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仲魔

今日はリカの家にゆずはがくる。悪魔に囲まれた家にいくのもきが重苦しいように感じないのかな。

 ゆずはが家にきて超絶悪魔スピア、大悪魔のアスカが出迎える。リカはリビングにいる

 

ここは私の借りた家なのにな〜と思う。二人はかなりの自由人。自分の家のようにくつろぐから本当にイラッと来ることがある。アスカの服装は着物とハッピを足して割ったような服装にワイドのズボン、髪は肩より少し長い。スピアは紫のワンピースをきている。どちらも人型の悪魔。

 ゆずはは少し肩がこわばっていて、珍しいなと思う。アスカはリビングに行き、冷蔵庫からお茶を取り出してコップにそそいで私たちに渡した。

 全員席に座り、一息つくとスピアが3人にこうきいた

「どうするのじゃ?今日は。このようにゆっくり集まることもなかったからのー」

「そうね、今日はしっかり自分たちのことを改めて話してみない?」

スピアの質問にゆずはが軽く答える。私もその意見に賛成だ。なんせききたいことが溜まりに溜まっているのだから。

 今日という日を待ちわびていたと言っていい。

 

「私からもそれがいいと思う。お互いの理解を深めなかったら、悪魔とはいえ私のことを知ることはできまい!」と私は強気でいった

 アスカはお茶を一口飲んでから、「そうね、あなたの脳内を知るには話という蛇口を開かないと水は手に入らないから」と一言添えた。

 それにしても情報を蛇口に例えるとは、悪魔はやはり何を考えているのか検討もつかない。


 今日こそは秘密を暴く勢いで聞き出すぞ!


 私が話を切り出そうとしたその時、アスカが「いいかしら」といって話を遮った。

 「普通に脳内から水を出してもらうのはつまらないし、面白みがないわ」

「ウシシ笑、そうじゃなwww」

不敵な笑みがスピアからこぼれる。まさか…か…と頭が、よぎる。


「もし自分をいつわったら、風呂の中でエモ~いうえきごえ出してもらおうかしら」


…はぁ!!?どんな羞恥プレイですか?!!ふざけんなし!と心の中の叫びが止まらない。さすがに私も怒り出しそうになった。

 そんな素振りを必死でこらえるのをよそにゆずはは顔を赤らめていた。

 

 どうやって伝えようか考えていたら、目の前から手を伸ばしてきたアスカが私の両方の頬を、軽くしたから触った。顔を近づけてつぶやく。

「私、あんたの思考、骨の髄まで見えてるから、余計な思索しても無駄よ」

 背筋が締まるような寒さが全身に走った。

 横目で隣をみてみると、さっきのが聞こえたのか、ゆずはの顔に恐怖を感じて青ざめた表情をしていた

  隠し事は悪魔に見透かされるみたい…。これはあきらめた方がむしろ身のためかも。

 「じゃぁ、何から話を初める?」

気を取り直したゆずはは話題決めに話を移す。

 「そうじゃな、自分のプロフィールからはどうじゃ?己の能力、自分のチャームポイントなんかいえば面白くなるかねぇ〜」

 「チャームポイント!!?」

「人は自分のことが愛おしいくらい好きじゃからなw」

 自己紹介も斜め上の視点かよ…うぅぅん…。私はこのあとの質問が何になるかで心がおちつかない。

 順番は悪魔からということになった

 「あしは超絶悪魔のスピアじゃ、我の能力は残虐、人にとってためらうことをすることなら、躊躇せずにやる力じゃな。チャームポイントはこの制圧できる力そのものじゃ!」

 めっちゃ楽しそうにスピアは語っているけど、おぞましいことこのうえない…。どの悪魔のそうなのか…

 ちょっと顔がひきつる…。

 「ねぇ〜、超絶悪魔って何?」

 ゆずはが訝しげな表情をしながらいった

 「そういえば、話しておらんかったな。超絶悪魔とはな、絶大な力を持ち、人間味があり、悪魔離れしたスキルの3つを満たす悪魔のことじゃ」

 なるほど、それが超絶悪魔の呼ばれる条件か

  って、どこに人間味があるんだよ!!?

