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改装工事中。  作者: 鳩浦 雪兎
王都マギにて。
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 遺跡は……簡単に言うなら、一度きりのダンジョンだろうか。

 魔物などを生み出す能力はなく、あくまでも本来よりも広い空間が生み出されただけの場所、かな?


 洞窟などに長い時間をかけてマナが溜まり、変質したものだと推測されているけれど、洞窟やはるか昔に放棄された塔などが元になっているらしいので、野生の魔獣が入り込んだりしていることはあるが、遺跡から魔獣が生み出されることはない。

 なので一度討伐された魔獣は復活もしなければドロップアイテムも落とさないし、全滅させてしまえば再び入り込まれでもしなければ安全なのだ。


 ちなみに、宝箱はない。

 大事なことなのでもう一度。

 宝箱は、ない。


 ただし、例外として人間が見つける前に巨大化してしまった遺跡は魔獣が沸いて出ると錯覚するほど棲みついてはいる。

 また、出入り口がひとつでない場合も出入り口を塞がなければ同様だ。


 溜まったマナは空間魔法のようなものも作用させているのか、外見ではわからないほど巨大な中身であったりする。

 なお、例えば洞窟であれば外から掘り進めてもすぐに反対側に突き抜けるだけで、遺跡の中には入れない。

 謎である。

 たぶん人の通る道とかに元々が巨大な洞窟や塔などの遺跡があったらショートカットに使われてたと思います。


 パルチザンにあるダゴルという街の北西には、その完全に魔獣が討伐された遺跡があり、ダゴル遺跡と呼ばれている。

 そこから鉱石が豊富に入手出来るため、今では鉱石はほぼダゴル産だ。


 発見されたのはおよそ150年ほど前と、歴史は浅い。まぁその時にはもう全長50ケルほどとなっていたらしいけれども。

 これはパルチザンの国営であり、普通の人間には入り込めない。

 主に国の騎士や兵士が監視し、罪人などに働かせているのだ。

 もっとも罪人の数も多くないので、実質働いてるのは9割以上が兵士である。


 この遺跡からは質の低いものから高いものまで、鉱石や宝石が今のところ際限なく採れるのだ。そのため元となったのは鉱石が採れる山にあいた横穴のようなものだったと推測されている。

 魔銅(ダマスカス)魔鉄(アダマンタイト)魔銀(ミスリル)魔金(オリハルコン)といった希少金属も本当に少量ではあるものの採れます。

 鉱石が採れるのは決まって同じ場所で、不思議なことにしばらく経つとまた同じ鉱石が採れるのだそうだ。そのあけた期間が長いほど、質もよくなるという。

 その質の上下で、もちろん値段も上下するのである。

 パルチザンが武具と装飾品で儲けているってのは、もともと武具を作っていた技術的なところもあるけれど、この遺跡からも来ているのです。


 そんな訳で、ミンダス洞窟にわざわざ潜る人も居なくなってしまった訳だ。

 廃坑に残されたものって基本的にクズ鉱石ばかりだからね。


 そんなことを考えながら進んで行けば、山肌にぽっかり穴のあいた場所が見えてきた。

 あれがミンダス洞窟か。

 本来であれば入り口を支える柱があるはずなのだが、その木も朽ちてしまったのか、ただの穴蔵に見える。


 クゥラが逃げることはない、と信じたいが、買って日の浅い馬は逃げてしまうこともあるので、鉄を錬成した鎖で近場の木と馬車を繋いだ。

 目の前で錬成したけれど、クゥラは特に驚くこともなかった。


 シールドの魔生石は自前のがあるので使えたけれど、今度クゥラのためにライトウォールの魔生石を作ってもらわなきゃな。

 私のウォーターウォールじゃ、水柱が立って逆に目立っちゃうし、魔力がカラカラになっちゃうからねぇ。

 まぁ今は近くには人の反応はないし、クゥラに何とか頑張って貰おう。

 何か近づいてきたら、すぐに戻る心構えだけはしておくけれども。


「クゥラ、ちょっと行ってくるから、待っててくれる?」

 クゥラが「わかった」と言うように嘶いたため、私はそれに笑って応えた。

「じゃ、行ってくるね」

 そうして、私は洞窟へと足を進めていった。


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