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お金。

食事を終えると、俺は各々に用事を頼んだ。


「『メイ』お前は『ロゼット』まで使いを頼む。」


「『ロゼット』ですか?『ロゼット』のどちらまで?」


「M's商会の『ミヤーノ』か『ベラ』にあってこれを渡して来て欲しい。『アルト』からだと言えば分かる。」


そして、『企画書』と書かれた書類と『採寸表』、『メイド服型紙』を渡した。



「これは駄賃だ。好きに使って良い。」と言ってお金を渡した。



「わ、私は、このお屋敷にや、雇われていて、お給金もちゃんと頂いております。」




「。。。。。」



「気分を害させたようで悪かったな。。。


これは、家の仕事と言うより俺の私用に近いから別途手当てを出そうと思ったのだが。」



「あ、(あるじ)様のことなら尚更です。しかも、私達の制服に係わることならそもそも私用にはならないと思います。」



「ありがとう。。。。。。」



(正論だが。困った。

何かお金で困っているみたいだから手を差しのべようと思ったのだが。。。

どうしたら彼女のプライドを傷つけず気持ちよく貰って貰えるだろうか?)



「。。。。。。」



見ると耳がペタんと垂れ下がり、『ごめんなさい』をしている。小刻みに震えていることから気持ちも揺れているのが分かる。


(あぁ。)

その様子を見て思った。


(俺は『暴君』になったって良いんじゃねえ?

彼女のプライドなどくそ食らえだ。

『やりたいこと』はやる。『必要だと思ったこと』はするでいって良いんじゃないか?)



「これは黙って受け取れ。いつまで俺にお金を持たせておくつもりだ。あくまでも駄賃だからな。きちんと仕事を仕上げてこい。それと。。。」



「それと?」



「あまり、俺を見くびるな。頼るところはちゃんと頼ってこい。」



「でも。。。アルト様、アルト様はまだ。。」



「まだ?」



「。。。。」



「お前の主人は誰だ?

人とは年じゃなく、その器で見るべきだと思うが。


お前の主人としてみて俺は不足だとでも言うのか。」



「。。。。。」



俺は『メイ』に背を向け、出ていくのを促した。



「あっ、ちょっと待て。」

ノロノロと『メイ』が振り向く。



「帰ってきたらきちんと説明しろよ。何故お金に困っているかを含めて。俺が出来る範囲で手を差しのべてやる。


気をつけて行ってこい。」


「ぐすん。はひっ。。。」


泣かしちまったか。。。









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