コース
「『領主』になる為のコースが学園にはあるのですか? 」
「そのものずばりは無いぞ。ただ、『騎士コース』がそれに近い。
『貴族』ならではの必要な見識や作法を学ぶとともに、部下を率いて戦場に赴くに当たって必要な武力の鍛練も行う。
戦局を左右するほどの火力を持てる『魔法コース』とならび貴族で選ぶ者が多いコースだ。」
「ということは、学園には『騎士』、『魔法』、『白魔導』の3コースがあるということですね。」
「ああ、そうだ。」
「それは入園前に決める必要があるのでしょうか?」
「基本的にはな。」
「『基本的』にはとは?」
「複数の資質があるとみなされる場合、例外的に最初の2年の間はコースを選ぶ事を猶予される。ただ狭き門だぞ。
例え複数の資質があったとしても大概は入園のタイミングでコースを選ぶものが多い。」
「ギリギリまで自分の適正を見極めたく思います。なので複数のコースを受けてみたいと思います。」
「回り道になってもか?
それにお前の能力が『白魔導』以外基準を満たしていない恐れもある。」
「『基準』とはどのようなものなのですか?」
「『騎士コース』はSTR、CON値が一定値を越え、王国流剣術『ラシード』の基本の型を習得し使えること。
『魔法コース』ならMP量、WIS、INT値が一定値を越え、初級魔法C1を一つ以上使えることだったはずだ。
『白魔導師コース』についてはギルドが保証しているくらいなら資格は有るのだろう。」
(騎士コース、魔法コースを受けるなら準備は必要だな。)
「試験はいつ頃なのでしょう。」
「普通は秋だ。ただ何事も例外はある。
我が家は学園の理事も兼ねておるから
いつでも受けさすことは出来る。
ともかく、何はともあれ今日中に素質の鑑定を受けて来なさい。その内容を見てから考えても良い。」
「はい。」
(精霊の顕現があったのもあるとは思うが、叔父はおれのこと嫌いではないらしい?
むしろ兄の子としてきちんと育てようとしているみたいだ。母上のことは相当嫌っておいでではあるが。。。)
朝食後、まずは鑑定を受けに行くことにした。