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魔獣のランク分けについておさらいすると、ランクの基準は一般的な武術ランクCのギルド員、ここから上が冒険者と呼ばれる人々なのだけれど、彼らが何人で討伐出来るか、が基準となる。
Dランクはソロでも余裕を持って対処出来て、相手が10体であろうと余裕で勝てるくらいの強さ。
Cランクは1対1ではギリギリ辛勝出来て、チーム4人ならば楽々勝てるくらいの強さ。
Bランクは1体ならば4人チームで勝てるが、油断すれば死ぬくらいの強さ。
Aランクは4人チームが5つがかりでようやく1体を倒せるくらいの強さ。
そしてSランクはぶっちゃけ化け物なので、未知数。過去の最小討伐人数記録では、チームが最低でも25は要るらしい。有名なドラゴンとかはもちろんSランクです。
ではEとFは? というと、Fランクならば子供でもタコ殴りにすれば勝てるが、油断すればもちろん死ぬ。
そうだな、地球の子猫とかを思い浮かべたらわかりやすいかも。
引っかかれたり噛かまれたりしても毒は持っていないけれど、大人でも油断したら危険。子猫の攻撃力を馬鹿にしたらあかん。
Eは大人ならば一般人でも頑張れば1対1ならなんとかなるかも、くらいの強さ。
けれど、武術ランクがCまでなるのは冒険者や兵士を目指す人々くらいなので、その辺の人々のランクはせいぜいがE程度。
アースガイアには戦闘力をはかる試験などはない。
ならどうやってランクを上げるのか、というと、もちろん武術ギルドに提出した討伐数と内容によってなのだが、不正が起きることはない。
不正でランクを上げたからって旨味がある訳ではないし、そもそも自ら討伐した魔獣を提出するのが普通だからだ。
討伐報酬が安い魔獣は裏技とも呼ばれる売買取引で倒さずとも死体を手にすることはあるが、Cランクからは値段もそこそこ良いので売買されることはまずない。
売買取引とは、事情があって解体の手間を省きたい人などが地元の教会に頼んで解体屋に持って行ってもらうのだが、魔獣を討伐した側はEランクのシルバーウルフを例にすると、通常よりも安い銀貨6枚で死体を売る。
買う側はそれを持って行って解体してもらうのだが、解体手間賃として更に銀貨2枚を解体屋に支払うので、討伐報酬の銀貨8枚をもらうことで買った側は実質プラマイゼロ。
なので、買った側が手に入れるのは、解体によって手に入った素材や肉となる。
これをやっているのは教会であり孤児院の子供たちなのだが、この世界の嫌なところで……孤児とはいわば、勇者の子供、なのだ。
勇者、といっても変な意味はなく、勇気ある者、って本来の意味です。
孤児はそもそも、保護すべき人間が例えば冒険者などで、戦闘によって亡くなってしまった人たちの子供のことで、大抵親戚も居るので人数もそこまで多くはない。
が、ゼロではないのだ。
それを、教会が保護し、育てるのである。
その資金源となるわけなので、仲間の子供が居る冒険者などは進んで、言ってしまえば寄付する訳なんですよ。例えFランクの素材であっても、10体もあれば銀板1枚程度にはなる。Eランクなら、一体で銀板2枚以上にはなるかな。
……私としては、モヤモヤする話ではあるけれどもね。
まぁ教会とて本体の資金源があるから生活は保証されているしどこも寄付は受け付けていて、普通は直接金銭を寄付するから、売買は滅多に行われることはない。
これはある意味では、金銭がなかった場合の、冒険者側への救済措置なのだ。




