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数日後…


父の言う通り、ニコラスが家へとやってきた。




「やぁ、フェリス」

「え、えぇ……」


現れたアーデルハイト家当主、ニコラス=アーデルハイト。

銀色短髪姿に優しそうな印象を与える少し下がり気味の眉、眉に合わせて目元も少し下がり私を見る瞳は青い。そして小さな小鼻に血色の良い唇。

白いタキシードを着こなし、首元には黄金色のスカーフを巻き、真っ赤なマントを下げ、歩く度にひらりひらりと揺れ動く。


「んっ?何故そんな顔を見せるの?」


私は目の前に現れたニコラスに少し眉を寄せて毛嫌いさを表していた。


「……なにか気に触る事をしていたなら謝る。言って欲しい」


(よくもそんな事を…。いっぱいあるでしょ……なんでそんな飄々とした表情で私に話しかけれるの)


今すぐに言い合いになっても良かったが、私はグッと抑え、ニコラスを自室へと招いた。





ギシッとニコラスは前回のお茶会と同じ場所に座り、私は今回隣に座る事をせず、向かい合う形で座った。


「この前は楽しかったね。でも、ビックリしたよ。急に首を深く曲げたかと思ったら寝息を立て始めるんだから」

「そ、そう……それはごめんなさい」

「いや、いいんだよ。疲れていたんだね。今日はレスティアはいないのかい?」

「いや、……いますよ。どうしてですか?」

「んー、ちょっとあって」

「なんでしょう?訳があるなら聞きますし、それにすぐにここに呼ぶならメリッサにお願いしますよ」


ニコラスは私の後ろに立つメリッサに目を送るが、何故かすぐに外しベットへと目を向ける。


(なんでそこを気にする?やっぱり、バレてないかを心配しているの)


「ねぇ、メリッサ」

「は、はいっ」

「喉が渇いたなぁ、なんでも良いから飲み物持ってきてもらえないかな?」

「あっ、す、すみません。すぐにお持ちを」

「いやぁ、《《ゆっくり》》で良いよ。焦ると転んでしまうからね」


ニコラスの言葉に私とメリッサは少し目を合わせる仕草をしていた。


「ニコラス、なんでそんな言葉を?」

「えっ、なにか変な言った?」

「……いえ」

「まぁ、とにかく持ってきて貰えるかな?」

「わ、分かりました。少々お待ちを」


メリッサは私を気にしながら部屋を後にしていった。



「ニコラス、私、あなたに話があるんだけど……」


私の言葉にニコラスはベットから目を外し、体の向きを直してきた。


「そう、ちょうど良かった!僕を君にあるんだ、とても大切な話がね」


とても生き生きとした表情を見せながら語り出すニコラスを見てモヤっとした感情が生まれた。


(自分から言い出すと悪者になるかもしれない、だからあえて私が言い出したのを見越して言ってくるのね。どこまで……)


「なにかな?きみの話って」

「……ニコラス、私の事、どう思ってる?」

「どうって、なんだい、その質問?好きに決まってるじゃないか。婚約者だろ、当たり前だ」

「そっか……」

「んっ?なんで暗い顔を見せるの?」


ニコラスは目元を俯かせ、暗い影を落とした私を気にして立ち上がると私の方へと歩み、すぐ真後ろにまでやってきた。


「フェリス、……君は可愛い」


スッと私の両肩に手を置いてきた。


(気持ち悪い…)


「やめてっ!」


私はすぐに体を捻り、ニコラスからの接触を払い除けた。


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