其の弐:ふりかけとのり弁
今回は自分のふとした疑問を書いてみました。
今晩の食事
・ご飯
・里芋の煮っころがし(野菜たくさん、鶏肉入り)
・味噌汁(煮物で余った人参と椎茸)
・おかか(自家製)
・兄者にはビールと塩辛(自家製)
「時に兄者。」
「ん、何だ?」
「ふりかけって、おかずになるのかな?」
「うーん、ご飯単体で考えたらそれでも食えるけど。」
「でも、帰ってきて晩御飯がふりかけご飯とお味噌汁だったら怒らない?」
「多分、ガチギレかめそめそ泣く。」
「まあ、そんなことしないけど。」
「しんどい時はコンビニ弁当や出前でもいいんだぞ?」
「それは兄者に失礼だから絶対しない。」
「…律儀だな久美って。」
「好きでやってるからしんどくないよ?」
「ありがとう。この塩辛うまいな。」
「エッヘン!。」
「ところで、どうして突然ふりかけの話?」
「友達がお母さんと喧嘩したみたいで、お昼ご飯のお弁当がふりかけご飯だけだったの。」
「…それはこじれるな…。」
「可哀そうだから私のおかず分けてあげたよ。」
「昼の弁当ってそんな感じ?」
「うん。交換したりするよ?」
「お前の卵焼き、皆に取られるぞ。なんかうちのカミさんよりうまいって。」
「卵焼きには自信あるよ。研究してるもん。」
「たしかに俺が食べた中で一番うまい。あれ必ず入ってるからな。あれだけで飯が食える。」
「(テレテレ)」
「…しかし、親子げんかでふりかけご飯とは…。俺の時なんか蓋開けたら嫌がらせみたいに焼きそばが敷き詰められてた時があったぞ。」
「…お母さん最低…。」
「(アセアセ)いや、茶目っ気のある人だからね。かといったら、次の日鰻弁当だったりしたりしてたから。」
「まあ、それはいいとして。」
「いいのかよ。」
「そこで疑問に思ったの。」
「うん。」
「どこまでがおかずになるのかって。」
「それは、難しいな。昔の人なんか梅干しだけだったり、目刺しだけだったりとかあったみたいだぞ?」
「うん。何かお父さんも子供のころはそんな感じだって言ってたよね。」
「車が無かったら何も出来ない場所だからな。うちの実家。1週間分くらい買い物してたって言ってたよな。」
「軽トラでねww」
「軽トラを馬鹿にするんじゃないぞ。あれはなかなかに使い勝手がいいぞ。」
「ふーん。この辺だとよく見かけるよね。」
「まあ、この辺も田舎っちゃあ田舎だからな。」
「うん。で、ふりかけの話。」
「うん。」
「見てびっくりしたよ。お弁当箱にご飯が敷き詰められてて、その上にたらこのふりかけがかかっているだけだもん。えーって思ったよ。」
「よっぽど酷い喧嘩したんだろうな。」
「でもその子、意地になってたのか全部完食したよ。」
「胃もたれすごいだろな…。」
「私が『謝ったら?』って言ったら、しんどそうな顔して『…うん。』って言ってたからよっぽどきつかったんだろうね。」
「そりゃあご飯だらけの弁当だからな。きついと思うぞ。」
「それ見て思ったの。やっぱりふりかけはおかずにならないって。」
「苦学生はそんな感じだと思うぞ。幸い俺は家族と同居しながらだったからだからな。」
「でも、体育会系の子で毎日のり弁の子も居るよ?」
「お、のり弁かぁ。懐かしいな。俺も高校時代はのり弁が多かったな。」
「え?どうして?」
「とにかく腹が減るんだ。だから最小限のおかずでご飯をたくさん食べれるのり弁がよかったんだ。」
「…今度からお昼のり弁にしようか?」
「いや、今はデスク業務が多いからそんなに腹は減らない。今のがちょうどいいよ。」
「それなら安心。でも、部活やるとそんなにお腹すくの?」
「どうだろう?少なくとも俺は早弁して昼はパン買ってくってたからなあ。」
「兄者、柔道部だったっけ?」
「中学・高校とな。大学は何故か学生プロレスやってたがな。」
「格闘技って、お腹すくんだね。」
「身体づくりの意味もあるからな。ひょろひょろだとやっぱり勝ちにくい。」
「今も結構ムキムキに近いよね。」
「そうかな?毎日軽い筋トレは欠かさずしているからかな?」
「でも、ジョギング一緒にすると結構息切れ激しいよね。タバコのせいなんじゃない?」
「どうだろう?スポーツ選手でも吸っている人は居るみたいだぞ?」
「そうなんだ。何か意外。」
「で、さっきの話だが。やっぱりふりかけはおかずにならないと思うぞ。」
「うん。私もそう思う。やっぱり手作りのご飯たべてほしいもん。」
「あー、それは嬉しい。会社から帰ってきて、ご飯が待っていると思うだけで張り合いがちがうからな。」
「(テレテレ)」
「ふりかけご飯だけってなったら、さっきみたいな態度になっちゃうし。」
「そんな事は絶対しないよ?」
「やっぱり夕飯てのは、1日の終わりだからな。期待して帰ってくるさ。」
「…おかず、少ないかな?」
「いや、俺はちょうどいいと思うぞ。酒の肴もあるし。」
「そう言ってもらえるとありがたい。」
「でも、このおかかは美味しいぞ。」
「あ、それ昨日の味噌汁で取った出汁の鰹節で作ってやつなんだ。」
「へーえ。これだけでご飯がすすむな。」
「それ考えると、ふりかけもおかずになるんじゃないかって思うの。」
「まあ、日本人にとって永遠のテーマかもな。」
「うん。難しいよね。どこまでがおかずかって事。」
「まあ、それはひとそれぞれって事かな?」
「うん。そうだよね。あ、この里芋、お父さんが送ってくれたやつなんだよ。」
「何でも作るな、うちの親父。」
~兄妹食事中~
「うい、食った食った。」
「はい、お粗末様。」
「(サシサシ、ポチッ)」
フー
「兄者、家の中ではそれだけだよ?」
「わかってるって。最近は会社へ行く車の中でしかあれは吸わないし。」
「…それだけだと何か味気ない?」
「うーん、どうだろう?あれはあれでうまいが、久美が嫌がるなら家の中では吸わないぞ?」
「休日だけならいいよ?」
「おっ、マジで?」
「休日くらいはゆっくりして欲しいもん。」
「ありがとう!大好き!」
「(テレテレ)」
Prrrrr…
「あ、電話だ。もしもし?あ、お父さん?うん。今ご飯食べ終わったところ。里芋美味しかったよ。兄者も喜んでくれたよ。こっちは変わりないよ。…へーえ。また鹿肉捕ったんだ。うん。ちゃんと下処理してくれたのならこっちは嬉しいよ。」
今日も一日が終わります。
おかかって朝飯の時に役立ちます。何せ朝は早いからそんなに食べられないのです。