。なぜ時として、我々の『水路』、つまり魔法陣の構造が完璧であり、引いてきた『河の水』、つまり魔力も十分に豊富であるにもかかわらず、最終的に魔法が失敗してしまうことがあるのか?」


 教室は水を打ったように静まり返った。


 しばらくして、最前列に座っていた、胸に華麗な雄獅子の家紋をつけた貴族の学生が立ち上がった。

 彼の顔には優越感に満ちた笑みが浮かんでいた。


「教授」


 彼の声は大きく自信に満ちていた。


「私は、答えは『心』にあると考えます。『白銀の聖典』にある通りです。『敬虔なる志のみが、無形の大河を動かす』。魔法は冷たい道具ではなく、術者の意志と感情の延長なのです」


「たとえ魔法陣が完璧で魔力が豊富であっても、術者の内なる敬虔さが足りず、意志が固くなければ、偉大なるエネルギーの大河は、そのような中途半端な『願い』に応えるはずがありません」


 この哲学的で模範的な回答は、周囲の学生たちから小さな賛同の声を呼び起こした。


 トーマス教授も称賛するように頷き、この完璧な答えに対して肯定を与えようとしていた。

【あとがき】

応援や★★★★★評価、ブックマークが、この物語の火力になります。

次の章も、全力で鍛えます。

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