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第2章第4話真暗闇な思考の向こう側

第2章第4話

真暗闇な思考の向こう側

登場人物

猫宮

里香

アスカ

スピア

柚葉

粋怜


 この生き方でいいんだろうか…こんな私の側にいてくれる柚葉や粋怜さん、申し訳ない気持ちがたびたび襲う。前向きになれず、ましてや今もくよくよと悩んでいた。

 

どこか晴れない思いを抱えながら河川敷で寝っ転がりながらそらをみていた。体は悪魔になっていたり、悪魔と誓いを結んでいる私だけれど。浮かない顔をしていると隣にそっと座る女性…。えっ?許可なく座るか普通、人がいるんだぞ?


 「あなたに許可がいるのでしょうかね」

 隣をみるとネコの尻尾に紫色のスーツ姿で座る悪魔猫宮がいた。突然のあまり、あたふたしてしまった。だらしない身なりを整えてスっと体育座り。

 私を見つめる目はその場を観察する鋭い探偵のような眼差しを向ける。いつものことだけど驚いてしまう。

  「どうかしたのですか」

 落ち着きを払うように言葉を紡ぐ。

 「今日、アスカとスピアは悪魔界に用事があるの。なので、代わりに私があなたの様子をみるようにって言われたのよ。まったく、上級悪魔をなんだと思っているのかしら」

 猫宮さんが毒づいている様子を始めてみた。見た目からはそんなことをみじんも見せなさそうな彼女が。

 今日は彼女と2人か、足がすくんでしまうし、余計な力が抜けない。格が違う相手からなのか

 どう話をしたらいいのかわからないが丁寧に接するようにしよう。昼下がりのポカポカとした日差しが立ち込める。

 「今日は暑いですね〜気温が26℃ぐらい何ですって」

 「あらそうなの、日焼け止めでも塗るか」

 そういって彼女は日焼け止めを出して腕をまくって塗り初める。しっかり肌にも意識がある所が焼けることを気にする女性そのものだ。悪魔とは思えない。そんなことにうっとりとしていると猫宮さんは数分下かからずに日焼け止めを塗り終える。

 「そういうの気にするんですね.肌も猫だと思っていました」

 「それはないですね。肌は人とさして変わらないし、暑い時は暑いと感じるし、寒い時は寒いと感じますよ」

 そんなものなのか…納得させられてしまった。

 「あと二人きりの時、言葉遣いどうしたいかしら」

 唐突に言葉遣いの話、機嫌を損ねるような言葉を発してしまったのか、体にピリピリと弾けるような緊張が弾ける。

 「ご、ごめんなさい」

 「はっ?まだ何も言っていないし、あんたが謝るほどのことしたわけでもないわ」

 「えっ、だって…。言葉遣いどうしたいってきいたから、てっきり私何かまぶい発言でもしたのかなって…」

 「そんなこと?私はそんなことでは咎めることは少ないわよ。」

 私の早とちりみたい。ヒヤヒヤした。

 「あんたは私と二人きりの時はどんな言葉で交わしたいわけなのか聴いておきたかったのよ」

 「そんだったのね。タメ口かな」

 「即答かよ。予想はしてたけど」

 あっさりとした回答にあっけらかんとしている猫宮。てか、熱くないのかその服。さっきから服の袖や手で仰いでいるけど。

 「脱ぎませんか?その服」

 「そうね、蒸れてしまうのは美肌の天敵だからね」

 そういって彼女の服は指を鳴らした瞬間光出して服装がワンピースに早変わりした。そんな魔法使えるのか、羨望の眼差しを向けていると猫宮がニヤッとキメ顔をしてくる。なんなんだこのマウント悪魔は…。嫌味といいたいのだけど、そんなふうに見えにくい…。なぜなんだ…。

 「ねぇ、そういえば人生変えたいのよね」

 「唐突なのよ!まぁ…そうだけど」

 「今は思考を変えるをテーマにしてるのでしたのよね。なら、今日はそのネガティブな思考の使い方を根こそぎ変えてやるわよ。あなたの答えはもちろん以外の選択しはないけどね」