 特にスピアは!!怒

 私はへぇ~と呟きお茶を口に運ぶ

 「ちなみに、隣の悪魔もじゃけどな!」

 



「は?、え?…私も!?」


 この場に沈黙の3秒後、顔を真っ赤にしてスピアの方を向くアスカ。

 「ほへぇ〜?伝えられていなかったのか?」

「初耳学なんですけど!??てか、あんたなんで知っているの?!」

私達は顔を見合わせてあっけらかんといった感じ(笑)

 2人は楽しげに言い合いをしている

 「どこで私の情報結んだの?!」

「そう焦るなw口調がまわっておらんなww盗むが結んぶになっているぞwww」

「バカにするな!ムカつくわ〜!」

「ニヒヒヒヒwww」

外からみてると姉妹がいちゃついているみたい。なんか珍妙な光景で面白い

 ゆずはがクスクス笑い、つられて私も笑い出す

 「何笑っているの?!」

アスカは笑うゆずはと私の方に体をむき直した

「おぉ~!笑いのツボにクリティカルヒットじゃなwww」

 アスカはケラケラした声をだしていた。肌をリンゴの皮のように赤くした表情を見せながら「そこの人間!この悪魔にどんな刑を与えたいかしら!」

「急に振るなしw」

 私はちょっと考えてから「じゃ、くすぐり地獄で」とニやつきながら言う。

「 ゆずははニャンって一回かわいく言う刑で〜」

 軽くゆずはがアイデアをポンという

 会話のスタートラインテープは和やかな切り出しだ。相手が悪魔とは思えない。親友と話す感覚ぐらいにくすぐったい。

 「2人のアイデア採用。きっちりしかえすからね」

 アスカは得意げに言い切り、お茶をのむ。スピアはニンマリとした顔をして、それを受けるのを楽しみにしてるようにも見える。

 落ち着いたのかアスカが一言。

 「次、私からね。さっきはドア開けたら飛び蹴り食らわされた気分になったからね。」

「わらわにもおみまいできるかみものじゃな」

「私は大悪魔改めて超絶悪魔アスカ。私の能力、リュミエールは脳内でイメージした剣を自在に具現化したり、形を変えて盾にも武器にもなる優れた力。人間離れしてるのは人の感情を読む力ね。」


 通りで人の心を読めるわけだ。それにしても読みすぎよ。

 「ちなみにこいつの嫌いなことは…」

「ない、はい、つぎゆずは」

 矢継ぎ早にスピアが遮る。ちっ。アスカが舌打ちをした。

 ここで指摘したら、きっとキレそうだな。

 「フッフっふ。じゃつぎ私のターンね、私は美月柚葉。私の能力、好奇心と人と関わる外向スキル。面白いと思ったらなんでもすぐやる。人と関わることでエネルギー解放しちゃうの。それが私のスキル、ルリアン。チャームポイントはこの明るさ。こんな感じ?」

