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「爆発魔についてはわかりました。それで、うちの父と兄は何故死ぬことになったのですか? 緊急依頼はグレートクロゴリラの討伐と聞いてましたし、終わって家に帰ってから爆発魔にやられた、とは考えられないんですけど」
父と兄は身内の忖度なしに強い。実際に二人が爆発魔程度を相手にして殺されるとは未だに思えない。
「えぇ。2人の死因は……グレートクロゴリラによるものです」
は? 父さんと兄さんが、Bランクのグレートクロゴリラに負けた?
「わからない、という顔ですね。それも当然ですが。まず、始まりから説明させてください。依頼についてですが、一昨日の昼間、武術ギルドに東方面の街道沿いにグレートクロゴリラが2ヵ所に出たと報告がありましてね。緊急性を感じましたし、他の者たちは今はナッツボアに夢中なので、ギルド員が対応することとなりました」
まぁそれはわからなくもない。
調査にはレイルさんが言っていた通り、少なくとも夕方まではかかるだろうから、それを請けるくらいなら冒険者はナッツボアやその他の魔獣狩りを優先させるだろう。
というより、そもそも冒険者には討伐はともかく、調査は向いていない。
「昨日は二人には他に2名のギルド員……ディーンとフレデリカは知っていますね? 二人とともに日の出とともに目撃地点へと向かって貰いました。そこからひとまず、夕刻までは調査をし、近場で発見出来るグレートクロゴリラを討伐するように、と依頼を出しましてね」
ディーンさんとフレデリカさんは二人ともベテランのギルド員で、もとはBランクまでのぼりつめた夫婦だったはず。
確か子供はもう成人してて、今は村には二人きりで住んでいたはずだ。
でも、まだ40そこそこだったから、グレートクロゴリラに遅れをとるとは思えないんだけれど……?
「……そう、普通であれば、この4人でグレートクロゴリラ程度に負けるはずはないのです。けれど、蓋を開けてみれば……そこには、20体のグレートクロゴリラが居たそうです」
一瞬、理解が追いつかなかった。
ただ、あぁ、それなら、仕方ないな。なんて、そんな感想がよぎっただけで。
でも、グレートクロゴリラは群れないはずではなかったのか?
「群れないはずのグレートクロゴリラが、大群で現れた。ギルドはこれを異常事態と判断していますが、原因はまだわかっていません」
原因不明の異常事態。
生態系が変わったのか、それとも外的要因なのか。
そこにタイミング良く起きた爆発魔事件は、偶然なのか。
「……その数がわかったのは、皮肉にも、爆発魔事件をラナエとパリス君に知らせに行ってもらったからです。しかし、ギルド員が駆けつけた時には……既に、彼らは事切れていた、と」
周りを20体ものグレートクロゴリラの死体に囲まれて、4人は地に伏していたそうだ。
名前は教えてくれなかったが、発見したその人はすぐにギルドへと彼らの回収応援の要請のために駆け出したそう。
そのおかげで、4人の遺体はあまり荒らされることもなく、戻って来られたという。
……そっか。なら、爆発魔とは関係ないのかもしれないね。
「……彼らを誇るべきでしょう。たった4人で、実に20体ものグレートクロゴリラを同時に討伐してのけたのですから」