 凄い言葉が降りかかる。ネガティブな考えを変えるだなんて、悩んではいたけど、どうすればいいのか。それは迷宮のダンジョン攻略にそっくりだ。

 「で、どうすればいいのよ」

「まず、何が原因だと思う。私はあんたの悪魔と違うからね。すぐには教えもしない。」

 考えろということか…。そりゃ、そうか。少し頭の中で考えてみた。自分の自己イメージが悪いからかな。それに自分は弱くてどうやったって変われないという思いがあるからかな…。

 私はここで少し考えてみたことを伝えてみた。すると、猫宮の眉が少し少し上がったように見えた。猫宮は眼鏡を触り位置を調節した。間を開けてから猫宮は口をひらいてこう話した。

 「わかってるのね、根深く心に埋まっている根っこのことを。そのイメージを壊し、その闇の力を人生を変えるための刀に変える。」

 「でも、どうやって変えればいいのかはさっぱり浮かばないよ」

  心に埋まる根っこ、か。確かにずっと心のいらだちになっている側面でもあった。

 少しでもそんな自分を変えられるのなら変えたい思いは気を掘るように刻まれていく。でも、変え方だけがわからないでいた。

 猫宮はそんな私をみかねて助け舟を出した。

 「じゃあ、いつもはどんな風に考えが巡るのさ。それをまず考えなさいよ。」

 いつもの思考回路はうまくいかないたびに落ち込んでしまったり、悪い結果になってしまった時に自分を責めたり…。

 そんなふうに自分のことを貶すようなことばかりしている。そりゃうまくいかないよね…。自分に向かって石ころを投げているから。猫宮にそのことを伝えてみた。

 「そうね、それをまず考えを改め直す必要があるわね。やりに行くよ里香様」

 「えっどこに?」

 「その前にあなたの服をイメチェンしないとね。」

 困惑する中彼女が指を鳴らすと、私の着てた服は一瞬で猫の服装に早変わりしていた。露出多いいし、後ろみたら、しっぽも生えているし、頭を触って見れば耳もついているし。何この羞恥プレイは。これのどこが私の悪い思考を改善させるんだ!と怒りのエネルギーがボンボンと湧き上がる。そこには恥ずかしさも混じるような思い…町を一緒に歩いているかるが人々の視線がつらいなんでこんなことをしてるんだ私は…と思いながら町を歩く。涼しい顔で町を歩いていやがるこの悪魔はなんなんだ。そんなことを考えていたら顔が火照り始めた。

 「ねぇ、これ何の意味があるのよ。」

 「どんな意味があるのと思うの、里香様は」

 「質問を質問で返すなよ」

 「自分で考えていない証拠ですね。人から、失礼悪魔から答えをもらおうだなんておこがましいですね」

 モードがいつもの冷凍庫のような冷たさに戻ってないか。腹に槍を食い込ませるような痛みが襲う。図星を突かれ痛い。悪魔なんだよね…しかも上級の。相手を優しい悪魔とみすぎてしまったのがお粗末だったな。

 それにしても歩く姿だけで絵になるほどの麗しいなこの悪魔。

 そんなことを思いながら歩いていると見覚えのある女性が見えた。あれは友人の柚葉かな…。心臓が一瞬飛び跳ねそうだ、今すぐにでも木陰に隠れてやり過ごしたいが時は待ってくれない。そのままこの羞恥姿を現すことになった。

 「どうしたのその姿?コスプレ?」

 「あら、久しぶりね。柚葉様」

 「違うよ、ネガティブ思考を直す訓練で着せられているの」

 柚葉が笑顔で答えていることが救いだ。猫宮と意気揚々と話を交わす。私はいたたまれない思いをしてるというのに。顔を下に向けて目がぱっちりと合わないように伏せていると2人がのぞき込むように顔をみる。今日はなんなんだ、グルグルと暗い考えが巡る。