 意気揚々と自己アピールする柚葉。えっなんでノリノリなの。しかも、アニメキャラみたいな事言い始めたし。

 私もこんなことするの…横目でみながら凝視した。

 「おぉー、かわいいな。こいつ面白いぞ、アスカ」

 「悪魔と関われる証を与えただけのことはあるわね」

 2人とも拍手喝采を送るような褒め言葉。私こんなことやらされるの…心臓の鼓動が速まるのを感じる。

 「じゃ、ラストはあなたね」

 「私か」

 きが重苦しい、やってみるか

 「私は楓里香。…私の能力は…」

 ゆっくり喋るけど、その先がでない。3人の目線に気をくれする。自分に取り柄があるとは思った試しがない…。

 「能力はない、チャームポイントもあるかといわれたらないと思う。」

 白状した。私なんてあるわけない。臆病で優柔不断で、控えめで言いたいこと言えないし。こんな私にいいところあるわけない。

 「嘘つくな」

 「え?」

「だから、下手な嘘つくな」

まさか、また心を読んだの?目が泳ぐ私を差し置いてアスカは続ける。

 「あるだろ、あるのにないとかいうな」

「本当よ。ないわよ」

 「あんたが気づいてないだけだ。言わないなら、柚葉。あんたにいってもらうわ」

急に柚葉に話の主導権を渡す。私は柚葉に視線を送った。

 「え、私が答えるの?」

「代弁者よ」

何を言い出すのだろう。モヤついた気持ちはついに手のひらにまで伝わる

 「里香はとても親切。おとなしい。褒められるとすぐほっぺを赤くする。

 「柚葉」

言われてみれば、腑に落ちる。鼓動が遅くなった。

 「なんだあるじゃん」

「それが里香の「強み」なんじゃな」

 アスカはあきれるような言い方をして、スピアは宝物を発見するかのような驚きを表した

  私の強み。今まで意識したことすらなかった。

 「あんた"嘘"ついたから、一回ペナルティね」

「えっちょっ…」

 それはどうなのよ。なんかムッとする

  「ねぇ…アスカ」

「何?」

「………、なんでもない…」

 さっき私がこころの中で思ってたことをきいてみたかったけど、躊躇してしまった。やっぱ私ってビビだな。

 「さっきあんたが、心のなかで思っていたことも見え方によるわ」

 気づいていたんだ、私の口が重たくなる思いに。

 「どれだけあんたがネガティブに思っても、それはただの特性に過ぎない。わかりやすくいうなら、ここにペンがおいてあったとしよう。それはただのペンだ。使えないものだとしても、とても便利に使えたとしてもだ。」

私は彼女を見つめて話をきいた。

 「だから、使い方次第よ。」

 全身から力が抜けていく

  今までこんなことをいってくれる人はいなかった。一体なんなんだ、善なのか悪なのか。心を揺さぶられる。劣等感を振り払う扇子の一振りは悪魔が私にしてくれた。


 そんな話を色々していたら、好きなことと嫌いなことの話をし始めた。

 柚葉はスピアとアスカに趣味を質問をした。私は気乗りはしない。だって悪魔の趣味を理解したところで共感できるはずがないから。

 「そうね…人の矛盾ね。やせたいといいながら食べる。お金を貯めたいと言いながら浪費する。みてるだけで続々するわ。それと人が怯える顔はたまらなく好きよ」

それみたことか。飽き飽きする。柚葉の顔を見ると青ざめていた。悪魔なんか所詮理解不能よ

 口にお茶を運ぼうとした時…


「今最も興味あるのは


"悪魔の誓いを交わした人間がたどる破滅の未来。その人のルイーナをみてみたいわ"」




一瞬の出来事。……。絶対零度の冷たい刃は私の心を殺した

 ブルブルと震えて考えがまとまらない

 「人外になり人として生きられなくなったとき、そいつはどんな精神崩壊を起こすのか楽しみでしかたないわ」

 アスカは小さい声量で高ぶる感情が感じられる声のトーン。お茶をゆっくり机におき、落ち着こうとしてもぶり返す。

 「ねぇ…里香はどのくらい悪魔…に近づいているの…」

「それが進行具合がわからない。もう見えてきてもおかしくない。そろそろ行動も発言も変わる頃よ。ゆっくりすぎる」

 そんな…の…

「そんなの…あんまりだよ。悪魔に近づいているのけど、現状不明。不安でしかたないのに。」

 声にはむなしい抵抗、殲滅してやりたい怒り、やりきれない悲しみが、混じった発言をした。

 アスカは私を見つめて言い出す。

 「あんたが地獄に行くのはまだ先だ、今は生かしておいてあげる」


 目から溜まった雨粒が溢れでている感覚。私は後ろを振り向き、廊下の右にある私の部屋に駆け込んだ。後ろから私を呼ぶ声が聞こえた気がするけど、どうでもいい。

 布団の中に逃げ込むように上から掛け布団を頭からかぶった。大粒の涙が止まらない。

  

 姿勢を徐々に起こした。気がつくと、辺りは少しくらい。布団から起き上がり、私のスタンディング机に置いていたスマホで時間を、確認すると夕方の6時。

 もう夕焼けの時間。そんなに時間が、過ぎていたのか。

 もう一度夢の中に逃げたい気持ちに襲われるけど。少しあぐねいた結果、何も浮かばない。

 鍵のロックを開けて扉を出ると…

?!?!

