表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔神は平和を希う  作者: クソクラエス
序章 『魔神』
5/44

 やるとは言ったものの、私の交友関係の中で師匠に勝てそうな人物などいなかった。強いて挙げるとするならば、刀匠のタウベルトさんだが、あの人と師匠は古くからの仲だ。きっと師匠側についてしまうだろう。

 正直どうしようもなかった。私はただ呆然と商店街を歩いていた。行く人行く人を見るけれども、到底師匠には敵わなそうな感じだ。

 いつしか私は骨董屋の前にいた。店の前で止まり商品を見る。

「嬢ちゃん、また来たのか。」

 店主の男の人が奥の方から出てきた。

「なんか悩み事してたら来たくなって……」

 私は悩み事があるとだいたいこの店に来る。なので店の人とも顔見知りである。

 そしてここには私の好きな世界中の雑貨や骨董品が置いてある。

「そういえば嬢ちゃんに見て欲しいものがあるんだった。」

 そう言って店主は何やらゴソゴソと取り出そうとしている。

 たまにこうやって店主は、なかなか買い取り手のいないものや、価値のつかないものなどを私に見せて望めば譲ってくれる。

「そうそうこれなんだが……」

 そう言って取り出したのは女の子の人形だった。

「こいつはね、噂では魔界のほうから流れてきたらしいんだけどさ、そんな不吉なモン誰も欲しがらないだろう?俺もこいつを長く持ってるのは嫌でね。どうだい、貰ってくれないかな?」

 店主はそう言って人形を差し出した。

 確かに人形からは何とも言えないオーラというのが漂っていた。

 しかし見た目は至って普通の可愛らしいものだった。

 いつもの私だったら断っていただろうけど、今の私はそんなオーラに惹かれてしまった。

「じゃあ、いただきます。」

「ありがとな!オマケにこの宝石もつけといてやるよ!」

 店主が上機嫌に送ってくれたところで、私は一人川のほとりに向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