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集合場所に着くと、門の前には既にレベッカさんを含む冒険者チーム、それから地元のアルトさんをリーダーとするチーム、それと地元の若い冒険者チームの面々が揃っていた。
レベッカさんたちは無事に間に合ったのだと思う。良かった。
その3チームとともに、ウェリルの武術ギルドマスターであるゴードンさん、それから父の友人でもある商工ギルドマスターのハインツさんの姿も見える。
まぁマスター自ら出張る案件なのか、と言われれば不思議かもしれないけれど、一応子供たちを危険地域に送り出す事になるし、何かあれば責任問題なんてものじゃすまないからね。
……この場に父と兄が居ないのは、この依頼に参加出来る保護者役が、現役の冒険者のみと定められているからだ。もしそうでなかったら間違いなく参加していたと思う。私がこれ毎年参加してるからね。
大人たちから少し離れた手前側、そこに子供たちが集まっていたので、私もそちらに混じることにした。
子供たちを確認すると、必具商店の次女のミレーナちゃん(10歳)、書商店の三男と四男で双子のビット君とジリー君(12歳)、冒険者を親に持つオルト君(11歳)、サリナちゃん(11歳)、ミミーちゃん(13歳)、それから孤児であるタタンちゃん(10歳)、カルラちゃん(10歳)、ビビアンちゃん(13歳)、の計9名。
一番年長なので背丈もまだ私が一番高く、子供たちに混じると頭ひとつ飛びぬけてしまうので目立ってしまった。
案の定、一番若い冒険者チームのひとりが私が来たことに気づくと、こちらを見て意気揚々と近寄ってきた。
「お? なんだ、まだオマケなのか、眠り鳥。15にもなってよ」
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべて突っかかってきたのはガンツ。書商店の次男であり、若い冒険者チーム『天翔破岩』のリーダーである。
……なんとも名前が厨二臭いのは置いておく。
コイツは昔からことあるごとに同い年の私に突っかかってくるのだが、そもそもというのも、この眠り鳥というアダ名をつけてくれやがったのもコイツだ。
アースガイアにおいて、アダ名は良い意味のものと悪い意味のもの、二通りが存在する。
眠り鳥とて良い意味で取れば、『まるで眠る姿が鳥のように美しい』となるので、一概に不名誉なアダ名とも言えない。
が、もちろん私は違い、『居眠りばっかりしてんじゃねぇよ。いつまでも親や兄ちゃんに守られて恥ずかしくないのか』といったあたりの意味でつけられたのを知っているのだ。
なので私は相手にしないことに決めている。
何故かは、まぁあまり言いたくはないのだが。




