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自分が嫌いすぎる彼女  作者: abaudo:アバウド
6/6

自分過ぎるメモ!

妖そのものから生命力をもらうとき、一時的に淀んだ考えになり、人格がおかしく傾いてしまう。

abaudo;アバウド


この世界には、あまりにも未知が多すぎる。

祓真神社のあるこの地域。

ここは、非常に別世界と近いのだ。

無論、僕はこの問題をどうすることも出来ない。

最初に言った通り、僕のは特別な力なんかまったくない。

凡人とほど変わらない位に...

しかし、僕にあると言うならば、知識だけだ。

そこにない物、だから触れられない物。

存在はない、意識もない。

だが、そこにいると考えればいるように見える。

つまり、妄想だ。

この世界の全ての人が妄想をするだろう。

そうだ、それらが、皆のいう「妖・霊・怪異」なんだ。

だから、ほとんどあれらから僕らに関与してくることはない。

例外もあるが...

それが、呪い。

特殊なあれらによる、完全な悪意の賜物だ。

勿論呪いなんてものは、今のこの時代にはほとんどないものだろう。

だから、心配はないと思っていた。

“ついこの間までは”

「嬉雷君、晩御飯出来たわよ」

「わぁ、ありがとう」

エプロン姿の志宮が、僕の部屋を開けた。

僕は足を軽々と進めた。

ありがたみを感じながら、先に歩いていた志宮の横に着く。

細くて長い廊下を、ゆっくりと...

すると、エプロン姿の志宮が、そっと僕の手を優しく握ってくる。

柔らかくてあったかいその感触が、僕の手に引っ付いて離れない。

僕は横目で志宮を見る。

すると志宮は僕の顔を見つめて、ふふっと小さく笑った。


いつもの食卓に並んでいたのは、まるでレストランに出てくるようなハンバーグが皿に乗っていた。

こげ茶色のソースから、あったかそうな湯気が出ていて、それが食欲をそそる。

先に淡奈が席についていた。

「ほら嬉雷。早く座りなさい」

やけに上機嫌なのは、多分料理のおかげだろう。

「ったく...」

僕は呆れたように言ったが...

「何笑っているの、嬉雷?」

笑っている?僕が?

僕はゆっくりと畳の床に座った。

それと同時に僕の横に志宮も座った。

「...食べようか」

「そうね...」

「早く早くぅ!」

子供みたいに淡奈がはしゃいでいる。

「それじゃあ」

「いただきます!」

僕はフォークを突き刺して、ナイフで柔らかい肉を切っていく。

口元までフォークに突き刺した肉を持ってきた時、匂いから分かった。

これは........

「うまい!!!!」

「あらっ、ありがとう」

そう、これ以上の表現では表せない。

むしろそれ以上いうのは失礼なんじゃないのだろうか!

「いや、志宮...お礼を言いたいのは、こっちだ。こんなにうまいものを食わせて貰えているのは、間違いなく志宮のおかげだから。」

志宮が嬉しそうに「ふふっ」と笑って、小さく切ったハンバーグを一切れ口に入れた。


「わしの言葉が聞こえるか?」

「え...な、何?」

勉強机に向かって座っていると、何処かから声が聞こえてくる。

「わしじゃ」

「だ...誰?」

姪夜は周りを見るが、何もいない。

「目を閉じてみろ」

その言葉に従って、目を閉じる。

そして真っ暗な空間が広がったと思えば、一点だけが輝いている。

意識を自由自在に操れるような気がして、そのままその光に意識を近づけて行った。

光がだんだん大きくなっていく。

目を凝らすような感じで見ると、そこには露出の高い黒い鎧を来た綺麗な人がいた。

黒とは全く逆の、真っ白な肌が透ける様に見える。

女の人の白銀の髪が、ひらひらと揺れている。

「あ...あの」

「まぁ、驚かなくてもよい」

女の人が私の頬をしっとりとした手で触った。

優しい目つきで私を見続けている。

何故この人はここまできれいなんだろう。

よく見ると、背中から白い色の翼が見える。

「あ...なたは?」

「今は知らんでもよい」

女の人はあまりしゃべろうとしない。

ただ、私をうっとりとした顔で笑みを浮かべ続けている。

その目を見続けていると、私の心に穴が開いたかのように、何も感じなくなっていく。

感覚がなくなっていく中で、私が覚えていることは、女の人が最後に言った言葉だけだ。

「聞こえるか?...黒鷹こくよう

黒鷹?誰?