 きっとくすぐるようになにか言うのだろう、きっとそうだ…。

 「可愛いや〜ん」

 「えっ」

思わぬ言葉に全身の力が抜け落ちる

 「でしょ~私の服センスはピカイチでしょ」

 「なんで猫宮はナルシスト発言が多いわけ?」

 「自分を褒める言葉は大切なのよ。この私をみらないなさいよ!」

 「悪魔を見習ってもな〜」

 「言葉選ばないと他の悪魔から首を飛ばされるからな」

 2人が顔をあげて話をしだす。最後の猫宮の言葉には苦々しい言い方をして相手に仕返しをかましているようにも思えた。そんなことはお構い無しの柚葉は軽く受け流した。

 戸惑いを覚える私を横目でみている猫宮が言葉をかけてきた。

 「協調性低いからこんなかっこできるのよ。いい?ネガティブなことばかり頭に浮かんでるときは言い換えるのよ。使い方も変えるの。」

 「これがその実践だっていうの?」

 「今やってみなさいよ、私たちの前で」

 柚葉は私を見守るようにみている。それは小さな花を見つめるように。

 「この服装は恥ずかしいけど、猫がもしも人になったらどうなるのかを知れるわね、後は恥ずかしさを克服するには最適かな…。ちょっとハードル高いけど。」

 同じシュチュエーションでもこうやって視点を変えることが出来るんだ。

 そんなことにすら気づけなかったな。肩を落とす思いが体に染み渡る。

 「ねぇ、これからどうするの。行く当てとかあるの」

 「特にないですね。というか、目的なしでフラフラ歩いているのでね。」

 「そんなとこだね」

 これいつまでやるつもりなのか気になるのだけど。そろそろこの服装といてほしい。言い出しづらいけれど、言葉にしてみよう。

 「あのさ、猫宮さん、この服脱ぎたいんだけど元に戻してもらえる?」

 「いいけど」

 猫宮はあっさり承諾。指を鳴らして元に戻してもらえた。着心地はこっちのほうがなじむな。

 その後柚葉と別れ住宅街を2人で歩いていると後ろから視線を感じる。猫宮は気にする素振りを見せない。察知していないのか。小声で声をかける

 「猫宮、後ろからつけられてる気がするんだけど」

 「つけられているわよ。そんなの気付いてるわ。」

 「なんで、やっつけようとしないのよ。」

 すると、彼女の青と赤色の眼が私を鋭く刺すような視線をおくる。私の心は一瞬突きあがるようなな身震いを覚える

 「言ったでしょ、自分で考えろと。心配症な奴ね。」

 冷徹な姿勢を崩さない彼女に面を食らう。言葉一つすら返せないほどの正論に舌をまく。

 私は悪魔モードになって後ろを振り返って叫んだ。

 「後ろをつけている陰気なやつめ、でてきなさいよ」

 「バレてるなら、なんで泳がしたんだお前らは」

 でてきたのは見た目にツノの生えた不気味なモンスターが2人、しかも喋っている。

「あら、小悪魔どもがきてるのね」

 「なんで小悪魔が、私になんのようよ」

 「そりゃ、お前なんで人間なのに悪魔といるんだよ。しかも上級の悪魔といるなんてな」

 ふてぶてしいく言葉を吐き捨てると小悪魔は襲いかかってくる。私は瞬時に闇のクナイを呼び覚ましうちはなつ。いきよいよく飛んでいくがさらりとかわされる。

 もう一人の悪魔が振り被って技を繰り出す。

 「波動弾!」

 襲いかかってきて近距離でそれを爆破させる。光の閃光は飛び散り私めがけて飛んでくる。避けきれずに傷を負う。腕や体がピリつく。

 猫宮に視線をおくると、一切の傷一つつけていない。目が点になるが構ってられない。

 すぐに立ち上がり敵の周りの空中に複数の光る凍りの玉を召喚しうちはなつ。一人は避けられてしまったが、もう一体の悪魔には命中。

 もう一体が猫宮めがけて剣を持って殴りかかる。私の真上を飛んで彼女の方に攻撃を食らわせようとする。私は後ろを振り返って猫宮さんと叫ぶ。

