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闇の足音 気絶

ディール伯の一行が去って

普段の日常が戻った。


ディール伯の軍は流石に精鋭だけあって、強そうだった。


特にディール伯とトーラスさんの打ち合いは凄かったなあ。トーラスさんのあの気迫、一瞬切られるかと思った。


今の俺じゃ、絶対的な暴力の前に立ち向かうことはできない。

11才と言う年齢からくる肉体的なハンデはしょうがないにせよ、せめて自分の身は自分で守れるようになりたい。


回復系の白魔法じゃ、攻撃系の魔法は無いだろな。


音魔法について、もっと使い勝手を考えて見ようか。


そういや「音」ってそもそも何だろう?

アカシックレコードにアクセスしてみるかな。意外と使える知識があるかもしれない。


『物体の振動が、空気などを通じ音の波として伝わる現象』


うーん

取り敢えずは、音の波→音波ってこと?


何か使える知識は他に無いだろうか。

そういや、音波って人が聞こえるものだけじゃ無かったはず。

『人の聞こえる範囲外の音』について調べると『超音波』と『超低周波』が頭に浮かぶ。


他に『モスキート音』と言う言葉も出た。

(『モスキート音?』昔みたテレビのバラエティー番組で『モスキート音』を使ってイタズラをやっていたことを思いだした。

可聴領域ギリギリの高周波音で年齢とともに聞こえなくなる音だったはず。

ようは若年齢しか聞こえない音だったな。あれが聞こえるか聞こえないかで年齢が分かるってことで、年齢詐称しているらしいタレントをからかってたっけ。


続いて音について気になる項目をリストアップしていく。


→スタントルネード

→リソナンス 共振

→スクリーム

→超音波カッター

→ソナー

→衝撃波


色々あるじゃないか。


とは言え、この中で今使えるのは

光らないスタントルネード(音爆弾)ぐらい

みたいだ。

単純に相手の耳横に魔力で音の塊を作るたけだからね。


調べ疲れたので、一服『ハイヒール』

心なしか気分もリフレッシュした気分になる。ヤバい病みつきになりそうだ。


一呼吸ついて、気分が良くなったので、『スタントルネード』略して『スタン』の使い勝手を良くする。


『スタン』は

対象を見定め

鳴らす音『バーン』をイメージし

必要MPを消費することで発動していたな。

自分で勝手にイメージしたものだから『魔法名』などないし。ん?もしかして今名付けたら良いんじゃないか?


名前『スタン』

消費魔力MP50

使用音 『バーン』

効果は。。。『鼓膜破壊と平衡感覚消失、パニック、時々気絶』ってとこかな?


その時、突然頭に声が響いた。

「良かろう、承認した。我が力を貸そう。」


(えっ?えっ?えっ?)


そして意識が消えた。





※※※※※※

どこかで誰かが泣いている声がする。


「大丈夫ですよ。単なる魔力切れなので、すぐ目を覚まされます。目を覚まされたらこのポーションを飲ませればすぐに元気になります。」


(これはヨーゼフさんの声だ。)


目が急に覚める。


「ほら、目を覚まされました。」


どうやら自分の部屋だ。ベッド?

横には泣きはらした目の母上とヨーゼフさんの顔が見える。他にもムラーノとセスの姿も見える。


(ん?)

不意に記憶が戻る。そうだ、確か庭で音魔法の練習をして、倒れたんだった。

最後の記憶がボケる。


「アルト様、こちらを飲まれてください。」


ドロリとした感触の物凄く苦い液体だった。しかし、飲むとMPが回復するのが分かった。


「庭で倒れていたのです。」

ムラーノが説明してくれた。

(ああ、じゃあみな心配してあつまってくれたんだ。)


「みな、心配をかけました。ごめんなさい」


その一言で、場が和んだ。


「魔力欠乏症を起こすまで何をされていたのですか?」

ムラーノが探るように聞いてくる。

(当たり障りのない回答が無難か。)


「ヨーゼフさんに教わった『ヒール』を

覚えられたんで、嬉しくって何度もかけていたんです。そしたら、いつの間にか辺りが真っ暗になって。。。」


なるべく11才相応に見える様しゃべった。

あくまで、子供が『つい仕出かしてしまった』ように見えるよーにだ。


ヨーゼフさんは一瞬何か言いかけた飲み込んだ。


話を終えると、みなやれやれと言う雰囲気になり、母上と俺を残し部屋から去ろうとした。


「ところで、奥様。前々からお勧めしている件、再考頂きましたでしょうか?

アルト様は非凡な魔法の才能を持たれています。このまま才能を眠らせるのはもったいなくいかと。王都の魔法学園へ行かせられたらどうでしょうか?」


ラファスさんが言った一言で周りが何故か

氷ついた。


「ラファス、それは。。。」

母上が言い澱んだ。


「ラファス、差し出がましいぞ。貴殿の推薦の話はお断りしたはず。」

ムラーノが話を無理やり終わらせようとする。


(ん?推薦?断った?何故だ?)


