まんまと秘密の扉に導かれてしまった
安いものに、目がなくて。
安いものを探している、自分がいて。
安さ中心に探している、僕がいる。
値段を見てから、商品を見ている気がする。
値段が高かったら、目にも入らない的な。
生活必需品は、一番安いものしか買わない。
入数などの計算を脳内で、繰り広げて。
1個あたりの値段が、一番安いものを、買っちゃう。
ドラッグストアに、行った。
そこは、一番行っているドラッグストアだ。
そこでしか買えないものが、結構あるから。
ティッシュやキッチンペーパーを、よく買う。
お菓子もアイスも、結構買っちゃう。
買い物中、あるものを見つけた。
賞味期限間近コーナーだ。
もうすぐ賞味期限を迎える商品。
そんな商品をいろいろと集めたカゴだ。
派手な文字が、掲げられていたと思う。
[賞味期限間近]という、派手な文字が。
だけど、隅でひっそりしていた。
かなり安くなっているみたい。
好みの商品かは、分からない。
だけど、興味があるから近づいた。
近づいてみた。
『ウィーーーーーーーン』
なんだなんだ。
急に、右側の扉が開いた。
壁だと思っていたものが、扉だった。
白いだけだから、分からなかった。
関係者以外立ち入り禁止的な、自動ドア。
それが作動したのだろう。
何も書いてないから、驚いた。
ただの壁だったから、驚いた。
ゆっくり開いてゆく感じ。
不気味で、恐怖を感じた。
すぐに、その場から去った。
さささっと、小走りで。
そんな場所で、落ち着いて品定めできない。
これは、ドッキリだ。
導き系のドッキリだ。
しっかりと、練りに練ったドッキリだ。
必ず誰かは、ひっかかる仕掛け。
僕は、アリ地獄にハマったアリだ。
なぜ、あそこに置いたのか。
誰も、その商品を買えないと思う。
売りたいなら、違う場所に置いてほしい。
その扉の先には、何もない感じだった。
本当に、店の裏側って感じだった。
でも、そこにいたら、吸い込まれるかもしれない。
吸い込まれて、別の世界に落ちてゆくかもしれない。
秘密の扉の奥に、吸い込まれたのなら。
きっと、高級ドラッグストアに、導かれることだろう。
そして、商品の良さを延々と、語られることだろう。
まあ、そんなのはないか。