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改装工事中。  作者: 鳩浦 雪兎
澄んだ空気の朝に。
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 まぁそう言われてしまえば、納得するしかないよね。

 そのせいで、未だに父さんの許可が得られなくて、私はちゃんとしたカード作れてないけれどもね? もっと言えば、商工ギルドマスターのハインツさんからも「せめて16になるまでは心配だから目の届く距離に居て下さい!」とか言われてますけどもね?

 一般的な子供なら大体15歳前後、早い子は10歳とかで正式なカードになるというのに私は未だに貰えていない。

 私が一体なにをしたって言うのだ、まったく。

 いや、魔力コントロールミスって村の大木の幹に大穴開けて更にぶっ倒れたからですね、わかります。

 けどあれ、9歳のことなんだけど……。


 まぁそんな訳なので、この世界で人里近い森でひとりスタートとかしたら、本当に詰む。召還やら事故やらはまぁ私の知る限りでは起きていないし、今の技術では不可能だろうから、今のところはアースガイアの人間には関係のない話ではあるのだろうけれどね。


 さて、と。

 私の今日の目当ては、おまけカードで請けられる依頼の中でも、このシーズン特有の美味しい依頼。

 それは、ひときわ目立つところに貼ってあり、私は思わずニンマリとした。


『薬草採取体験依頼、銅板5枚。本日12刻半から、西の森にて。参加資格は10歳以上、サブギルドカード所持の者に限る。』


 これは簡単に言えば、本格的な冒険者となる前の、まぁ冒険者の体験コースの1つである。

 いつもよりも冒険者が多く、そしてナッツボア探しを諦めた冒険者が出始める頃、このように依頼として近場へ薬草採取に行くことが出来るのだ。

 ただし、この依頼を請ける保護者である役割の冒険者チームは最低でも3つが参加となり、必ずひとつは地元のチームが入る。

 全てがよそ者では、様々な危険が伴うからね。

 参加する子供に対して冒険者チーム3つは人数が多すぎるように思われるかもしれないが、色々と理由があるのですよ。


 しかし、薬草採取が出来て更には採った薬草は自分たちのものとなり、お小遣い程度とはいえお金まで貰えるこの依頼は当然のことながら人気なのだが、冒険者チームも毎日確保出来る訳ではないため不定期開催なのだ。

 今日は運良くこの依頼があったが村の子供全てが参加するわけではなく、家業のある子供は参加しないこともあるので、最終人数はおそらく7人程度だろうな。


 大人に混じって見慣れた受付の列に並ぶと、私の順番はわりとすぐに来た。

 夕方にもなればここも依頼達成報告のための冒険者で混み合うことになるけれど、依頼の受注はそこまで時間はかからない。


 こじんまりとした、カウンター。

 ウェリルのような小さな村は、受付もひとつしかなく、対応する受付嬢も見知ったお姉さんしか居ない。

 今日はどうやら、レイルさんが担当のようだ。


「次の方どうぞ……っと、ミレイちゃんか。おはよう」

「おはようございます、レイルさん。今日も相変わらず美人ですね」

 真顔で素直な感想を述べると、彼女はいつもの笑顔でそれを受け流した。

「貴女には毎回言われるけど、ありがとう。でも私はミレイちゃんの用事が聞きたいわ」


 あ、決して変な意味はないです。

 私が五歳だった時の最初の出会いの時。綺麗な人たちだなぁと思って素直に口に出して以来、もはや毎回恒例の挨拶なんです。

 ん? なんで人『たち』かって? レイルさん、双子なんですよね。もうひとりのリリィさん、彼女は武術ギルドの受付なのだけれど、顔つきはそっくりなんです。

 レイルさんも、これは深い意味はないってことくらいはわかってるし。

 まぁおかげでいつも『ミレイは普段からおふざけをする人間』と思われてはいるけれども。

 それくらい、気安い人間関係なのだ。


「まぁもうわかってるとは思いますが、薬草採取体験依頼に参加しに来ました」


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