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「ひ、ヒィィィィイ!!?」


顔を真っ青にして目を見開くニコラスは抵抗など出来ず、ガチガチと歯を鳴らし体を震わせた。


「いいんだな?……じゃあな」


引き金を引いていく。


「ワアアアッッッァ!!?!?!?」


ニコラスは失禁し、目をクルリと反転させ、気を失い後ろへと倒れていった。



「……馬鹿か、フェリスの前で撃つかよ」



銃をそこら辺に投げ捨てると左手を軽く上げ、引き揚げるぞ、っと味方の兵士達に声をかけていく。

すると、大きな歓声を上げ、へばっていた体を持ち上げ立ち上がってきた。


「さすがだなぁ、アドルフは」


キサラさんは目を細め、兄に集まる兵士の事を見ていた。

そして、私の背を少し押してくる。


「えっ?」

「……いまは近くに行くべきでは??」


顎をクイっとアドルフへと見せ、早くいく事を示してくる。

だから、私はそれに応えるようにアドルフへと近寄っていった。


「アドルフ……」


近寄った私を左手で包み込んでいく。

周りには多くの兵士がいるにも関わらず、だ。


「無事で良かった……」


今まで無かったその光景に兵士達は一瞬驚いたが、すぐに私を認めていった。


「まぁ、アドルフ様の妻ですからね」

「そうだな、……ようやくって感じか」

「今までずっと突き放していたからなぁ~」


今まで来た人達への感想を述べていくのを聞いていたアドルフは『うるせぇ』と怒った。

だけど、その声は本当に怒っているわけではなく…。


「……侍従」


アドルフは遠くにいるメリッサに声をかけ、すぐに私の近くに来るように言った。


「さぁ、帰るか。……少し疲れた」


戦いが終わり、一気に気が抜けたのかアドルフはスッと力が抜け倒れかかってきた。


「アドルフ!!?」


「大丈夫ですよ、すぐ良くなります」

「だな、怪我してもすぐ治るんだからなぁ、どんな体の構造しているんだか」


アドルフが聞いていないと思い、皮肉を言う兵士と共に私達はニコラス達の元を去っていった。








ーーーーーーーー







ニコラスとの戦いを終え、数ヶ月後…。






「なんだ、こんなとこにいたのか?」



私は湖の側で一人座っていた。

あの日のように…。



「えぇ」

「なんでここなんだ??」


私は見下ろしてくるアドルフの事を見上げた。


「……私とあなたの始まりはここでしょ。

ここで色々語ってくれたから私はあなたを意識し、そして好きになった」

「そうか」


アドルフも同じように座ってきた。

だが、あの時とは違い一人分の距離はなく、すぐ側に、だ。

だけど、そこに嫌悪感など無かった。




「……フェリス、俺はお前を愛してる」

「えぇ、……私も」


お互いに見合うと私は目を閉じた。

でも、やっぱり…。


「……今はする気はないぞ?」


私もそうだろうと思って目を開いた。


「また逃げた。これで何回目?」

「知らん」

「変わらないね、あなたは」

「まぁな。……いくぞ、雨が降りそうだ」


アドルフは立つと、手を差し出してきたので掴んだ。

繋いだまま私達は本宅へと戻っていく。

でも…。


「フェリス」


急に立ち止まると、アドルフが顔を寄せてきて、私にキスをしてきた。

今度は本当に…。



「……ようやく、だね」

「すまない」

「いいえ、あなたらしいと思ってる」




その後、私達は『正式』に婚姻し、夫婦となった。



              ーーーendーーー




番外編として『その後』を投稿します。

宜しくお願いいたします。


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