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「でももうすぐ中間期なんでしょう? 少しはおしゃれもした方が良いわよ?」
「そう、ですか……? なら、今度母と一緒に来た時には考えてみますね。今は手持ちもないですから」
ぐいぐい攻めてくるけれど、そもそも私には手持ちもないですし、服を買うつもりもないですし。
レベッカさんもそこには納得してくれたようだ。
普通は子供が大金を持ち歩いてることはまずないから。
「それくらい、払ってあげるわよ? 知り合った記念にこれ贈るわよ」
「いやいやいや、自分で稼いで買います。服、高いんですから」
奢るとかの習慣はないわけではないけれど、流石に出会ってすぐに奢ってもらうとかおかしいからね?
しかも服はそこそこ良い値段するからね?
冒険者であるレベッカさんには大したことないのかもしれないけれどさ。
「その時には、ぜっっったいにこれ……は私が買うけど。こういう、カラフルなものを買うのよ? 約束ね?」
レベッカさんすみません。約束は出来かねます。
苦笑しつつ何とかかわし、ふと腕時計を見ると、既に時刻は11刻半を示していた。
「レベッカさん、11刻半になったので、そろそろ西門に向かわないと」
私の集合時間は12刻半だが、冒険者であるレベッカさんたちの集合時間は12刻ちょうどだと聞いている。
なので、そろそろ準備をして向かわないと、間に合わないはず。
「あら、もうそんな時間なの? なら急いで一度宿屋に戻って皆と合流しなきゃ。まぁ皆もう起きて準備はしてるはずだけど」
言うや否や、レベッカさんは持っていた数着の服をさっさと会計してしまった。
その中には宣言通りあの赤いセーターもあったが、それだけ素早く決められたなら、もっと早くここを出られたのでは……いや、なんでもないです。はい。
レベッカさんを無事に宿屋に送り届けてから腕時計を確認すれば、もう時刻は11刻38分。
ここは東の門のすぐそばなので、反対側の西門までは私が全力で走って12、3分くらいだろうか。レベッカさん、間に合うと良いんだけど……。
まぁアースガイアの人間の基礎体力は若干地球人より高く、その中でも冒険者は鍛えているから、約5ケル……5キロメートルくらいじゃ8分かからないかもね。
地球のアスリートなら真っ青ってやつだな。
私はのんびり向かっても今からなら予定時刻には着けるから、さっき考えたサバイバルナイフみたいなのを作ってから向かおう。
いずれ必要になるなら、時間のあるうちに作っておいた方が良いしね。




