綺麗な曲線
「ここに『メイ』がさっき持ってきた『クッキー』がある。ちょっとかじってみろ。飲み込むんじゃないぞ。」
「少し苦い気がする。。。」
ハンカチを渡し吐き出すように言う。
ごっくん。
(飲んじまった。。。)
「どうして吐き出さなかった?微量とは言え毒だぞ?」
「せっかくの綺麗なハンカチ、汚すの勿体ないですから。。。」
「。。。。」
「なら、これで顔を拭け。拭いたらやる。」
「。。。ホントですか?」
「ああ。涙でグショグショだぞ。」
『ポイゾナ』
ポイゾナを唱えた。
「そんな簡単に魔法を使ったら倒れられてしまいますよ。」
「お前は俺の大切な部屋付きだろ? まだまだ働いて貰わないといけないからな。」
「。。。ありがとうございます。」
「さて、状況は分かったな。」
「はい。。。」
「よし、『ベルル』こっちに来い。二人に用事を与える。」
「は、はい。」
「あっ、その前に」
「その前に?」
『ベルル』こっちへきて服を脱ぎなさい。」
「。。。。。」
「もし、差し支えなければ何をするのか説明ください。私にも覚悟が、その必要なので。。。それに。。。」
チラッと『メイ』を見る。
「人が見ている前では。。。」
「彼女には手伝って貰う。同性なんだから別に良いだろう?」
「ご主人さまが、どうしてもそう望まれるのでしたら。」
顔を真っ赤にしている。
「さて、済ますものはさっさと済ましてしまおう。俺もスッキリしたいし。『メイ』、縄を持ってこい。」
「縄。。。私、初めてなんです。そんな高度なこと。。。」
そう言って座り込んでしまった。
「なんでもすると言ってたのは嘘か?早く済ましてしまおう。」
「せめてベッドで。。。」
「ベッドが良いならベッドで計るのも良いが。。。」
(たかが採寸するのに大袈裟だな。初めてって緊張するもんなんだろうか。)
手をとりベッドルームへ。
「『メイ』行くぞ。」
「つ、次は私なんですね。」
とメイが多少うわずった声で言う。
「ああ、そうだ。」
(当たり前だろうが。。。)
寝室につくと、覚悟を決めたのか、『ベルル』は服を脱ぎはじめた。
そして何故か真っ裸になってシーツに潜りこんだ。
「えっ?『ベルルさん』。。。」
ここで俺は大きな誤解に気付いた。
(彼女が恥ずかしがっていたのって『真っ裸になる』って思っていたからか。言葉が足りなかったな。)
彼女に『ヌード採寸』は『下着を着用していて良いんだ』と説明するのに時間がかかったのは言うまでもない。
「将来が恐ろしいです。」
って呟きが聞こえたのは気のせいだろう。たぶん。
でも、綺麗な曲線だったなあ。。。