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デートははじめてですよ、ええ



 俺たちは付き合いはじめた。

 今日はデートだ。と言うか今までのは喫茶店デート言うやつなのでは? と思ったりもするがあの喫茶店以外で顔を合わせる機会なんてほとんど無かったので実質初デート。そう、初デートだ。

 俺は銀色にメッキされた時計塔の前で指定時間の1時間ほど前からうろうろとしている。

 服装はまあいつものやつだ。黒いジャケットに白いカラーシャツ、黒のスラックス。コートをまといハンチングをかぶり胸ポケットにサングラスを垂らしている。

 デートだからキメてきたって? いや実際普段着に近いんだなあ、これが。

 似合ってないって言われそうだけど俺はこの格好が好きだからしている訳で”似合ってない”ってのはその人の意見だ。そんな外からの言葉で自分を曲げたら俺が俺で居られなくなる。

 まあそんな俺理論はいいとしてれーこさんまだかな。なんて思っていると指定時間ピッタシにれーこさんは現れた。

「またせたね」

 黒いスラックスに白い胸の少し開いたシャツ、白いコート。右手に銀色の時計をしている。れーこさんもいつもの格好だった。

「待ってないよ」

「へえ、1時間も前から時計の前でうろうろしていて待っていないって?」

「へ?」

 ちょ、ちょっと待てよ。1時間前からうろうろしていたって言いったよね、れーこさん。

「……、れーこさんも1時間以上前に到着していて俺を見張っていたと言う事ですか?」

「ちがうわ。3時間前から時計の前に居たの。かかくんが来たから急いで隠れたの」

 れーこさんってこんなキャラだったっけ?

「うーん。お互い様?」

「そうね」

 まあいいや。目的地はそんなに遠くはないから。

「さて、かかくん。今日はどこにエスコートしてくれるの?」

「え、ああ。こっちです。今日はコーヒーを飲もうかと思いまして」

「コーヒーね。勿論、アイスよね?」

 俺が頷くと彼女も頷いた。

 

 銀時計から歩くこと数分で俺たちは公園に到着した。

「ええっと。今日はっと……」

 隣で歩く彼女は左右に目を走らせる俺を見ても表情を変えずにいた。

「あっ! ありました。あそこです」

 俺の視線の先には1台のワンボックスカーがあった。

 手を引き急いで駆け寄る俺に彼女は少し不思議そうな顔をしていた。

 



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