第四話 一時の平和
皆さんこんにちは。ヤミです。本日も二話連続投稿させていただきます。
お楽しみください。
俺たちはとりあえず、龍神高校を拠点として、天井に開いた穴の監視をしていた。
「いやぁ、仲間が増えてよかったよ。これで九人だね。ってことで改めて自己紹介していこうか。まずは新入りの隆一からしてもらおうか。」
シエルは先生に自己紹介するように促す。
「じゃあ、改めまして、元《龍神》の神木隆一だ。俺は能力を使えないが、この刀が使える。こいつの能力は《絶対切断》だ。よろしくな。」
「次は悠都。」
「はい!五十嵐悠都です!能力はありません!よろしくお願いします!」
「次に茜。」
「はい。夕凪茜です。私も能力はありません。よろしくお願いします。」
「では次に影塚。」
「俺だけ名字呼びなのか?」
「じゃあカゲで。」
「適当すぎない?」
「ほら、早く。」
「影塚星影です。能力は《影》です。」
「はあ!?お前能力あったのか?!何で教えてくれなかったんだよ!」
と、悠都が興奮して聞いてくる。
「俺を育ててくれた、家族みたいな人がいて、その人に言うなって言われたんだ。ただ、能力を持った奴に出会ったなら、そいつには伝えろって。」
「じゃあ前言ってた亡くなった家族ってのはその人の事なの?」
茜は俺にそう聞く。
「ああ、そうだ。」
「その人の名前、何て言う人?」
シエルが真剣な顔で聞いてくる。
「名前は、暁彦。」
「やっぱりね。その人はカゲ、あなたのおじいさんだよ。影塚暁彦。《暁》の創設者でもある、私たちの恩人なんだ。」
まさかの育ての親は自分のじいちゃんだったと言う衝撃の事実を知ることになった。
「そして、君が《影》の能力が使える理由。それは暁彦さんが君に能力を託したから。能力ってのはね、他人に譲渡することができるんだ。」
「そうだったのか。」
「さて、自己紹介のはずが脱線してしまったね。続きといこうか。では改めて《暁》のリーダー、シエルだよ。能力は《氷》。よろしくね。」
そしてシエルはリリィに促し
「《暁》サブリーダーのリリィよ。能力はないわ。」
「俺はトーマス!能力ないぜ!」
「クラウスだ。能力はない。」
「スティカです。能力はありませんが、狙撃が得意です。よろしくお願いします。」
このみんなが、新《暁》のメンバーだ。これからたくさん大変なことがあるだろうが、このみんなとなら何でも超えていける気がする。
「なあ、俺たちはみんなのこと何て呼べばいいんだ?」
「これからは仲間なんだ。気軽に呼び合えばいいよ。」
「わかった!じゃあシエル、早速なんだけど、能力ってどうやって手に入れるんだ?」
悠都は目を輝かせて答えを待つ。
「能力を得るためには、死んだ相手から奪うか連邦政府に実力を認めてもらいそこで能力を貰うかの二択だね。」
「なるほど!」
悠都は自分も能力を手に入れることが出来る可能性を知り、満面の笑みで納得していた。だが、少し顔をしかめ
「てことはよ、星影は亡くなったじいちゃんから能力奪ったってことにならないか?」
悠都の疑問は俺も気にはなっていた。シエルはその疑問にそれはねと答え始める。
「能力者が死ぬとその血縁関係に能力が受け継がれるんだ。」
「いつ能力を受け取ったのか記憶が無かったんじゃなくて、唐突に俺に受け継がれただけってことだったのか。」
「そう言うことだね。」
シエルは一息おいて、パンと手を叩き
「さて、敵は穴から入って来なそうだし、そろそろ穴を塞ぎに行こうか。」
「アナタたちの初めての任務ね。気合い入れて行きなさいよ。」
リリィが俺たち三人に声をかける。スティカとリリィは教室に残ることになったが、他のみんなは天井に開いた穴を目指して動き始める。
第四話、いかがだったでしょうか。
楽しんでいただけたのなら幸いです。
星影達が《暁》に所属し天井に空いた穴を塞ぐために動き始めます。そしてそこで新たな出会いにより《プレデター》が動き始めます。
次回第五話 対峙