意識が薄れている。

目の前も曇ってきている中で、私の顔に一滴、涙が落ちる。

あれ...泣いてる?

私は彼女の頬を優しく触れて言った。

「大丈夫...だよ......私は...もう、この子から...離れる......から」

喋ってないのに...喋っている感覚がある。

「何を言っておる馬鹿者!それだと、お主は死ぬことになるぞ」

なんでだろう、涙が出て来る。

「このままだと...この子の...心を......黒く、染めて、、、しまいそうだから」

「待て!」

私の中から、暖かいものがゆっくりと離れていく。

「あと、あの偽聖者...の事......だけど...」

「なんだ、あいつを殺せばいいのか?」

「ううん......勘違い...して...た...この子と共に...彼に......会いた...かった」

「何故だ?」

「でも...最後に...君に........白烏に会えて......よかった」

強引に話を終わらせようとする。

なんだか、気持ちい感覚に包まれていく。

「待て、もう少しでも、この娘の中で回復すればいいじゃないか」

「そんなこと出来ないよ...私がこの子から生命力を奪ってしまう」

「でも、このままでは...」

「代わりに...最後に私の願いを聞いてほしい」

「ああ、聞いてやる...どんな願いでも」

「私が...吸ってしまった......この子の生...命力を、あなたが回復させて、、あげて」

「わかった」

白い光の玉が、私から離れていく。

綺麗な光景が、薄く開いた目から見える。

女の人が私の顔を見て、優しく微笑んだ。

そして、私の手を掴んだ時、驚いた表情をした。

「黒鷹...嘘をつきよったな......まさかとは思っていたが、消えそうな体で生命力を分け与えておったとは...」

そして、眉をにしわを寄せて、涙を流す。

「何が吸ってしまっただ......」

今まで保っていた意識も、とうとう目の前が真っ暗になって消えていく。

「...暫く、眠れ」

その言葉を聞いて、私は安心するように眠ることが出来た。

「あれ!」

気付いたら、私は勉強机にうつぶせに寝ていた。

さっきまでのことは...

周りを見渡していると、外の色が目に入った。

「って、今何時!?」

もう、朝の6時を回っていた。

あれ、どうしよう。課題も出来てないし、お風呂にも入らなきゃいけないし...

頭の中でぐるぐると回って、何をすればいいのか全くまとまらない。

その時、私の足は決めたかのように、歩き出した。

自分の意思では、制御が何故かできなかった。

何をするのかと思ったら、お風呂場の前で止まる。

「え?な、なに?お風呂に入れって?」

何故かわからないまま、私は脱衣所で服を脱いでシャワーを浴びる。

シャワーで、髪と身体を洗ってからお風呂の中へと入る。

朝一番のお風呂、何故か沸いている。

でも、そんな事は気にしなかった。

多分、早くから仕事に行ったお母さんが沸かしてくれてたんだろう。

お風呂から出た私は、さっさと課題を終わらして高校へ足に行く準備をする。

靴を履いた時、ふと頭が痛くなって目の前が真っ暗になる。

「あれ!」

気が付くと、私はもう授業を受けていた。

「どうしました?姪夜さん、いきなり立ち上がって...」

「あっ、す、すみません」

周りの視線を感じ取って、小さくなって座る。

恥ずかしい...

でも、何で私はここに...さっき、確か玄関で...