 彼女はすぐにバックして攻撃を避け、突進する勢いでそいつに接近。すると、蹴りを一撃入れて吹き飛ばす。

鈍い声を上げて吹き飛んだ。彼女は鋭い目つきで私をみる。さっきの目の色ではなく、黒眼と緑眼のまなざしだった。

 気に障ることでもしたのだろうか…それとも自分の無能さに呆れられているのか

、そんな不安が胸に立ち込める。猫宮が手をここに来いと命令する。恐る恐るいく、何を言われるのかブルブル震えていた。

 「なんですか…」

 「なんでそんなビクついてんのよ、里香」

 不満げな態度で私を見つめている。

 「え…私の無能さに怒ってるんじゃないの…」

 「あなたってネガティブで心配症な人ね」

 図星を突かれて何も言えない。押し黙っていると猫宮が手を花でも触るかのように頬に触れながら答える。

 「防衛的だけど施策を施さないからいけないのよ。そうすれば強い刀になる。実際、心配症な人の方が勤勉で点数とか高いことが研究から判明してるのよ。あんたのテストの点数聴いた事あるけど、それは念入りに準備した結果よね。」

 ドクンと胸が飛ぶような音がした。これは褒められているでいいのかな…。 てかなんで私のテスト答案を知っているんだ。

 雑談をして和ごんだその時…猫宮の足元が不自然と大きくなっていた。嫌な予感がしたので猫宮を思いっきり手で突き飛ばす。猫宮は後ろにふっとぶとそこから黒い影のような手が私をがんじがらめにして身動きをとれなくする。

 「里香!」

 「ちっ、余計なことをしやがって。もう少しで上級悪魔を殺せるはずだったのに…」

 すると地面から現れたのは黒いローブ姿の不気味な奴。

 猫宮はそいつをギロッと睨む。黒いローブを身にまとう奴は低い声を漏らして笑う。

 「お前、魔女か。どこの差し金だ」

 猫宮の姿勢が再び戦闘モードになる。

 「その女離してもらえるかしら、私の獲物なんだけど」

 小さくあなたの獲物ではないけど…と呟く。

 「じゃ、言葉は不要だな〜」

 そういったすぐに黒いローブの魔女は魔法陣を展開し、そこから複数の黒い剣を召喚。それらは猫宮めがけて飛んでいく。しかし猫宮には避けていないのに一つももダメージを負わない

 私は目を張った。

「それがお前の能力、絶防御か」

 「悪魔なら誰だって特殊能力ぐらい持っているわ」

 華麗に答える猫宮。すると左足を一歩下げて刀をとる構えのポーズをとると相手が不意に言葉を発する。

「俺はお前のことをよ〜くしっているさ、あんたは俺より弱い。その上防御やカウンター、ヒーラーみたいなことしかできやしない。上級悪魔も対したことはないな」

 私もそれは同意する。彼女の能力を感じ取れる範囲では軍配として、敵の方が高く感じ取れる。それは1/10の差がある、これでは話にならない。そう思いながら固唾を飲んで見守っていた。

 彼女はその言葉に軽く息を吐き、微笑んだ。それをみた時私は開いた口がふさがらなかった。

 敵ははぁ?と怒りじみた声をだす。

 「あんたばかなのでわからないよ」

 すると、彼女から感じ取れる能力の気配がこの町全てを覆うほど膨れ上がり、気迫だけで私は吹き飛ばれそうになる。敵が啞然として計画破綻して青白くなる。

 「ま…!ぁ…お前は…!」

 言葉をいいかけた時、猫宮は居合斬りを俊足の速さで切放ち、ローブの魔女を一刀両断。

 敵はその場に打ち倒れて朽ち果てていく。

 これが上級悪魔の能力…。目にものを見せつけられて私は呆然と立ち尽くす。

 「怪我はないかしら」

 「あ…ありがとう…。大丈夫」

 あまりのスキルの格差にどう振る舞えばいいかわからなくなる。こんな高等な力量を隠し持っていたのか…と思うと自分の能力が惨めに感じる。例えるなら、アリンコとドラゴン並に違うではないか。

