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受付に向かえば、流石にこの時間帯は人が少なく、受付もガラガラだった。
「マギの商工ギルドへようこそ。ギルドカードはお持ちですか?」
「あります」
ギルドカードを提出すると、少々お待ちくださいと一度断りを入れた彼女が席を立ち、しばらくすると奥から何やら書類を持ってきた。あれが私の資料なんだろうか。
「お待たせいたしました。確認が取れましたので、ギルドカードをお返しいたします。ミレイ=シュライク様ですね。担当させていただく、コナ=フォルムと申します。本日はどのようなご用件ですか?」
彼女が戻るとすぐにギルドカードは返却された。
王都は凄いな。受付するにもギルドカードと書類が必要なのか。
「えぇと、いくつか依頼を出したくて。まず、1つ目はゴールドウルフの毛皮2枚を、1枚につき銀板2枚から、銀板2枚と銀貨2枚までの範囲で買い取りで。
それから2つ目は、初級魔法『ファイア』を魔生石10個に込める依頼を、1つにつき銀貨2枚で。
3つ目は、上級結界魔法『ライトウォール』を範囲が6ミーダ以上で、魔生石3つに込める依頼を1つにつき金貨1枚でお願いしたいのです。
魔生石はこちらで用意いたします」
私がお願いした6ミーダとは、立方体の一辺が6ミーダ、すなわち6メートルということだ。
これだけあればクゥラを含む馬車1台がすっぽり入って、なおかつうっかり結界に触れないだけの余裕があるから野営に丁度良いんだ。
中から結界に触れてしまうと、外に出されてしまうからね。
だから結界の魔生石を持たずに外に出てしまったら悲惨だよ……壊すの大変だからね……。
依頼内容を告げている間、コナさんは私の資料であろう書類とは別の紙にメモを取っていたのだが、そのスピードがヤバい。
しかもパッと見ただけでは読めないので、たぶんこれは速記。この世界にもあったのか……。
「はい、承りました。ゴールドウルフの毛皮でしたら、1つにつき銀板2枚と銀貨5枚を出していただけるならば……傷の多いものでよろしければすぐお渡し出来ますが、いかがなさいますか?」
くっ足元見てきよった。まぁ質の良い毛皮なら銀板3枚だけどさ。
自分で狩らずに済むけど、商工ギルドからの買い取りは高くつくんだよね。解体してもらった時の引き取り額、銀板1枚と銀貨8枚なのにな。
まぁ今回はほっ君の存在を隠すためにもアイテムボックスもどきを早めに持っておきたいから依頼したんだけど、やっぱり自分で狩れるならその方が安上がりだね。
しかし、傷が多いってどのくらいだろうか。まぁこちらとしても特に要望を出した訳でもないし、相場よりも安めに依頼したから、どんな毛皮でも構わないと受け取られてもおかしくないし。
まぁどんなのでも錬成と浄化で何とかするんですけど。
……うーん、まぁ背に腹はかえられん、か。それに、商工ギルドがその値段をつけるなら、質としては悪いものではないだろう。
支払いはなんとかなる、けど結構カツカツだからまた稼がないとな。解体頑張ってもらおう。
「見てから決めたいのですが、よろしいでしょうか?」
「もちろんです。ではこちらに運べる商品ですので今からお持ちいたします。少々お待ちくださいませ」
結局見させてもらった毛皮の質はそんなに悪くもなかった。
傷が多いというだけあって、1枚は背中に槍くらいの穴が2つ空いていたし、もう1枚は切創だらけだったけれど。
毛並みがダメになっているわけでもないし、これなら喜んで買い取ろう。コナさんグッジョブである。
「毛皮はこれで問題ないです。なので依頼は取り下げで、ギルドからの買い取りにしてください」
「かしこまりました。ありがとうございます」
ギルドからの買い取りという形になると、依頼は木板には貼られず、手数料の銀貨2枚はキャンセル料金のようなものとしてそのまま支払うことになる。
まぁもともと支払うつもりだったし、問題ない。




