7/44
六
私が駆けつけると少女は顔に汗を浮かべ、辛そうにしていた。
何故彼女が辛そうにしているかはすぐに分かった。彼女の首には首輪がついていたのだ。
彼女はその首輪に手を伸ばすが、すぐに離してしまう。私は訳がわかなかったけれども、首輪を外してやろうと首輪に手をかけた。
私が触っても痛くもかゆくもなく、すぐに首輪は取れた。
首輪を取ると彼女の顔には安堵の色が見えた。私は腰に提げてある水筒の水を彼女に飲ませた。
彼女は水を飲むと起き上がり、私の前に正座した。
「先ほどは首輪を外してくださりありがとうございます。」
おもむろに彼女が喋った。
「実はあの首輪は私自身は触れないように呪いがかかっていたので助かりました。」
彼女は真面目な顔をしてそう言う。
だが当の私は事態を呑み込めていない。
「あなたは誰なの?」
やっと出た言葉がそれだった。
知りたいことはたくさんあるがまずはそれからだ。
「自己紹介が遅れてしまいました。私は十三代目魔神のデベルーシュと申します。」
「は?」
思わず漏れてしまった。