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「らっしゃーい。お求めは? スタンダードなロングソードから槍、弓、はたまた包丁やノコギリ、すきにくわまで、ご要望にはある程度お応えしますよ~。防具は専門外だから、メンテナンスのみ承ってますがね」
ここの長男であるトール君は、齢12にしてもはや立派な看板息子である。
私はあまり村の子供たちとは関わらないようにはしていたが、彼の働きぶりは真面目と評判で、このまま店を継ぐのだろうと簡単に予想出来た。
トール君が言う通り、武具とは武器と防具のことを指すのだが、ショウタさんの専門は主に刃物の武器。
他の武器や防具とてメンテナンスくらいは出来るし、防具を一から作るのも出来ないこともないが、得意ではないらしい。
なので、ここに置いてある防具は全てパルチザンからの輸入品だ。
「えぇと、短剣はあるかしら?」
「なら、こちらへどうぞ~。見本品を少ししか置いてないけれど、気にいったモノがあれば言ってくださいね。似たようなモノは奥にしまってますんで」
まぁ通常、武具商店では全ての武具を表に出して置くことはしない。
言ってはなんだが、一番安く、悪い品物を表に出して、大体の形や大きさを見せるのだ。一番良いものを表に出して、うっかり盗まれでもしたら大変だからである。
だがこれによって、店の一番悪い品物を見ることが出来るので、客としても店を見極めるのに役立つシステムなのである。
例外として、特殊な武具や一点モノなんかはそのまま展示されることになるが、そういったモノは普通、売買カウンターのすぐ横、もしくは『結界』の魔法が使われたお高いガラスケースに仕舞われていたりする。
あ、ガラスはアースガイアにもあります。
主にフリージアの砂漠地帯で採れるのだが、なんと、アースガイアにおけるガラスは『鉱石』の扱いである。
ある意味正しいが、この世界のガラスはフリージアの砂漠地帯で自然と固まった大きなものが地中から多く発見され、それを火などで溶かして鋳型にはめて加工するらしいので、そこそこ値段はするものの普及している。
だからガラスはこの世界では柔らかい鉱石扱いなのだ。
ということはつまり自然にめちゃくちゃ透明度高いガラスが出来るってことだよね。……いや本当にアースガイアの自然凄い。
ガラス自体は普及しているので高くはないが、物理結界『シールド』と魔法結界『ウォール』系統の魔法は上級魔法なので、魔法をかけてもらう依頼にかかる費用が金貨1枚。それが2種類必要なのである。
つまり安く見積もっても依頼の20万円程度プラス本体のケース代がかかるので、ガラスケースはお高くなってしまうんですよ。
壊されたりでもしたら、またその費用が要るわけだしね……。
まぁガラスな理由は言わなくてもわかるだろうけれど、中が見えないと意味ないからだね。




