表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
改装工事中。  作者: 鳩浦 雪兎
澄んだ空気の朝に。
21/299

3

 ひとまず依頼の貼り出された木板(もくばん)の前まで移動し、一通り眺めてみた。

 木板には、本当に様々な依頼がある。

 猫の世話依頼、犬の散歩代理、畑の草むしりや収穫の手伝い、昼休み1(こく)だけの店番、素材の募集、魔生石への魔法封入(ふうにゅう)依頼、果てにはこのシーズンのみの冒険者チームメンバー募集なんてものまで。

 魔獣や野盗の討伐依頼だけはここにはない。それは、武術ギルドの管轄(かんかつ)だからだ。


 チーム、というのはまぁ冒険者のパーティーと言った方がわかりやすいだろうか? 何人かの冒険者が組んで行動すること。

 ソロはもちろんひとりで行動する冒険者のことだけれど、そんなのはまず居ない。

 この世界ではおとぎ話のせいで大体が5人チームを組んでおり、またチーム内の報酬取り分なんかは基本平等にされる。

 どんな働きだって、必要なことだから。どんな些細(ささい)に見える仕事だろうと、チームでは皆平等に扱われる。いやぁこの世界が割りと優しくて本当に良かったと思う。

 ……まぁ、私はたぶんこのままならソロ商人だけども。良いんだ。冒険者じゃないから。商人になるんだから。かといって護衛をつけるつもりもないがな!


 さて、私はまだ正式なギルドカードがないため、請けられる依頼は、かなり限られている。

 ……かなり不本意ながら、私は16歳になるまでは、『おまけカード』しか使えないのである。


 おまけカードとは、正式名称、サブギルドカード。

 ギルドに登録してる人が二人以上同行すれば無料で作ることが出来るカードのことで、これがあれば依頼は請けられるが、ランク制度がないため、いくら頑張ってもランクは上がらないかわりに、報酬は正当に受け取れる。

 ただし、討伐はもとより、町から出なければいけないような危険な依頼は請けられない。

 だいたいは店番だったり、掃除だったり、草むしりだったりね。だから、子供に持たせるのに使われるんだ。

 そう、子供に持たせる、のですよ。


 何を隠そうこのおまけカード、地球でいう出生証明書みたいなものなのである。

 産まれた時に親や保護者がギルドで作り、子供が五歳となるまではギルドが責任を持ってカードを保管。

 五歳になると、初めて与えられる、証明書、なのです。


 そして、その時に同行した保護者または保護者が居なくなっていた場合は村長などの責任者のうちの一人、そしてギルドマスターの、二人分の許可がなければ、ちゃんとしたギルドカードは作れないのである。


 優しい世界は嬉しいけれど、こんなガッチガチの監視体制、おかしくないか?!

 とも思ったけれど。どうやらこれ、犯罪者に対応するためらしい。

 なくしたカードによって被害を受けた過去の教訓から。そして、犯罪者はこのアースガイアでギルド加入が出来なくなるように、の二つの意味があるそうだ。

 だから、うっかりなくした場合は悲惨である。

 更新するたびになんと地球でいう10万円がかかり、回を増すごとに色が変えられるのだ。

 一度目は青、二度目は紫、三度目は赤、そして四度目ともなるともはやカードは発行されないのである。

 なお、例え魔獣から逃げる時に落とした、とかの事情であっても考慮されない。世知辛いです。

 ……一度そんなことあったら普通は気をつけるから、紫までなるのは本当に阿呆な愚か者くらいではあるが。

 前にウェリルのギルドマスターが話していたけれど、紫や赤なんて本当に珍しく、貴族のボンボンのうっかり紛失とかしか聞かないらしいから。

 あ、なんで私がギルドマスターとそんな話するんだって?

 彼は父さんの幼なじみで、仲良いから、娘の私にも良くしてくれるからだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