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ちなみに、アースガイアには義務教育はない。
生きるのに必要な知識は各家庭で家族から習うのが一般的だ。
そのかわり、生きるために読み書き計算は出来ないと不便なので、各家庭で最低限は伝えている。……専属家庭教師、なんてバカみたいに高い給金の人を雇える一部の貴族などを除けば。
私はというと、魔法大国でもはずれの小さな村の一般的な家に生まれたため、父は魔法持ちを生かしてギルドの雇われ戦闘員、母は専業主婦、というごく普通の家庭で過ごした。
だが、さすがにギルドの雇われなだけはあって、父の知識は半端なかった。
もともと本好きでもあったのだろう。家には何故か書庫とも呼べる部屋が存在する。ここだけは他の一般家庭とは違うところ。
あぁ、補足ではあるが、魔法は一人一属性が基本だ。
世界のマナを色んな色が混じりあった黒とするなら、人間がそこから取り出せる色はせいぜい一色だから。
私はセラフィム様のおかげで専用空間保有能力を使えるが、これは魔法ではなく能力だからね。
属性とは、体内に取り込んだマナの色のことで、普段は目に見ることは出来ない。
ギルドにある特殊な水晶ではかることで、その人の属性と魔力量がわかるという。
ちなみに、基本属性は、火、水、風、土の4つ。
特殊属性は、光、闇、雷、氷、空間、など、基本属性から派生したものや、基本属性に当てはまらないものを指す。
え? さっきから言ってるギルドって何、って?
ギルドとは、大きな会社みたいなところ。
といっても、この国の建築技術は木造、石造り、ってなところだから、鉄筋コンクリートな会社ではなく、西部時代劇の酒場みたいなところを想像してくれればいい。
ギルドには商工ギルドと武術ギルドがあり、武術ギルドでは、とにかく何でも魔獣、魔力を持つ動物、と言えば良いのかな。それを倒したら、その証拠品を買い取ってくれる。
要は討伐報酬だね。
併設された解体屋で解体した場合は、魔獣生息全集と呼ばれる図鑑に記された値段で納得するならば、そのまま解体した素材の買い取りもしてくれて、買い取った素材は商工ギルドの依頼などに回されるようだ。その報酬はギルドの運営や運搬費用にあてられるとのこと。
武術ギルドはパルチザンの国営だから、武器の素材などは王都のサフネスに運ぶことも多いらしい。
父さんが知り合いから聞いた話では、武術ギルドの職員は割引価格で余った食用素材を買うことも出来るらしい。肉とかね。だいたいは依頼に回されて、余ることはほぼないらしいけれど。
あと危険な魔獣や野盗などの討伐依頼はここに依頼することになっている。