 「やっと起きた、おはよう。

「助けて!里香!」

 これは夢ではないよね?!アスカが柚葉の首を左手の関節で絞めている。右手にはアスカの魔法剣。それを、柚葉の首に当たる寸前で止めている。

 「もう、やめて。これ以上私と柚葉を傷つけないで」

 私に残った最後の怒りを振り絞り、頭や体に、あるエネルギーを言葉に、こめて言い放った。

 「いいだろう、その代わり条件がある。それを受け入れないなら、こいつは目の前で解体する」

 後ろにいたスピアから語気が強めで低い声が轟く。私は間髪入れずに了解した。

 「その条件はなに?」

「一つ四人で飯をくう、二つ全員で風呂に入る、3つ四人横に揃って寝ろ。」

修学旅行みたいな内容に少し肩透かしを食らった。

 アスカが剣を消して柚葉はその場にストンと自由落下。

 私は柚葉の近くにかけよって安否確認をした。彼女には傷は見当たらなかった

 鋭い目をアスカにむけて踵を返した。

 「なんで彼女まで巻き込むのよ。あんたなんかし…」

その時に後ろにいるアスカから待ってと声がきこえた。

 スッと力が抜け、後ろを振り返る。

 「アスカは最初っから私を殺すつもりはないよ」

 「はっ。いやだって…」

「あれは私と悪魔の"芝居"。」

 もう理解できない。柚葉まで悪魔といて感覚が人外になったのか。

 「じゃぁなんであんなことを」

 「そうでもしないと里香は彼女達のの話に耳を傾けないでしょ?」

  図星を突かれ、言い返せない。頭に灼熱のマグマがあがっていることに私は自分の手で、ほっぺを触るまで気がつけなかった。

 「…え、私無駄に悪魔達をきづつけようとしてたのを止めてくれたの?」

やっとことの自体を脳で処理し始めた。アスカにきいたら、本当に殺す気はなかったらしい。

 少し顔がほてている。はやとちりしたことを反省しながら席についた。

 

 「いただきまーす」

条件の一つ目である四人で夕飯を食う。今日の夕飯はご飯、筑前煮、焼いた鯛の塩焼き、みそ汁、サラダ。え、なんか豪華なんだけど、どうしたの…。

 恐る恐る箸で鯛を口に運ぶ。

 「え?!うま。だ、だれ作ったの」

 「これね、全部、アスカが料理したの。ビックリしちゃった」

 柚葉は私がねている間に何があったのかを事細かに説明した。

 あの後、アスカが私にお詫びしたいと柚葉に申し出たらしい。それで料理になったんだと。すぐに3人で買い出しにいって、料理過程を柚葉は手伝わされた、とのこと。

 柚葉はそこで驚いたんだって、アスカが料理めっちゃできることに。って私が一番驚きだわ。

 どのぐらいできるかというと、下処理、だしをひくことから今日の鯛を捌くことまでなんでもできるそう。悪魔なのにそれすら一流に匹敵するなんて。でも、揚げ物だけはやりたくないって拒否したらしい。

 無理やりやらされそうになると、すぐ意地を張るみたい。超絶悪魔という割にはその話からは悪魔を遠ざける印象すら与える

 柚葉曰く、契約を交わした人の中でめっちゃ料理できないことを理由に魂を売った人と真逆の人と時間を過ごしていたとのこと。その時に料理のことを学んでできるようにしてしまったんだって。なんかかわいいし、かっこいい。

 それにしても、不可解すぎ。あんだけ罵っておきながら、詫びたいなんて…

 「今日の夕飯は里香がよく食べているのよりキレイじゃな」

「食べている最中に人のことディスるのとかやめてもらいます?」

 和気あいあいとした感じが戻ってきた。

 「そんなの知らん」

 「知らないじゃないです〜。ペナルティつけて良いですか皆さん」

 なんかクラスを取り締まる学級長みたいなこと私し始めたし。もうテンションの、ネジがおかしい。

 「柚葉は賛成であります」

柚葉が箸を持ったまま、右手をあげて答える

 「私もこいつに制裁加えたいな」

「多数決の結果、超絶悪魔スピアペナルティ決定」

「はぁ〜?!」

 こんなことをしながらお食事を食べ終えた。

 

