其の6:大根
万能なものって考えたらこうなりました。
今晩の食事
・ご飯
・味噌汁(なめこと豆腐)
・ぶり大根
・切り干し大根の醤油漬け(自家製)
・兄者にはビールとぶりの刺身
「時に兄者。」
「ん?一体なんだ?」
「大根って万能だよね。」
「そうだなぁ。サラダによし、煮物によし、漬物にもよし、焼いても美味いぞ。」
「おでんなんか最高だよね。」
「そうだなぁ。そろそろ寒くなってきたからおでんなんか良いかもな。」
「ん、あれは前日から炊くから土曜日かな?んで、金曜から仕込み。」
「そんな手間かけてたのか…。」
「やっぱり中まで染みた大根が美味しいからね。」
「だよなー。」
「でも、大根ってすごいよ。一緒に煮た物が柔らかくなるし。」
「だから、おでんのタコって柔らかいのか…。」
「スペアリブなんかも柔らかいでしょ?」
「確かに。骨がするっと剥けるな。」
「何か関係あるのかな?」
「ジアスターゼだどうのこうのって言ってた気が…。」
「?」
「自分で言ってても解らん。」
「ふーん。でも美味しいよね。」
「うん。たまに出てくるふろ吹き大根は酒がすすむな。」
「何かイメージわかない。」
「酒飲むようになったら解るよ。」
「むむぅ、近くて遠いような…。」
「まあ、こればっかりはな。」
「嫌いな子も結構いるよね。」
「確かに。何かあの苦みが嫌だとか。」
「…うちのは苦い?」
「うんにゃ。柔らかいし、味が染みてて美味しいぞ。」
「(ほっ)
「どこの居酒屋より美味しいと思うぞ。」
「(テレテレ)」
「おろしにすると、焼き魚の臭みが取れるしな。」
「さっぱりとするよね。」
「秋刀魚なんかには必需品だな。」
「だねー。」
「鰯もいいな。」
「うん。塩鰯にも必需品だと思う。」
「ぶり照りなんかにも良いなぁ。」
「さっぱりして、ご飯が進むよねー。」
「だが、焼肉は認めん。」
「なんで?」
「焼肉は脂っこいのをビールか焼酎で流し込んでこそ。」
「…お酒飲まないから解らない。私はおろしポン酢も好きだけど。」
「後は何だろう?鍋ものとか?」
「もみじおろしね。」
「あれがなんか必需品に思えてくる。」
「うちはお母さん直伝の寄せ鍋だからね。」
「あれが無いと、食が進まなかったりする。」
「…こだわるなぁ。」
「いや、別に無いなら無いで構わないけれどな。」
「どっち?」
「まあケースバイケースで。」
「ふーん。」
「切り干し大根の煮物も美味いよな。」
「美味しいよね。」
「親父が作って送ってくれるんだっけ?」
「うん。でも今年は雨が多かったから作ってないって。」
「ああ、カビるからな。」
「そうなの?」
「昔、家庭菜園で作ってた時に親父が言ってた気がする。」
「でも、保存食にもなるって本当に万能だよね。」
「漬物なんかも定番だよな。」
「たくあん、べったら漬け、糠漬け、カクテキ。何でもありだね。」
「あんまり食わないけど。」
「(ガーン)」
「いやいや、外ではって話。」
「…やっぱり胡瓜とかのほうが好き?」
「いや、うちのだったら美味いから何でもいけるぞ?」
「これもお母さん直伝の糠漬けだからね。」
「…考えたらうちの両親すごいな。」
「バイタリティにあふれてるよね。」
「そんな万能ぶりだけど、どうしてもあわないと思うものがある。」
「何?」
「カレーだ。」
「????」
「うちの社食でカレー煮と言うものが小鉢であったんだ。」
「ふむふむ。」
「それの不味い事不味い事。」
「それこそ想像つかないよ。」
「水っぽいわ、ぼやけてるわでいい所が見つからなかった。」
「小鉢だったらうちはそぼろあんかけが定番だから。」
「それに慣れてるからかなぁ?」
「どうなんだろ?」
「ともかく、合わないのもあるってことだ。」
「そっか、万能だからって頼り過ぎちゃいけないのかな?」
「そこまでは言わないけど、美味い事には変わりはないからなぁ。」
「ちゃんと下処理してるからね。」
「ぶり大根美味いぞ。」
「エッヘン。」
「日本酒…とかダメかな?」
「ダーメ。今日はまだお休み前じゃないから。」
「そこはキッチリしてるなぁ…。」
「兄者の体調管理も私の仕事。」
「やれやれ。今日は我慢するよ。」
~兄妹食事中~
「ごちそうさまでした。」
「はい。お粗末様でした。」
サシサシ、ポチッ、フー
「兄者。そろそろそれも古くなってきたね。」
「うーん、大体2年近いかな?」
「そっか。…うん。」
「?」
「なーんでもないよっ。」
「…まあいいか。」
prrrrr…
「あ、もしもし?お母さん。…うん今食べ終わったところ。…うん、大根美味しかったよ。え、軍鶏〆たからいるかって?何か複雑だけと、美味しいから送ってよ。…うん、こっちは何も変わりないよ。あ、そうだ。お母さんからも言ってあげて。兄さんまだ禁煙しないんだよ。」
「…ぜってーやめないから。」
今日も一日が終わります…。
確か9月~10月ぐらいに植えて1冬は持つって感じですね。