よくわからないまま、私は授業を受け続けた。


「美嫉、何故あなたが白烏を知っているんですか?」

僕は先に健康的な物を食べている美嫉の前に座った。

「知りません、あと私には敬語を使わないでください」

「いや...この間、白烏が来ているとかなんとか言ってたじゃないか、あと先輩に敬語使うのは当たり前だと思うんだけど?」

「逆になんで嬉雷様が白烏を知っているのです?私はあなたに敬語を使われると鳥肌が立つの...」

「そんな事、今はいいだろう?ていうか、何で鳥肌が立つんだよ...」

「よくありません」

美嫉は眉にしわを寄せて、真剣な顔で僕を睨む。

「僕の家系がそういうたぐいについて詳しいからだよ」

「ああ、納得です」

美嫉は目を細めて、スラッとした足を組んで美しい微笑みを浮かべた。

そして美嫉は、妙に大人っぽく目を閉じた。

皿に箸を置いて、腕を組む。

なんて言うか、僕の身の回りに綺麗な子多くね?

まさか...

...やめとこう...

「そんな事より、嬉雷様。そろそろ本格的に私を秘書にしてほしいんですが?」

「秘書?」

「なんですか、その今初めて聞いたって言う顔は」

「いや、初めてじゃね」

「初めてじゃないですよ」

言ってたか...?

「ほら、最初にあなたを拘束して、あんなことやこんな事までした時に...」

「その言い方は語弊と言うか、誤解を生むからやめろ」

周りの目が怖くなる。

と言うか、さっきまでの話何処に行った?

「私を秘書にすれば、いい事しかないわよ」

そう言って、思いっきり顔を近づけて、僕の顔を両手で拘束した。

「ちょっ、やめ」

「嬉雷様、私はあなたの為なら死んでもいいと思うわ」

急に熱の籠った甘い声になる。

「え...あの...ちょっ、、ま」

緊張して、声が裏返った。

うっとりとした顔で、僕の唇に唇を近づけて来る。

こんな、人がいっぱい見ている中で...

僕は何も抵抗せずに、彼女の目を見続けていた。

「先輩?」

「あえっ!?」

突然後ろの方から声が聞こえたと思ったら、姪夜が食器を持って突っ立っていた。

目を見開いて、まさに絶望と言う顔をしている。

僕はその表情に圧倒されて、声も出せずにいる。

「先輩...白阿先...輩」

徐々に姪夜の目から、光が消えていく。

そして表情も暗くなって、目の焦点が定まらないままに言った。

「先輩...最近、変わりましたね」

「え...あ、あぁ」

僕は目を見開いて驚いた。

姪夜は、不気味にも笑ったのだ。

「ふふっ、先輩。私、放課後待ってますから...先輩がくるまでずっと、待ってますから」

「あ........あぁ」

僕の頬に汗が伝うのがわかる。

姪夜は美嫉を睨んで、微笑みを浮かべる。

だが、姪夜の目は笑ってない。

美嫉が、小さくなって座ったのが目の端から見えた。

そして、姪夜は去っていった。

「行かない方がいいわよ」

美嫉が座ったのもつかの間、何か妙な身動きをして、何かを拾った。

だが、僕はそれが何かを考える気にはなれなかった。

そして僕は何も言わず、その場を去った。

本当に何も言わず。


放課後、僕は彼女がいるであろう、保健室に向かった。

外は紅く輝いていた。

そんな中、保健室だけは暗くなって、小さな灯りが付いているのが保健室の前から見てわかった。

僕は何を緊張をしていたんだろうか...

入るまで、何度も何度も頭の中で葛藤して、悩んでいた自分が馬鹿みたいだった。

今、僕は姪夜と二人きりでいる。

なんだろう、このやわらかい感触は........

頭の中が真っ白になって、思うように身体も動かない。

目の前がぼやけてきた。

抵抗することなんてない。

だって僕は........

“ここだけ”に居ればいいんだから。

力がはいらない。

「せーんぱい...」

僕と腕を絡めている姪夜が、僕の心を見透かすように甘い声をだす。

「私と一緒に...いてくださいね」

何が起こっているんだろう...

あれ?姪夜ってこんな子だったっけ...

そんな事を考えている時、ふと昔の記憶が蘇る。

「先輩...また怪我したんですか?」

「ああ、ちょっと猫が木の上にいて」

僕が微笑みかける。

そんな僕に、姪夜は怒っているようだ。

「もうちょっと、自分で自分のこと知った方がいいと思います」

「ええ?」

「ええ?じゃ、ありませんよ...もう」

そう言って、姪夜はため息をついた。

なんで僕みたいな人間に優しくしてくれるのか...

