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もしも異世界に生まれたら。  作者: 鳩浦 雪兎
閑話、ミレイちゃんのお勉強。
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『カイル王子と泣き虫ドラゴン』2

 王子は、かなしくなりました。

 まっくろなドラゴンには、なまえをよんでくれるひともいなかったのです。

「なら、ボクがキミのなまえをつけてあげるよ! ラン、はどうだろう?」

「ラン、ラン、わたしは、ラン。とってもすてきね」

 ドラゴンさんは、とってもうれしそうです。


 それから、6にんでいろんな場所(ばしょ)にいきました。

 ふかい(もり)のなかにもいきました。

 たかい(やま)のうえにもいきました。

 とてもひろい(うみ)にもいきました。

 それでもまっくろなドラゴンはみつかりません。


「これだけさがしてもみつからない。きっと、わたしはひとりぼっちなのだわ」

 えーん、えーん。

 まっくろなドラゴンは、もどってきた山のなかで()いていました。


「ラン、ラン、ひとりぼっちじゃないだろう?

 ボクたちは、もうともだちじゃないか」

 ぐすん、ぐすん。

 ランはびっくりしてなみだがとまります。

「ともだち?」


「そうだとも! すがたやかたちはちがうけれど、ボクたちとランはともだちだろう? これだけ(なが)いあいだ、いっしょにいたじゃないか。ボクは、ランのことが、だいすきだよ。もちろん、みんなもだいすきだよ」

「ともだち……」

「そうだとも。

 ランは、ボクたちのことはきらいかい?」

 すると、まっくろなドラゴン、ランはくびをよこにふりました。

「いいえ、いいえ。

 すがたやかたちはちがっても、わたしのともだちはここにいたわ。でもちがうのはさびしいから、わたしもひとになる」


 そういうと、ランはドラゴンから、まっくろなかみと()のヒトのおんなのこになりました。

「これで、おなじね」


 なきむしなドラゴンは、にっこりとわらいました。

 それから、国にもどった6にんは、ずっといっしょにいました。


 なきむしなドラゴンは、もう泣くことはありませんでした。


 おしまい。

 これを読んだミレイ3歳、荒ぶりました。

 えぇそれはもう荒ぶりましたとも。

 以下ミレイちゃんの個人的感想です。


──いやいやいやっ何も解決しとらんがなっ!

 え、しかもドラゴンに乗って大空翔んだ?

 他の大陸そのときに見つけとけよ!

 山とか森とか海とか行ったならついでに開拓しておけ!


 てか王子のチーム女ばっかりだな?!

 ハーレムかっ! そして皆王子を守るってしか言ってないってところが恐ろしいわっ!


 唯一まともそうなラミィも『とおくのてきをやっつけるわ(王子の近くには寄らせないからカルラは引っ込んどきな)』って副音声がきこえるし!

 ……考えすぎかな?

 ともだちって言いながら絶対ランのそれ、ともだちのやつじゃねぇだろう。

 あとカイル王子って確か黒髪黒目……最後の、『これで、おなじね』ってやつ、王子と同じね? ってことか?

 怖いわ。


 これそしてあれだろ、ボクには誰か一人を選ぶことは出来ないっ!とか言うやつだろ。

 そして誰も選ばないんですねわかります。

 いやだって史実だとカイル王子の妃の名前、アイカだろ。

 どんだけタラシだこの王子。


 あとなんでカイルって名前なんだよ。

 サフネスの王子なんだから日本名ぽいやつじゃねぇのかよ。

 史実だと他の王子たちの名前はサトルにコウキにタケルって全部日本名っぽいやつだぞ。


 そんで、最初の説明がおかしい。

 カイル王子は国民みんながだいすきでした。ってどっちだよ!

 国民がカイル王子を慕っていたのか、カイル王子が国民みんなが好きだったのかハッキリしやがれ!


 あと、もしこれ思い込み的なやつだったらカイル王子ってあれだな、いかんタイプの鈍感ハーレム主人公……うん、違うって思っておこう。

『ずっといっしょにいました。』って、まさか墓まで……いや、それはない、よな?

 でもドラゴンのランってこれ500年前くらいの話らしいからまだ生きてるよな……?

 もう死んでるのかね?


 というか……ランには変身能力あるのか。

 流石伝説のブラックドラゴン、スペック高いな。


 というか、絶対最初は話し合いとか無理じゃね?

 お話し合い(物理)したのかな?


 あとドラゴンに手伝ってもらったならもっと発展してても良さそうなもんだが。

 そしてチームメンバーにはランは数えられねぇのかよっ!


 いやぁ、突っ込みどころ満載でウケたわ。


 童話も勉強になるね……。

 有名な童話には裏の怖い話が付き物らしいけど、この話には一体どんな裏があるんでしょうねぇ。

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