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気のせい?

「そう言えば『ルナ』だが、ごたごたの最中に出て来なかったな?」


「体調があまりに悪そうだったので寝せていたのです。。。血も吐いていましたし。」

『メイ』が申し訳なさそうに言う。


「何故それを言わなかった?

とりあえず、マスクを作る。ハンカチを渡すから紐を付けろ。こうやって当てるんだ。

彼女と接する時はマスクを必ずつけるようにな。うがいと手洗いも忘れないように。

というか、この屋敷に白魔導師はいないのか?」


「屋敷にはいません。白魔導師ギルドから必要に応じ呼びよせてます。」



「なら呼んでやれ。」



「呼んでも来ないかと。。。と言うより、

メイドに対してなんて呼んで貰えませんよ。


軽い病気なら薬の服用で治すよう言われ、

重くなったら主家の方にうつさない用に

暇を出されます。

『白魔導師』を呼ぶにはそれなりのお金が必要ですから。」


この世界では命は平等じゃないんだったな。


「ああっ、くそ。。。そうだ。。。

ちょっと入るぞ。」


そう言ってメイド部屋に入る。

簡素なベッドに僅かな私物があるだけだ。

水がベッドの脇のテーブルに置かれ、その机に被さる用に『ルナ』は倒れている。

額を触ると猛烈に熱い。

ベッドまで二人の力を借り、運び寝かせる。


二人に『ルナ』のメイド服を脱がせ、汗を拭いたあと寝間着に着替えさすよう指示をした。


その間に部屋にあるストーブにヤカンを置き沸騰させる。


「額に濡れ手拭いを乗せてやれ。」


(かなり高熱だな。インフルエンザみたいなものか?


生憎(あいにく)俺は病気治療系の魔法は知らない。。。

何かで代替できないか?

使えそうな魔法はヒール系ぐらいだな。


もしかして?ヒール系使えないかな?


自己治癒力を高め、傷を治す訳だから菌に対する抵抗力を高めることが出来るかも。


菌を殺すことはさすがに出来ないだろうが

。。。


駄目もとでやってみるぺし。)



『ハイヒール』

手のひらから光が彼女に注ぎ込まれる。



『ハイヒール』



「えっ。。。。。」



『ハイヒール』



「まさか。。。」



『ハイヒール」



「まだまだ~~」



『ハイヒール』



「うそ?」



彼女の血色があっと言う間によくなった。


(もしかして?ハイヒールでいけるじゃん?

そういや、もとの世界の偉人『ヒポクラテス』大先生が「医師が病を治すのではなく、自分の身体が病を治す。」って言ってたよ~な気もする。。。

自己治癒って凄い。)


ふと見ると何故か『ベルル』が固まって

「『キュア』じゃなくて『ハイヒール』を5発ですって??

しかも連続。。。。家の者にだって。。。」

ぶつぶつ言ってらっしゃる。


「まだまだ、余裕だけどね。」



そう言った時の顔は見ものだった。



呼吸が安定し、血色も良くなったので『ルナ』はそのまま寝かせておくことにした。



「このまま朝まで寝かせてやれ。

布団は俺のベッドから暖かいものを選んでかけてやるように。

『ルナ』はもう大丈夫だと思うが、この部屋には病原菌が残っているはずだ。

なので手洗いをして後、俺の部屋で二人は待機しておくように。


そろそろ、晩餐会に出なくてはならないから俺は行くぞ。」

そうして、俺は晩餐会に向かった。




(あるじ)様かっこいい。。。」

そんな『メイ』の声が後ろで聞こえたのは気のせいか。。。















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