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そんなことを思案しているうちに、ハインツさんが何やら数枚の紙を持って戻ってきた。
隣には何故かレイルさんも居る。
いや、見届け人なのだろうけど、受付嬢のレイルさんでなくても良かったのではないかな。
「……ミレイちゃん、おはよう。話は聞いたわ」
レイルさんの顔は見るからに心配そうで、なんだか心が痛くなってしまった。
すみませんレイルさん。昨日一晩うじうじしたので、むしろ今は未来への希望で溢れてしまってます。
「ギルドの規則で、カードを正式なものにする時は、立会人が必要なんです。受付はその性質上、立会人となることが多いので、彼女にお願いいたしました」
にこやかに話すハインツさんだが、ギルドには事務方も居るのに、それでも受付のレイルさんを選んだのは私への配慮でもあるんだろう。
昼間の受付であるレイルさんは、やはり村の人間にとっては身近な存在だから。
「わかりました。よろしくお願いいたしますね」
とびきりの笑顔を作ったつもりだ。私はもう悲観していないから。
一晩という短い時間だったけれど、その時間を使って昨日はもう過去にしたのだと、彼女にも伝えたかった。
わかってくれたのかは、わからない。
けれど、彼女が私が笑顔でいることに安心したように見えたのは、間違いではないんだろう。
「では、ミレイちゃん、これを読んで、三枚目にサインして下さいね」
ハインツさんが持っていた書類は、ギルドの規約とそれの同意書だった。
これは商工ギルド、武術ギルド、共通のもので、ひとたびサインすれば、そこから大人の仲間入りとなる。
一応書かれている内容に目を通せば、特に問題もなかった。
次の内容だが、正直かなり長く、読むのに少々疲れてしまった。




