表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/79

犯人は? Part 1

ベルルと入れ替えに『ニクス』と『ムラーノ』がやって来た。

「お目覚めですか?」


「ああ。いくつか聞きたいことがあってな。」


「何なりと。」


「今回の騒ぎ以降いなくなった者、所在が分からない者がいないか、まず知りたい。」


「アルト様のおかげで、亡くなったものはおりません。使用人一同を代表してお礼を申し上げます。」

『ニクス』は頭を下げた。


「『亡くなった者は』と敢えて言うからには重匿化した者がいたと言うのか?」


「『重匿化した者』もおりません。

ただ、行方が分からない者数名おります。」


「ほう。行方が分からなくなった者の中には、結構長く勤めていた者もいるのだろう?」


「何か心当たりでも?」


「ああ。『ニクス』はここは長いのか?」


「はい。オーガニクス伯が幼少の頃から仕えさせて頂いております。」


「ならば、私の実父ラファスが、義理父に爵位と屋敷を譲った時にはいたな?」


「はい。」


「その時、この屋敷の使用人は全員解雇されたのか?」


「いえ、そんなことは。希望する者はそのまま雇ったと思います。調べますか?」


「ああ。それと不明者を付き合わせてみてくれ。」


「何か疑いでも?」


「俺の母上(実母)の出は知っているな?」


「はい。『旧ザンザニア』の王族であったとか。」


「『旧ザンザニア』は王国に併合されたのだよな。」


「でももう昔のことです。今は同じ王国の人民として繁栄を謳歌しているはずです。いまさら王国にどうこうなど。。。」


「建前はそうだろう。と言うより、大多数の民はそうだろうな。」


「『アルト様』は『ソロンの民』について言われているのですか?」

と『ムラーノ』が口を挟む。


「ああそうだ。」



「今回の件、アルト様の母上も絡まれていると?」



「それは違う。ただ、『ソロン教』は絡んでいる気がする。」



「何故、そう思われるのですか?」



「簡単だ。一番最初に、俺を殺そうとしたからだ。この屋敷の中で、父(義理父)以外に精霊が顕現しているものは誰だ?」



「『アルト様』です。

ただ、今回の件、単純に病気が屋敷内に広がっただけと言う可能性もまだあります。」


「偶然か。偶然なら良いのだがな。これを見ろ。」



「香水瓶ですか?」



「中に病魔が入っている。」

手を出そうとして『ニクス』は慌てて手をひっこめる。



「一つ聞こう。この家では、新人のメイドが新しく部屋付きになる時に先輩から『香水』を振りかけられる習慣があるのか?」



「さあ?」



「『ニクス』ちょっとメイド達に確認して来てくれ。」

『分かりました』と席を立ち、すぐにまた戻って来た。



「そのような習慣はないとメイドどもは言ってました。『最近できた習慣なら知らないですが』とも言ってましたが。」



「だろうな。実は俺の部屋付きのメイド少なくとも2人が疫病騒ぎの際、先輩メイドから香水を振りかけられている。その香水が入っていた瓶がこれだ。」



「そんな重要な話。。。」



「俺が聞いたのもさっきだ。目覚めたばかりだからな。重要性を知らない者にとってみれば微笑ましいことだろう?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