「母上、もし行けるなら、是非王都の学園に行って色々勉強したい。」

俺は敢えてその話を蒸し返した。


「------」

暫しの沈黙の後


「アルト、ダメなものはダメです。王都の学園以外なら。。。勉強したいのなら、ヨーゼフ以外にも家庭教師を雇いましょう。学園だけは絶対ダメです。」


「どうしてもですか?」


母上は悲しげな顔一瞬浮かべたものの『うん』とは決して頷かなかった。


「ご母堂の決意は硬いようですね。ただ、もし気が変わったら是非言ってきて下さい。娘のライラも9の月から、王都の学園に入学を許可されたので、入学することになりました。その際、アルト様もご一緒なら心強いので。」

そうヨーゼフさんはそうも言ってくれた。

(あのライラが、村を離れていくんだな。)

幾ばくかの寂しさを感じた。


※※※※

その夜、母上が落ち着き皆が退散したあと、

確認したい事があってステータスをチェックした。


※※※※※※※※※※

【ステータス】

種族 人間

名前 アルト オーガニクス ラファス JR

真名 ブラックオウル

年齢 11歳


JOB 白魔導師 LV10


JOB補正 STR↓CON↓WIS↑ INT↑

STR-CON補正 HP↓ WIS-INT補正↑

レベルアップ補正

WIS10% INT8% STR5% CON5%

MP10% HP5%

気絶補正 Max


経験値 42100/81920

HP 23/23 23◼ 20*LV1.45*0.8

MP 2050/2050 2050◼(50(+100))*LV1.9*6.0*1.2

STR(力) 30◼30*LV1.45*0.7

CON(体格) 32◼28*LV1.45※0.8

DEX(素早さ) 42

WIS(知力) 326◼ (32(+100))*LV1.9*1.3

INT(知識) 330◼(60(+100))*LV1.72*1.2

LUK(運) 554◼ 54(+500)


◼天啓

前世記憶

アカシックレコードアクセスLV3

幸運の祝福(運アップ)


◼ギフト

知識の泉(INTアップ)

知恵の泉(WISアップ)

空を統べるものLV1

暗闇の友(暗視LV3相当)


◼加護(MP総量アップ)

聖霊の加護(音 仮)

魔力コントロール LV20


◼ユニークマジック

スタン


◼取得魔法

ヒール

スクロール

キュア

ポイゾナ


◼耐性

気絶



※※※※※※※※※※


びっくりした事に、MPが凄い事になっていた。

その上、気絶補正がいつの間にかMaxになっている。

気絶耐性なる項目も増えているな。


あとは、、、ユニークマジック。これって

もしかして俺が作った魔法ってことだよね。

作った瞬間に気絶したってことは必要MPが2050?

いや、作る前にハイヒールしたから2000か。

あくまでも『スタン』を作るのに必要だったコストだから、他に作る時はどんなだろう?色々試してみよう。


他はと。こうして見ると、白魔法のC1あと一つ増やせるな。

異常回復系の『ストナ』を追加した。





※※※※※※

ライラの旅立ちの日は意外なほど早かった。


良く考えてみれば、9月に入学ならば、その前に王都までに着かなければならない。この村から王都まで馬車で余裕をみて約半月。意外に到着はギリギリになる。

ライラ父娘が王都まで旅だったのは8月のある気持ちの良い朝だった。


流石に今日ばかりはお母様も屋敷から出ることを許してくれた。

村の門の前には既に見送りの人だかりが出来ていた。

その中には、半年分だけ逞しくなったロイ、目つきが悪くなったネロス、横に広がったサワンがいて、つるんでいた。

近くに寄ると、みな一様に目を避ける。


(俺、こいつらに何かしたっけ?)


「久しぶり。お前たち元気にしてたか?」

思いきって声をかけた。


「アルト様、何かご用でございますか?」

ネロスが返す。


「用って用がないと声をかけちゃ駄目なのか?」


「。。。。」


みな下を向き俯く。

無視か。。。応えるな。


「あのなあ、お前らさ、確かに疎遠となっていたのは事実だけど、それは俺が屋敷で療養(監禁)されていたからだし、それにお前達が俺を訪ねて来てくれても良かった話だろう。」


「。。。」


サワンが何か言いたそうにして、首を振った。


幸いな事に女友達と別れを惜しんでいたライラが俺に向かって手をふり、駆けよってきた。


「アルト~」

一際大きな声が響く。


「今日も出て来られないかと思った。会いたかった~。村を出る前に会えて良かったよ。」


こいつは変わらないなあ。良かった。


「ライラも元気そうだな。王都生活目一杯楽しんできてな。」


「ん。王都でアルトが来るの待ってるからね。」


「えっと、俺は王都にはいかないんだよ?」


「『意志あるところ、道が出来る。』だよ。駄目だと思って諦めたらそれで終わりっていうでしょ。」


(まあ、そうだけど)


話していると父親のヨーゼフさんがあらわれた。

「アルト様、お見送りありがとうございます。見送りと白魔導師ギルドに行く所用があるので、私も1(ひとつき)ほど村をあけます。奥様にもよろしくお伝えお願いします。」

ヨーゼフさんも同行されるんだな。まあ、娘一人で行くって選択肢はないか。


「道中お気をつけて。白魔導師ギルドに行かれるのならば、お金をお渡ししますので回復系のC2魔法習得用の巻物と、スクロールを練習したいので、スクロール用のリザードマン皮を購入してきて頂けますか?」


「練習用なら、リザードマン皮よりギルドには良いものがある。魔法紙と言って、C2魔法までの魔法を1回しか込められないが安価だし、軽いよ。一般的に言ってリザードマン皮は高価だから、大事な巻物(スクロール)

を作る時しか使わないのが現状だ。

もっとも魔法紙は『王都のギルド』しか手に入らないから、地方で手にいれるのは難しいけどね。」


「それでは、魔法紙よろしくお願いします。お代は今持ってきます。」


「どのくらいの量手に入るか分からないから、戻った時で良いよ。立て替えられるぐらいの手持ちはある。」


頭を下げた。

こうして、ヨーゼフさんとライラは旅の人となった。


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