くず。
案内をしてもらった女中を下がらせ、早速青色ベルを鳴らす。
「チロンチロン」
多少微妙な音が響く。
バタバタバタ。
スーハー。スーハー。
(?)
カチャ。
「お待たせいたしました。何かご用でしょうか。」
扉から出てきたのは、年の頃14~15才ぐらいのメイドだった。シルバーの髪を団子状に後ろでまとめている。
澄ました顔をしているが、慌て出てきたらしく多少息が乱れ、エプロンには良く見ると何やら菓子くずらしきものもついている。
「。。。下がって良い。」
「何か?何か粗相を致しましたでしょうか。」
真っ青な顔をしている。
「食事中だったんだろう?
顔繋ぎの為呼んだだけだから,しっかり食べ終わってからで良い。」
「。。。」
彼女に近づき、ヒョイと菓子くずらしきものを口に含んだ。
(そこそこいけるな。)
顔を真っ赤にしている。
「なかなか旨いお菓子だ。」
「あの。。。お坊ちゃま、この事は女中頭の『ネリサ』さんには、内密に。。。」
「さて、どうかな。」
「そんな。私ここの職にやっとありついたばかりなんです。。。
なんでもします。
どうか。。。どうかご内密に」
土下座でもなんでもしそうだ。。。
「そうか、なんでもするのか?」
はっと顔をあげる。。。
「屋敷に奉公すると決まった段階で覚悟は出来ています。。。」
そう言いつつ小刻みに震えている。
???
「じゃ、まずはそのお菓子を私にも持ってきてくれ。お茶でも飲みながら、この屋敷について聞きたい。 」
「私って魅力ないですか?」
(もしかして。。。。。俺ってそんなにくずに見えるの??)