 第二の条件、四人で風呂に入る

 入ったはいいものの狭い。かろうじて円形の風呂だったからいいものの、それでも狭い。

  「風呂は化粧の湯よね。肌の汚れ、心の穢れも癒やす最高のひととき。あぁ~」

また、変なこと言い始めたし。アスカはどこに焦点を当てたらそんなセリフを吐けるのか。それとも私の創造性のレベルが皆無なのか。この際どっちでもいいか。

 私は首を傾げながら、アスカが風呂の優越に浸る姿をまじまじと隣で眺めていた。てか、悪魔の肌めっちゃキレイ。

 「むぅ~」

 どこか不服そうな声が私の左から聞こえてきた

  「どうしたの、熱いの嫌い?」

 「そんなわけなかろ。悪魔なめんな」

 わかりやす。スピアは頬を赤くし、言葉につっかえながらいった。

 「ははぁ〜ん。さては、風呂苦手だな」

「べ、べ、べ、べつにそんなこと」

「だから、あの時アスカに言われそうになって止めたのか、かわいい」

 アスカと柚葉がスピアの方をみる。アスカは笑みをこぼして言葉を、添える

「あえて、言わないで自分からボロださせるほうが楽ねぇ〜。宝石を見せ物にすり替えても、本物は必ずあなたが持っているから。みずから差し出すように仕向けるのが最高のしかえよ」

 思わず、柚葉と私はおぉ~と唸った。さすが、ずる賢さには座布団1枚あげざる得ない。

 「グヌヌヌヌヌ」

目を力いっぱいつぶり悔しそうな表情を見せた。そんな超絶悪魔ざるしぐさに惚れそうになってしまう。

 「ふんだ。ここにいる全員どうせペナルティだし、問題ないけどな」

っう。そうだった…。スピアのカウンターは3人の顔を曇らせる。

 「里香は本心を言わなかったのでペナルティ、あんたら2人は里香を騙したので、ペナルティじゃ」

「"騙し"は"嘘"に含みません〜」

 かわいく口調でいいのがれようとしている。

 「柚葉はもそう思います、ね里香もそう思うよね?含まれないよね?!」

  同情をせがむ柚葉。猫が飼い主にいたずらをかわいい顔して許しを、請おうとしてる

 「どうしようかな〜、柚葉悪魔側についたからな〜。私、すでに悪魔に片足突っ込んでるから許さなくていいよね?」

 「こういう時だけ、ずるいよ!」

  ちょっとだけ柚葉をからかってみた。

 「わらわにも味方が出てきたよううじゃ。やっと悪魔っぽい所が見えたの〜。でも、安いな。」

 始めて超絶悪魔からご褒美をもらえたけど、なんかくすぐったい。体を猫じゃらしでスリスリされたみたいだ。彼女の最後の言葉にはいかりじみた低い声。レベルの弱さに難癖をつけたいのだろう。

 四人でお互いの体を洗い流して風呂に入り直す。

 そしてついにペナルティ実行時間が訪れた。恥ずかしさとどんな羞恥プレイを求められるかわからない。風呂場の蛇口をひねって水を手ですくって飲んで心拍数を抑えようとした。

