完敗
晩餐が終わり『イレイサ』『レイシア』の母子はそれぞれの別邸に帰った。
残った『バメル』母子もそれぞれの部屋へと戻っていった。
さて俺も部屋に戻るか。。。
「『アルト』ちょっと待て」
義父から声がかかった。
「何かご用ですか?」
「何故自分の力を隠す?」
「はい?おっしゃっている意味が。。。」
「神殿の知り合いから、先ほどお前について報告があった。」
(あちゃ~。口止めしておけば良かった。)
「親としてみれば、『神紙』の結果が気になるのは当然だろう?
お前が言って来ないので確認を先にとった。
そしたらなんとアルト、お前『神子』に選ばれたそうだな?
それと、、、『神紙』を見せてみろ」
渡すと一瞥した後、戻してきた。
「普通は少しでも良く見せるべく努力するものだ。。。INT,WISは999と聞いたぞ。
確かに高いことは高いが、その値とはかけ離れているな。。」
「でも、『神紙』には。。。」
「『INTが低い者にはINTが高い者を鑑定できない。』私がこんな基本を知らないとでも思ったか?
そしてお前は高位司祭より高かったそうだな。
では聞こう。この『神紙』は誰が作ったんだ?」
「。。。。。」
「答えられまい。お前自身で作ったものなんだからな。
『神紙』を作る者はまた用件を絞って記載する事もできると聞く。
能力以上には書けないが、以下なら出来ると言う訳だ。」
「それは。。。」
「『出る釘は打たれる』
それを知らぬ訳ではない。
ただ、血を分けた身内ぐらい信用しても良いのではないか?。
それと、大人をあまり舐めないことだ。」
「はい。。。」
俺の完敗だな。