僕は姪夜に何も出来ないのに...

僕は、ただの凡人...モブなだけなのに。

「いてっ」

「消毒しているんですから、あんまり動かないでください」

「冷たいなぁ」

「私は先輩の事を考えて...」

「考えて?」

「な、なんでもないです」

「本当に?」

「ほ...本当ですから!」

あまりに姪夜が食いついてくるから、面白くてついついからかってしまった。

「ははっ」

「ふふっ」

そんな僕に呆れたのか...微笑みを見せた。

記憶がそれ以上、僕の観を許さない。

禁忌のように、それ以上見せないと、拒んでいく。

何故か全てどうでもいいような気がして来た。

姪夜をみると一緒に、外に何かがいるのがわかった。

「どうしたんですか?」

「ね........こが...いた........から」

ぼやけた目からは何がいるのか、わからなかった。

でも、僕の直感がねこだと言った。

「まぶ........し...い」

僕の目の前が真っ白になって、周りの光景が見えない。

この感じは知っている。

親父が昔、花火だとか抜かしていた。

でも、これが本当は何か知っている。

真っ白な光景から抜ける時、僕は意識を戻すことを決心した。

この状況はおかしい。

今は危険な状態に思う。


「嬉雷君はどこにいるの?」

「知らないわよ、どうせまたどっかぶらついてるんじゃないの?」

「そんなわけないでしょ。今が今よ!?」

「知らないわよ、そんなに気になるなら美嫉の奴に聞いたらいいじゃない!私は今忙しいの」

「もう、頼りにならない」

志宮は眉間を狭めて怒った表情をする。

どうやら、心配しているようだ。

そして、そのまま美嫉のいる化学室に向かった。

「怪しい化学部の部長さんはいる?」

「入っていいわよ」

志宮は静かにドアを開けた。

中は異様な空気が広がっていて、気持ち悪い感覚に襲われた。

「な、何をしているの?」

「私と嬉雷様の今後の為に、私が嬉雷様を助ける物を作っているのよ」

美嫉の手元を見ると、何か小さな入れ物を作っているようだ。

「何それ...もしかしてお守り?」

「まあ、そんなところよ」

志宮は「へぇ」と言って、近くの椅子に座った。

その時、化学室のドアが勢いよく開いた。

「出来たわよ!」

淡奈だ。

淡奈の手元には、木のかけらみたいなものがあった。

「ああ、もう出来たのね...ありがとう」

なんだか二人で作業をしていたようだ。

一人取り残されたような志宮が、大きく深呼吸をした。

それと同時に、ため息もついた。

「それは何?」

「これは...言えばお守りよ」

「なんのお守りなの?あなたの事だから意味があって作ったんでしょう」

「当たり前じゃない、まぁ、言ってもあなた達にはわからないわ」

志宮は「ふぅん」と鼻を鳴らして、それ以上の追及はしなかった。


「先輩、もう起きているんでしょう」

怖い顔をした姪夜が、僕の顔を触って聞く。

「先輩はそういう趣味があったんですね」

趣味?

「私の心の中を見て回るなんて、私が拒んでも........」

「何を言っているんだ?」

「ほら、やっぱり起きてた」

姪夜の目が鋭い物に変わる。

「そんな先輩好きじゃない」

「僕の力を吸い取って、どんな意味があるんだ」

「そっちこそ何を言っているんですか?私はこうやって、先輩と最後の時間を過ごしているだけじゃないですか?」

「姪夜、君じゃない...君の中にいる、もう一人の姪夜に聞いているんだ」

その言葉を聞いた時、姪夜は驚いた表情をしたと思ったら、直ぐに倒れた。

「...め、姪夜!?」

反応がない。

どうしたって言うんだ?

