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第1話 暗闇
(僕は暗闇の中を歩いている)
(いつから歩いているのか分からないけれど)
(ここはとても真っ暗で先が見えないから不安になるけど、安心もするんだ)
真っ暗 くらくら
なんにも みえない
真っ暗 くらくら
ほとんど なにも
ひんやり ひたひた
おもいのかな
闇ってどれくらい
重いのかな
だーれもいない
なーんにもみえない
光があっても おなじだよ
げんじつひとつかわらない
それなら みえないほうがいい
それなら みせないほうがいい
(あいかわらずなんにも見えないよ)
(自分の手のひらさえ見えないから)
(誰か他の人がいたって分からないね)
「ストーリー」
日の当たる場所が怖いから。
その少年は暗闇に安息を求めた。
始めは恐怖を抱いていた。
けれどだんだんと、その暗闇から安らぎを感じるようになった。