片栗粉
(この世界ではアルミなんてなさそうだからな。代わりに。。。)
「『ルナ』、『片栗粉』を用意しておいてくれ。」
「はい、主様。」
「その間に、もう一つの香水瓶を回収するぞ。『ベルル』振りかけられた場所に案内頼む。」
「でも、主様、香水瓶は一つじゃないんですか?」
「多分、複数ある。犯人の性格として一度噴霧した瓶は安全の為、使用していない気がする。それに、明らかに『ルナ』がかけられた時間と『ベルル』がかけられた時間には間がある。」
「複数ですか?まだ瓶はあるんですか?
勿体ない。。。」
「勿体ない???」
「場違いな発言でしたね。すみません。」
「いや。。。待て、これって高いのか?」
「ガラス製ですよね?」
「ああ。。。そういう事か。」
『ベルル』に使われたと思われる瓶を回収し、ひとまず部屋に戻る。
「主様、そのような危険なものをどうされるのですか?」
「『ベルル』、実は俺や『ベルル』にとってこれはそれほど危険ではなくなっているんだよ。
一度感染したら身体の中に『抗体』ってものができて、同じ菌が身体に入ってきたら戦ってくれるんだ。」
「『主様』って本当に物知りです。」
ベルルの称賛が気持ちE~ぜ。
暫くして、『ルナ』が『片栗粉』を持って戻ってきた。
「あと羽ペンを持ってきてくれ。」
羽ペンはすぐ用意される。
瓶をそっと置き、片栗粉をそっと振りかけ、羽ペンの羽でそっと拭う。
(成功だ。セロハンテープがないから、手で書き写すしかないよな~
まあ、指紋が入ったから良いか。)
指紋を書き写していると『ルナ』がおずおずと覗きこんできた。
「何をされているのですか?主様」
「『指紋』ってやつを書き写している。人には必ず指紋ってやつがあり、それぞれ形が違うんだ。外見をいくら変装しようとこれは変えられないからな。」
「『それで個人を特定できる』と言う訳ですか。」
「犯人は多分自信家で、今回のことで自信を深めている。また来る可能性があるから念のため用意しておく。」
「絶対捕まえましょう。」
「ああ。絶対。」
(舐められたら、倍返しだ。)