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最強守護士(ガーディアン)の英雄伝説  作者: かしわで
第1章 守護士
3/12

1-2 パトリシアとの再会

僕は廃墟となっていた旧魔王城を出た。入る前と特に変化はない。


「さて、これからどうすべきか・・・」

そんな独り言を言っていると、森の奥からスカイブルーの色をした馬の魔獣が走ってきた。頭には大きな角がある。

あれ、もしかして・・・


「やっと見つけました、アーノルド様~!!」

そう言って、僕の近くにきて身体を摺り寄せてきた。

「やっぱり、パトリシアだったか。」

そう、転生前に主従契約していた、幻獣ユニコーンのパトリシアだったのだ。

「アーノルド様、お久ぶりでございます。」

「パトリシア!久しぶりだね。転生して姿も能力も変わったのに、よく僕のことが分かったな。」

「何をおっしゃいます、姿が変わっても分かりますよ。私はただの魔獣ではないんですよ。幻獣ですよ。分かって当然です。」


幻獣ってそういうものなのか?それはそうと、僕はパトリシアに転生して名前が変わったため、今の名前で呼ぶようにお願いした。


「ところで今まで何していたんだ?」

「エリック様、転生前にこの魔王城に来たことを覚えていますか?」

「ああ、よく覚えているよ」

「あの日、エリック様が突然消えて、とてもびっくりしました。しかし、きっと戻ってくれると思い、森の奥で身を潜めておりました。」

「よく長いあいだあきらめずに・・・」

「エリック様には命を助けられましたので、私は一生ついていく決心をしていました。そしてあの時、エリック様が死んでいないことも分かりました。なのできっと見つかるはずという思いで待ち続けました。」

「この場所で?」

「はい。この先の森と行ったり来たりです。そうしましたら、先ほどエリック様の気配を感じ、来てみました。待った甲斐がありましたよ。」

「長いこと待ってくれていたなんて、僕はうれしいよ。ちなみに、一生ついていくといっても、寿命は僕が短いけどね」

「そういう言い方、やっぱりエリック様です。」

僕は懐かしさと嬉しさて泣きそうになった。転生前にパトリシアを助けていてよかった。


僕は、パトリシアの前から消えて、今ここに転生するまで500年ほどの時間が経っていることを知らされた。

「ところでエリック様、転生の影響で主従契約が切れてしまいました。また契約してください。」

「契約、そういえばそんなことやったな。肉体が変わったで契約も解除されたってことか。」


早速、パトリシアの頭に手を置き、契約の言葉を唱えた。転生前にやったのだが、覚えていた。

「ありがとうございます、エリック様。おや、新しいスキルを手に入れたようですね。」

「本当だ。以前はこんなことなかったんだけど。」

「エリック様は守護士になられたのですね。守護士の能力は相手を攻撃して倒すといった力はありませんが、守ったり、助けたり、補助をしたりするために、それらの能力がとても高いですし、能力の向上値がとてもすごいです。」

「そうなんだ。」

「そしてもう一つ、他とは違ってユニークなスキルを使うことができます。それらスキルは、幻獣や神獣と契約することで使えるようになるものがあります。」

「なるほど、あのギルベルトが使っていた、変わったスキルはそれだったのか。因みに今入手したスキルは何?」

「【プロテクトフィルム】と言いまして、相手の魔法攻撃の威力を弱めます。」

「僕、たぶんなんだが、そんなのなくても耐えられる気がする。」

「このスキルは、仲間に対しても使用が出来ます。よって、パーティで戦う場合は非常に有効です。」

「それは確かに重要だ。」

ユニークスキル。守護士になって、初めて知った能力だ。話を聞く限りだと、ほかにもたくさんありそうだ。


「それにしても、守護士の基本能力、とてつもなく凄いですね。何をなさったのですか?」

「実は僕は、つい先ほどまで転生前の記憶はなかったんだ。この廃墟にたまたま入り、魔王にとどめを刺した場所に行くと、知らない占い師が現れ、白い玉、黒い玉どちらかを選べと言われた。」

「その占い師、かなり怪しいですね。」

「そして、白い玉を選んだら、転生前の記憶と身体能力を手に入れた。まあ、身体能力は勇者のころに持っていたスペックをベースに、守護士の基本能力へ変換したのだと思う。」

「なるほど、しかし、この年齢であきれるほど能力値が高い。。。」


パトリシアは、既にエリックの基本能力が、転生前の仲間ギルベルトと同じくらいの能力を持っていることに気がついていた。この人はやばいくらい強い!


「では、色んな幻獣と契約する事も日課にいれるか。」

「はい、そうですね。お供します。」

また、パトリシアと一緒に過ごすことが出来る。それを思うととても嬉しい。


「ところで、これからパトリシアはこの状態で一緒にいるのか?」

パトリシアは、元は馬なのでそれなりに大きい。そのまま一緒にいるとどう考えても目立つ。目立つくらいならまだしも家族に絶対反対される。


「エリック様、それならば、対応方法はありますぞ。」

「どういうこと?」

「エリック様の陰に隠れれば、誰にも見つからずに一緒にいれます。」


陰と言っても、光が無いと影は出来ないとかそう言う意味での影ではないらしい。僕がいるという存在に対する陰ということらしい。つまり、いつでも呼べるし、会話も出来ると言うことだ。


「これで問題も解決ですね。よろしくお願いいたします。」


僕はパトリシアを陰に隠し、家に帰った。兄や姉はまだ帰っておらず、僕が内緒で家を出てついていったことはバレていなかった。そう言えば、兄と姉は見たことがない馬を探しに行くと言っていたな。。。


しばらく、今までと同じように6歳を演じることにした。

転生と馬を説明するのが面倒そうだから・・・。

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