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拙い文章ですが、宜しくお願いします。
深い森の中。
食料調達班は辺りを警戒しながら進む。
深い森と言っても、どこまで言っても木しか見えない場所では最早、深いも浅いもないだろう。
葉の間から差し込む光は、豊かな緑と相まって幻想的だが、彼らはそんなものには目もくれず、ただ黙って足を動かす。
「…ああ、怖い。くそ。何でこんな。くそ」
この沈黙に耐えられずに班の一人が不満をぶちまける。しかし班長は一度振り返り「静かに」とだけ言い、また歩を進める。
一人一人の吐息が、辺りの静けさと相まってやけにうるさく感じ、何度か深呼吸をして整えるも、すぐにまた乱れてしまう。
「あともう少しだ。踏ん張れ」
班長の一言に皆無言で頷き、足音を消しながら進んでいく。どこから奴等が現れても可笑しくない状況では、正気を保つのさえも難しい。しかしそれが正しい反応だ。
摺り足のような、微かな足音を聞きながら草木を掻き分けて進んでいく。
この世界で人間は、ピラミッドの頂点にはいない。
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