「何を驚いておる...お前が呼んだんだろう」

さっきとは一変して、全く違う面構えの姪夜がいる。

「お、お前が姪夜を?」

「黙れ下等生物...私を前にして、軽々しく喋るでない」

何と言う神々しさに、一瞬言葉を失う。

「お前が、白烏なのか?」

「半神の獣に対して、お前呼ばわりなど...まぁ、わしの名を知っているだけ、死に方を選ばせてやる」

そういうと、姪夜の姿をした白烏が指を一本、二本と突き立てていく。

「一、全身を切り刻まれて死ぬ」

「二、椅子に縛られて、徐々に水が上がってくるという恐怖に耐えながら死ぬ」

親切に教えてくれるなぁ...

「三、けつの穴に鉄パイプを百本一気に入れられて死ぬ...さぁ、どれを選ぶ?」

「生きるって言う選択肢はないのかな?........って言うか、最後のなんだ!?」

「一番親切な殺し方だと思うが...?」

「どこがだよ!しかも鉄パイプそんなに入らねーわ!」

「そうか?」

そう言って、近くに置いてあった鉄パイプを手に持った。

ひゃー、なんかけつが痛く感じる。

ていうか、それ置いてあった理由それかよ!

「そろそろ、解放の時だな」

そう言って、姪夜の髪が白く輝いて行く。

「な、なんだ?」

酷く安心したような顔をして、神々しさが更に増した。

背中の白翼がバッと開いた。

解放?

思わず息を呑み込む。

「はぁ、私は何故不死なのか。それがわかるか?」

「し、知らないが...」

「やはり、お前でもわからぬか」

そう言って、悲しそうな顔のまま、天に手を掲げた。

「な、何をするんだ?」

「いっそ、ここ一帯を破滅させれば消えられるかもしれんな」

「や...何を言っている!?」

「止めても無駄だ、わしはもう嫌なのだ」

どうして...

どうすればいい?

この学校には、姪夜がいて。

美嫉がいて。

淡奈がいて。

そして、志宮がいるのに...

「嬉雷様、これで封印して...」

ドアが思いっきりの力で開く。

そして、手のひらサイズのお守りが、僕の手にのる。

美嫉...それに淡奈や、志宮も........

「それは、わしの羽」

羽?

僕には見えない。

でも、なんで羽なんだ?それも白烏自身の...

もしかして、食堂の時...

「嬉雷君...」

「もう、心配かけんじゃないわよ。馬鹿嬉雷!」

僕は白烏の方を睨む。

「待て...わしを封印したら...」

僕は投げようと腕を振ったが、白烏はそこから動いて、僕に当たってくる。

次の瞬間、僕の前には何もいなかった。

倒れた姪夜と、美嫉達。

白烏の姿は無くなっていた。

「嬉雷様の中に、入っちゃった」

美嫉がボソッと呟いた。

「は?はぁぁぁぁ!?」


結果的にいって、僕は白烏と身体を共有することになった。

勿論、その事を姪夜は知らないが...

「先輩、一緒に行きましょう」

驚くことに、次の日からは姪夜の体調は戻り、記憶も無いというのだ。

「もう、嬉雷君また新しい女の子?」

「人聞きが悪いな」

「志宮さん、そこは私の特等席です。どいてください」

そう言って、横を歩いていた志宮を押しのけて、腕を絡めて来る。

そして...

(おい、聞いておるのか)

(へぇへぇ、聞いてますよ、白烏さん)

僕は中からも外からも、静かな空間を奪われたことになったのだ。

自分で祓うこと出来なくなったし、こいつも縛られているから心配はないけど...

早く親父帰ってこないかなぁ?

(お前!良からぬ事を考えておるな!)

僕はいろいろな問題に頭を抱えることになった。

そして、考えることをやめたのだった。

次回から、“自分が好きすぎる彼女”にて投稿します。

投稿日は遠くなりそうです。(もしかしたら来年もあり得るかもしれません)

後日から、“俺だけ悪魔で俺以外の同級生全員人生イージーモード”を投稿開始します。

良ければそちらものぞいてみてください。

今まで自分が嫌いすぎる彼女をありがとうございました。

自分が好きすぎる彼女をよろしくお願いします。

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