表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
改装工事中。  作者: 鳩浦 雪兎
険しき山道をのぼりて。
104/299

4

 ただ、ウォール系は魔法にしか効果はないから、普通、結界は2重に張っておくんだ。

 魔法結界と物理結界が相互に干渉することはないので、良く同時に使われる。これらはまとめて結界魔法と言われることもある。


 物理結界の『シールド』はある程度の攻撃を受けると壊れてしまうが、人間が武器を使って全力で叩いても20回くらいは耐えるので、野営に使うには問題ない。まず攻撃音で起きるから。

 魔導師が自分で張る場合は込めたマナによって強度も変わるんだけどね。

 野営の時にそんなことをすると簡単にマナ切れになってしまうので、魔導師が自分で張るのは基本的に戦闘中くらいだけど。


 馬車の大きさなどにもよるが、結界魔法はだいたい一辺が6ミーダ程度の大きさから一辺が15ミーダくらいのものが良く野営に使われている。

 何故箱状なのか、というと、光や闇は壁をイメージして作った方が作りやすいかららしい。私は球体の方が楽なんだけどね。

 結界を解除したい時は、外から衝撃を与えて壊すか、張る時に魔生石を使った本人がその魔生石に解除をイメージして魔力を流せば解除される。


 これがあるのに何故更に高いお金を払って冒険者を雇うのかと思われるかもしれないが、甘い。あくまでこれは保険みたいなもんだ。


 魔獣の一撃の強さには差があるのでもちろん防げる回数には個々で差はあるが、例えば一撃で壊れてしまった場合、二撃目がくれば防げないし、当然応戦せねばならない。

 戦闘特化でない商人は、一応武術ギルドに登録してはいても、一般的にEランク魔獣ですら苦戦するから護衛ナシは無謀だ。

 Dランクまではソロでも普通に狩れるというのは、あくまでも戦闘特化の冒険者基準ですから。

 まぁ普通行商は何人、何十人で荷物を運ぶものだから、護衛が居ないことはない。

 ……私はたぶん、ひとりで行商することになるんだろうなぁ。

 能力を隠したまま他の人と行動することは難しいもの。


 ひとまず素直に布団には入ったが、頭の中に色んなことがグルグルと巡って眠れない。


 ……どうして、父さんと兄さんは魔獣にやられてしまったのだろう。

 どうして、爆発魔はうちを標的にしたのだろう。

 理由がわからないんじゃない。理由なんて無いだろう。

 でも、考えてしまう。

 皆が生きていれば、違った旅立ちになったんだろうな。兄さんは無理矢理着いてこようとしたかもしれないなぁ。

 天獄で皆はきっと楽しく過ごしてると思うけど、胸に石でも詰められたみたいな苦しみは消えてはくれない。


 ……でも。決めたんだから。

 私は必ず、皆に胸はって会いに行ける人生を送って、楽しい想い出をたくさん作って、皆に話をするんだって。

 だから、今はこの哀しみは記憶の底にしまっておくよ。


 かわりに、夢見た装飾商人になるために、色んなデザインでも考えとこうかな。


 ……そんなことをしているうちに、気づけば眠りについていたようだ。

 次に気づいた時には、既に朝日は昇っていた。


 朝ご飯は簡単にロティ(パン)と燻製肉入りベジテア(サラダ)で済ませ、野営の後始末をして出立した。


 順調に旅は進み、昼の15刻前にはウェリルからマギへの道のりで唯一の分かれ道に出た。

 片方は当然マギへと続くが、もう片方はかつての坑道に続いている。


 今はもう廃坑となってしまったが、それは全く取れなくなったからじゃなく、他でもっと効率の良い鉱山が見つかったからだ。

 なので、寄り道をして残り物を探したいのは山々だが、今はそんなことをする余裕はない。


 マギで棘花(エピヌフローレ)と別れたらまた戻ってこようかな。

 ここはかつて鉄や水晶が産出されていたはずだから。少しでもあれば儲けものだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