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さて、私を除いた子供は9人か。
ミレーナちゃんの兄であるトール君は家の手伝いもあるので参加しなかったのだろう。
あとこの年頃の子供といえばもう一人居るはずだがまだ来ていないのだろうか?
ガンツのせいか、私のことを遠巻きに見ていたミミーちゃんに近づくと、彼女はビクッと反応してから、それでも耳は傾けてくれた。
……悲しいけれど、これ現実なのよね。
「ミミーちゃん、ロビン君は?」
ロビン君は冒険者を親に持つ子供のひとりで、ミミーちゃんとは年も近いこともあってか仲が良い。
特に意味はなく気になったので尋ねただけなのだが、彼女はロビンの名前を聞くなり鋭い目付きで睨み付けてきた。
「……ロビンなら、家で寝てる。風邪ひいたんだって、言ってたけど。なんで?」
おーおー、年頃の女の子は怖い。
まだ13なのに、もうそんな反応とは。でもしっかり答えてはくれるんだよね。本当に素直で良い子だと思う。
「そっか、いや、居ないから気になっただけだから。気にしないで」
アースガイアでの不満というか、なんというか。
私が異世界の不思議を感じるもののひとつが、この男女関係の早熟さ。
この世界は弱肉強食がゆえなのか、どうも生涯をともにする相手を定めるのが早い傾向にある。
一夫一妻の生態系を持つ魔獣などは特に顕著で、番を見定めるのがほぼ一瞬。一夫多妻などの魔獣はまた違うらしいが、人間の側に居る魔獣は全て一夫一妻である。
少し話はズレたが、人間社会においてもそういう傾向はあり、割りと惚れっぽいというのか、この人! と決めた相手には猪突猛進タイプが多い。
そのせいで、惚れた相手に近づく同性に攻撃的になる人が多いのである。それさえなければ、別に良いのだけどなぁ……。
まぁそのかわり恋人となったり夫婦となってしまえば、相手を一生大切にする人がほとんどだ。
まぁでも私のように片方が拒否する場合も当然あるわけだし、すべてが上手くいくわけでもない。が、フラれたら割りと切り替えも早い。
ガンツのように執着するのはむしろ珍しいタイプなので、さっさと諦めて欲しいのだが。
……出会った時、秒で告白されて即お断りしたんだけど?
まぁとりあえずロビン君が居ない理由は知れたのでよし。
となると、おまけカードを持っている村の子供で10歳から15歳の子供はロビン君とトール君を除いた全てがここに居ることになる。
10人の子供のお守りプラスガンツたちのお守りか。
これは、冒険者さんたち、少し大変かもしれないねぇ。精神的な意味で。




