3
だが生前の自分よ、良くやった!
頼まれたらあまりイヤとは言わない性格が逆に良い方へと転んだ!
え?私の今の身体の特徴?
平均的(どちらかというと美人系よりはカワイイ系)な顔に平均より少し大きい胸、無駄に長い少しうねりのある黒髪ですが何か?
いいじゃないか!別にイケメンや美人じゃなくても!
私のこの性格で今以上の身体や顔なぞ必要ないわっ!
……うん、だって美人さんって大変じゃね? 何かと。
それと、今より美人にしてもらうとなると、善行ポイントを大幅に使って、能力減らされるらしいしね。
前に天使様が教えてくれた。
「さて、No.1010005230。理解しましたね?」
はい、セラフィム様。
「では、転生の門へ向かいなさい。以上です。次、No.500326……」
そして私は一礼をし、次の生を全うするべく、玉座の間を後にした。
思えば、生前の私は変人だった。
女でありながら口調はあまり女らしくなかったし、転生小説やらゲームやらアニメやらが好きで、よく影響を受けていたし。
死に際のセリフなんて、「あぁ、死ぬ前に読みかけの連載小説の続きが読みたかった……」だったらしいし。
ちなみに死因は真っ昼間に軽自動車に轢かれた上、後ろのトラックにぶつかる、の事故でした。享年わずか26歳でありました。
車迫ってる時に何考えてたんだ、私は。
考える前に避けろよっ!
避けれただろっ! てか二重に轢かれるとか奇跡かっ!
ま、避けれる訳がないんだけどもね。
まぁ、そんなアホなこと考えてたら、門に着いてしまうのは必然な訳で。
あぁ、転生の門ってのは魂を世界へと送り込むゲートのことで、神殿内にある。
どちらかというと、地球のエレベーターみたいな感じだ。
今私の居るギリシャ神話風の神殿には似つかわしくないなぁ……。
横の金髪金眼天使様に聞いたら、この門は魂によって見え方が違うとのこと。
この中に入れば意識を失って、次の身体に入れるそうだ。
さて、では覚悟を決めますか?
さよなら、今までの山城 桜良。