 その後公園のベンチで2人で話をしていた。

 「猫宮さんって自在に魔の気配を制御できるんですね」

 「特訓したからよ、それは相手を欺くための術ともいえるかな。そういえば、あんたらの悪魔らはそれをしないんだっけ」

 「みたことないですね」

 私は苦笑いをした。猫宮のスペックの高さにひれ伏すのみだ。不思議だったのはそんな彼女がなぜ私のことを気にかけるのか。私は勇気を振り絞って声をだす。

 「猫宮さん…私のことを気にかけるのはなぜですか…あなたほどのエリートで何でもそつなくこなせるのに。私なんかあなたのスペックの足元にも及びもしないのに」

 猫宮が私の顔を見て涼しげな顔で答える。

 「あなたは猫を助けた。その恩を返しているだけです。それと私を秘書として選んだ主人の悪魔がなぜかあなたのことを気にしている理由が知りたいから」

 耳がピンと張り詰めるような答えが飛んできた。猫宮を秘書として選んだ主人主人の悪魔が私を…。聞き間違いではなさそうだ…そんな悪魔に目をつけられる私の存在ってなんなんだ。

 「今日で少しはネガティブな思考の使い道を学べたかしら」

 「はい、ありがとう」

 「ならよかったですね」

 猫宮は可愛く少し微笑んでいた。それは猫がしてやったりとする無邪気な顔にそっくり。

「悪魔だろうと、人だろうと完璧ではない。それは覚えておいてほしいね」

 それは独りごとのようにも聞こえたが私に語りかけているのだろう。私はそんな風に思えた。

 猫宮がふと思い出しかのように話だす。

 「そうだ、今日助けてもらったお礼に一つ彼女立ちの過去でも教えるわ」

 「いいんですか?!」

 それは願ってもいない猫宮の気まぐれだろう。私は身を乗り出して真剣に耳を傾ける。

 「彼女たちのことはよく知っているのよ。なぜかって、私は2人の面倒をみてたから」

 「つまり、お師匠さんってことですか?」

 「一言で言えばそうね。スピアとアスカが大悪魔の時にね」

 「え?!スピアも大悪魔だったの?!」

 とんでもない話が次々と出てくる。

 「そのとき2人はどんな感じだったのですか?」

 「スピアは問題児、アスカに至っては臆病者で傷心者よ」

 会話に夢中になっていたら聞き覚えのある声がした。

 「誰が傷心者ですって?勝手に私たちの過去をペラペラと話すなんてね。どこまでも私たちのことは筒抜けなのね」

 見上げるとアスカとスピアがいた。近づいていることに気が付かなかったみたい。思わず声を漏らしてしまった。スピアはなぜかカンカンに怒っていた。

 「おい!猫宮、お前今日この世界で魔法使ったな!そのおかげで悪魔界に地震がおきてたぞ!」

 スピアはひっつりあげた目で猫宮に突っかかる。

 アスカは買出しでかってきた夕飯の具材などが、入った袋を手に持ちながら私を見下ろす。私たちは立ち上がって会話を続ける。

 「もう用は済んだのですか?」

 「すんだわよ、ありがとう猫宮。」

 「このぐらいいくらでも大丈夫ですよ。なんてったって、私はそんなこともこなしてあげるほど余暇があるのですから」

 「はいはい」

 「おい!妾を無視するな!」

 あいかわらず、彼女のナルシスト発言には回答に困る。

 「ていうか、里香はいつまで悪魔モードでいるんだ?」

 「えっ?」

 「きれてないぞ、電源」

 アスカからの指摘で私は頬を赤くして悪魔モードから普段のワンピース姿に戻る。

 猫宮が立ち去ろうとした時不意に声を小さくてしてスピアに耳打ちをした。

 「お前はまだ「大悪魔から超絶悪魔になったこと」を気にしてるのか」

 するとスピアの殺気が周りに立ち込める。

 「ぁぁ?お前には関係ないだろ、猫の悪魔が」

 その言葉からはいつにもまして心に根深く入り組んだ思いがあることを私とアスカは悟るのであった

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