犯人は? Part2
「確かに、それだけだと微笑ましい光景ですね。」
「その先輩メイドの特徴は聞いてある。『ネリサ』をこっそり呼んでくれ。」
「はい。ただいま。」
『ムラーノ』が席を立ち、暫くして『ネリサ』を呼んできた。
「『アルト様』お呼びですか?」
「うちの『メイド』で。。。」
特徴を言って聞かせた。
「残念ながらそのような者はおりません。新人を含め、最初の教育は私が責任を持ってしております。そのような者がいれば覚えております。」
即答だった。。。
「うちの中に、不審な者がどうやらうろうろしているみたいだな。『ニクス』」
「『ネリサ』ありがとう。下がってくれて良い。」
「。。。。。」
「それと。。。」
俺は敢えて残しておいた1枚のクッキーを指さした。
「?」
「俺に出されたクッキーだ。」
「?」
「毒が入っている。弱毒だがな。」
『ニクス』が真っ青になった。
「その不審者が、クッキーに混ぜたのですか?」
「俺は違うと思う。」
「まだ、他にも当家に害を成す者がいると?」
「そう言う事だな。ただ、菌を撒いたグループとは明らかに違うと思う。
『菌を撒いたグループ』は確実に『オーガニクス家全員』、若しくは『精霊を継ぐ可能性のある者全員』を一気に抹殺しようとする悪意があったように感じる。
それに対し『クッキーグループ』は、ターゲットを絞りじわじわと殺害しようと考えていた節がある。出来れば自然死に見せかけたかったのではないかな。この家の子供で他に体調が優れない者もいるのではないか?」
『ニクス』の顔色から思い当たる節があると分かる。
「前者は恐らく『ソロンの関係者』、後者はライバルに消えて欲しいと思っている誰かの家の手の者だな。」
「。。。。お心当たりが?」
「ああ。」