 「さぁ~誰から醜態晒し上げられたいかしら?」

 風呂の縁に手を組み私達の顔を見回す。

 「お前からやって見せてもらおうかのう」スピアがニタニタした笑顔で挑発する。きっと他人のをみてやじを飛ばすき満々。私は木陰に隠れるかのようにそっと後ろにさがる。

 「いいわよ、みんなやるんだから。」

 あのアスカが拒否しないだと。イサギよすぎて鼻につく、

 「具体的にどんな言葉をいえばいいかしら?」

「この場所にあったことを言えばクリアでいいんじゃない?それにそぐわないならもう1回とか面白そうだね」

 柚葉の言葉は私の胸にいきなり手を突っ込まれるぐらいの驚きが体中にはしった

 なんてことを言い出すんだ。やっぱりあの公園で彼女にしたキス何かあるだろ

 肩より少し長い髪を前に持ってきて右手を頬に当て体を縮こませるような大勢をとった。あしは斜め横にして足を重ねた

 「あなたと私の体の触れ合いを楽しんでみない?」

エモいよりエロだろ。そっちなの?ステージのうえでセリフ間違えて赤面するぐらい恥ずかしいことを言わないといけないのか。

 「うーん、いんじゃないかな。スピアはどう思う?」

「悪くないな。もう一押しほしいな〜」

 「そうねぇ、こんなのはどうかしら」

 反応がいまいちな2人の要望に積極的に答えるアスカ

 「ねぇ、もっとあなたの体に触れたいわ。まるであなたの性欲をいただくように」

 2人の頬が桜色にそまる、私もきいてい顎を胸の方に下げた。そんなパンチあるエロセリフなんか吐けるわけない。彼女の発想には胸を貫かれる思いだ

 「ふぅ〜、こういうのなんか照れるわね、里香」

 ポヨン、アスカは自分の胸を私の胸に当たるように近寄ってきた。

 「きゃ!何すんの!くすぐったいでしょ!」

「あら、お姉さんにはまだ速かったかな?つぎ里香ね」

ウウィンクしながらいうな。あと手を組むように私の脇の間に手を回して…。きっと、彼女なりのスキンシップなのだろう。これくらいは許してあげるか。

 で、私のターンだけどなんていおうかな。…。 そうだ!

 思いつきだけど…居心地が悪すぎて全身くすぐったいけど…、やっちまえ!

 「こ…こ、この人、彼女だから!誰にもあげないんだからね!」

 手を脇の下に入れたアスカの手を引き込むように組み直して彼女の体に抱きついてみた。

 アスカの顔色は梅色に真っ赤になって恥ずかしさの領域を展開した。

 柚葉とスピアは声と手がブルブル震えるように言葉を発した

 「お、お、おち、ついてよ〜。悪魔になるといっても性転換は、きいてないよ」

「そ、そうじゃな。それに里香がアスカを好きになったとしても、わらわは別に…」

冗談キツすぎちゃったみたい。えぺてろ。アスカが私のことを軽く振り払うように私の体を押して振りほどく。

 「あービックリした。なんてことをするのレディの体に」

「あなたが言えること、それ」

いつものいざこざだ。

  つぎは柚葉がいいいたいようだ

 「私、もっとあなたの体、舐め回したいわ。もっと抱かせて、もっと、もっとよ!」

かわいすぎだしエロすぎる、私達は腹を太鼓で叩いたかのような大笑いをした。色んな意味で色が濃いぐらいにエロすぎる。

 「わらわはその胸に飛び込みたいのう。その柔らかさや弾力を感じたいのう」

 重ねるようにスピアがいう。微妙な言い方に私達はどうしたらもっとエロになるかを話す始末。

 もう最初の目的すら忘れる程のエロ発言合戦に2時間費やす私達って…。

 第三の条件四人横に揃って寝る

 バカ騒ぎを風呂でして私達は四人とも脳内麻薬がキレたあと、恥ずかしさのあまり黙りこくってしまった。人として何かを誰かにぬきとられ失った気分に襲われた。あの超絶悪魔ですら赤面する内容…。

