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まだまだ。

俺と『ムラーノ』はあわただしく『ロゼット』の街をたった。

必要な挨拶は前日済ませ、『また戻って来るので見送り不要』といったにも拘わらず大勢の人が見送りに来てくれたのには感動した。


(ただ、メイド?(多分 副領主の娘)の姿は無かった。残念。。。)


そんな思いとは別に、小高い『ダルトンの丘』へと馬車は進む。


「ここまでくればもう一息です。」

『ムラーノ』の顔に余裕が戻って来たように感じる。


(結構廻り道しちまったなあ。『ムラーノ』にも迷惑かけた。。)


「色々お疲れ様でした。おかげで『倍がえし?』と『服の調達』両方無事にすみました。」


「『アルト』様が勝手に動いて、勝手に終わらした感じがします。」


「金勘定とか、要所要所で『ムラーノ』が動いてくれなければ、目標達成などでき無かった。ありがとう」


そう言って箱を手渡した。


「これは?」



「開けて見れば分かりますよ。」


『ムラーノ』はゆっくり、丁寧に箱を開けた。そして不覚にも涙を流した。


「『ムラーノ』の分だけ遅くなってすまない。お疲れ様。」


「ほんと、あなたって方は。。。」


そのタキシードは、機会ある毎に着られ

家宝扱いされたとか、しないとか。




そんな事が馬車内で繰り広げられているとは知らず、馬車は粛々と進む。


「間もなく峠に着きます」

馭者が声をかけてきたので、降りることにした。


今登ってきた道を振り替えると茶色にくすんだ街が見えた。

「あれが『ロゼット』です。」

ムラーノが指を指す。


そして、彼方に見えるのが『王都』です。

指した先には、高い城壁で囲われた

オレンジの尖塔が立ち並ぶ巨大な都市が見えた。真ん中に()すのは王宮だろうか。日の光を反射し、金色に光っている。荘厳な風景を前にしばし言葉がひっこんだ。


何が「新宿駅1時間分の人口」だ。


まだまだ俺も甘いな。

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