1/31
プロローグ
継続は力なり(まだ一話)。
小さい頃から。
『黒いお化け』と話してはならない――人々はそういった。
空から墜ちてきた彼らは、違う世界の人たち。
対話をすると、旋毛を取られる、へそを取られるといった酷い目に遭うらしい。
大人は畏怖し、けれども子供には好奇心の的だった。
ただ、そう易々とは会えない。
でも、もし仮に会えたとしたら。
その時、対話者はなにかを犠牲にしなければならない。
旋毛よりも、へそよりも、もっと大事なモノ。
そんなことも知らず、話してしまった。
『大切なモノって、なぁに?』
そして、わたしは“黒”を失い、代わりに彼を手に入れた。