 寝る支度を済ませて布団に入ってから反省回みたいなのが始まった

 「あ、あのさ〜」

 「何?」

 「あんなこと言い始めて、何させられてたんだろう」

文字通り悪魔に魂ぬきとられ放心気味な私はゆっくり言葉を発する。柚葉が軽く反応した。

 「羞恥プレイ以外何がある」

 「だよね、スピア」

 スピアはとっくに落ち着いているみたいで話し方が普段のスピードになっている。

 お互いのパジャマの色は私が藍色、柚葉は黄色、スピアは薄紫、アスカは黒。

  「たまにはありね。面白いし、楽しいし。みんなあんな趣味あるのねぇ〜」

「そんなわけあるか!」

 アスカの言葉を3人揃ってハンマーで打ち砕くように否定。

 「仲良しなこと」

 こいつ、どこまでもくすぐったい言葉をいいやがる。超絶悪魔はいつもこれなのか。


 「ていうかさぁ、私のベッドに全員入る必要ある?」

 「えっ?なんでだめなの?」

「え、だって狭いよね?」

「狭くないよ、心は狭くないからいいよね?」

 今の状況を説明すると左からスピア、柚葉、私、アスカの順番にベッドで横になっている。

 て、うまいことを言えって誰がいった。

 「わらわは別に気にせん」

「私もかな」

「柚葉も問題ない」

 私だけ…?。こういう経験浅い私だけなの、そう感じるの?お互いの柔らかい肌が密接にくっつく感じがくすぐったいのが嫌なんだと始めてしれた。正直に打ち明けるか〜、気が重い。

 「正直、これ苦手。くすぐったいし、皆に迷惑かかるし、気を遣うし…。」

「柚葉は大丈夫だよ〜里香。迷惑だなんて思わないよ、この四人でいるときは」

「もう迷惑してるし、かかっているし手遅れよ里香。」

 「そうじゃな」

 3人とも私の心に寄り添うように包んでくれる。それは蒸し立てのシュウマイぐらい温かく優しさで。

 「ありがとう」

 「いいえ〜」

 「問題ないわ」

 「別に気にしないし」

和やかな会話にホッとする。が…

 「なんなら、こっちから迷惑かけちゃうんだから。それにこうやってあなたと触れ合いえるのだから」

 アスカが急に私の顔の方に体を振り向き、布団がモゾつく。まさか…。

 す、ポヨン

 アスカが自分の足を私の足に絡ませてきた。もぅ!

 すると、柚葉が…

 「ねぇ〜、私も混ぜてよ〜。どんなことしようかな。」

 便乗しやがって。私は2人から絡ラマれて狭いし、熱いし、もう夜のテンションはこの2人はおかしいよ。肩をなだねるような思いがする。

 「わらわは寝るから邪魔するなよ〜」

「わかったわ、どんなことしようかな」アスカが軽く受け答える

 一ヶ月エロはもういやだ


 深夜テンションはすっかり夕日が落ちて寝付いた。柚葉とスピアはコアラのようにぐっすり。アスカも寝ている。


 …。今日は色んな感情がホラー映画のように激しく動いて疲れたな。寝付けないや。

 寝返りを打つように右を向いたり、左を向いたり落ち着かない。


…。あの言葉が胸をざわつかせる。


  お前の地獄はまだ先だ


私はどうなるのだろう…。この体、柚葉との関係、学校、悪魔になる恐怖、それらに怯える不安を真っ暗な部屋が私を襲い、入り込んで侵食されるみたいだ。

  弱い風に煽られて葉っぱが揺れるように軽く震える体。

 かけ布団を軽くにぎる。涙が頬を伝う。涙をこらえるように小さくスゥーと息を吸う。

 悪魔になるなんて…そんなことを誰かと共有できない辛さなんて、始めてだ…。今でも何回か人に話さず一人で抱えてたけど、これは別物だ。

 「どうしたの?」

 さっきの小さい音で柚葉が寝ぼけながらに目を覚ます。

 「もしかして悪魔になること怖くてないているの」

 悲しそうな弱い声には私を包もうとする優しさが、感じられる。

 私は彼女に思いを打ち明ける。柚葉は私の頭を撫でながらあなたが悪魔になろうとも親友で居てあげたいといってくれた。

 すると、後ろから甘い魅惑の声がきこえてくる。

 「大丈夫、あなたは破滅を向かえても、変わりなく過ごせる。今は不安の幽霊に襲われるけど。今すべきことをやることができない里香ではないわ。私は里香を信じてる。」

ゆっくり体を反転させると柔和な笑顔で私をみつめるアスカの目にはなぜか大粒の涙をしたたかに流す姿が目に映った。

 彼女は私の頬をまるで猫が優しく触るかのように擦り気持ちを落ち着かせようとした。

 なんで…あなたが泣いているの?……。私はそのままゆっくりと夢の世界に落ちていった。


5話終了

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