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魔導師になろう

『療養』と言う名の『謹慎最中』に俺は色々整理して考える事にした。


『オウル』の置き土産?なのか、自分の『ステータス』が望めば見れるようになっていた。


『ステータス』と考えるだけで、自動的に見えるのは非常に便利だった。


ちなみに現在のステータスは下の通りだった。


※※※※※※※※※※

【ステータス】

種族 人間

名前 アルト オーガニクス ラファス JR

真名 ブラックオウル

年齢 10歳

JOB 未設定

LV 0

経験値 0

HP 20/20

MP 50(+100)/50(+100)

STR(力) 30

CON(体格) 28

DEX(素早さ)42

WIS(知力) 32(+100)

INT(知識) 60(+100)

LUK(運) 54(+500)


◼天啓

前世記憶

アカシックレコードアクセスLV3

幸運の祝福(運アップ)


◼ギフト

知識の泉(INTアップ)

知恵の泉(WISアップ)

空を統べるものLV1

暗闇の友(暗視LV3相当)


◼加護

聖霊の加護(音 仮)

魔力コントロール LV20


◼ユニークスキル

なし


※※※※※※※※※※

色々突っ込みどころはあるが、

『闇の精霊』の加護では無く、『音の聖霊』の加護だったのにはちょっとびっくりした。

『ギフト』と『守護』によるステータスの嵩上げは

正直ありがたい。


(コボルトを倒したのが『音の聖霊』の加護とすると、あれは音による攻撃だったようだな。

無我夢中だったからどうやったか分からないが。。

そういや『コボルトの死体』はどうしたんだろうか。)


警備隊長(ティアース)を呼んで聞く事にした。



「『アルト』様、この間の事件の事で何か聞きたいことがあるとか。私の分かる範囲でお答えします。」


「忙しい中、すみません。。

昨日の件ですが、沢の上にあった『コボルトの死体』あの(あと)どうしたんですか?」


「トドメを刺し、魔石とキバについては持ち帰りました。その後村の『冒険者ギルド』で売り払い、捜査協力を頼んだ村のものに分け与えました。何かまずかったでしょうか?」


「まずいも何も、適切な処理ありがとうございます。それより、『コボルト』は死んで無かったんですか?」


「ショックで気絶していただけでした。。

『アルト』様の『あれ』は、初見ではなかなか避けれないですからね。コボルトどもはさぞかしびっくりしたでしょうな。

我々警備隊と使用人は『アルト様』対策で常時『耳栓』を携帯しているので大丈夫ですが。」


何か物騒なことを言っている。



「なんで『耳栓』を?」


「お気づきになって無かったのですか?

最近はとんと無かったので、意識して抑えられていたのかと思ってました。」


話を聞くと、俺の腹から出す声は相当デカイらしい。そのおかげで今回もだいたいの位置を特定でき、救援に駆けつける事ができたらしいが。


(でも。。。それだけデカければ自分にも響くはずでは? 指向性が高いって事か?)




※※※※※※

「たー」

パサリ


「ぎゃあ~」

パサパサ


「はあ~」

パサリ


「あた~」

パサリ


「か○はめ は~」

パサ~


腹に力を入れ、大声を出すたび、屋敷に植わっているカエデの木の葉が落ちる。

音声が衝撃波となって目の前の対象に当たるらしい。ただ威力はどんな言葉でも変わりないように見える。

ティアースの話にヒントを得て『大声を出した時に発生する衝撃波』を試すことにした。


試しにステータスを見てみると、叫ぶ前と後では、ほぼMP(マジックポイント)が10減っている。


(と言うことは音に魔力を乗せるタイプの魔法か。せっかくの能力、意識的にコントロール出来ないものかな。)


コントロール出来ない力ほど怖いものはない。

恐らくだが、赤子の時は無差別に周りに衝撃波を放っていたに違いない。今考えると冷や汗ものである。


ふと気がつくといつの間にかお昼になっていた。何度も叫んだせいで、声がもうあまり出ず、かすれてきている。


(あと数回が限度かな。でも、声量(音量)によって、落ちる葉の数や使用MPは変わってない気がする。)


ん?

もしかして『声に出す必要はない』とか?


試しに声に出さず『イメージ』だけで鳴るか試してみたらなんと出来てしまった。


この魔法は声に魔力を乗せて相手に当てる魔法ではなく、

頭に浮かべた音(念じた音)を魔力を使って目標物に当てる魔法だったみたいだ。



『イメージ』ならもしかして?

魔法を使う前と後でステータス上、MPが30減る様子をイメージし『バーン』と念じてみた。


バサバサバサバサ

葉が全部落ちた。


今回は流石にやり過ぎたかな?





※※※※※※

俺が自由に音魔法を出せるようになってから数日後、

屋敷に思わぬ来客があった。

ライラの父親のヨーゼフ氏だった。


「『アルト』様、今回娘が本当に迷惑をおかけしました。『アルト』様は娘の命の恩人です。本来なら顔を出せる立場じゃないのは重々承知しているのですが、お礼をどうしても伝えたくてまいりました。一人娘と思って甘やかし育てた馬鹿な父親とお笑いください。」


頭を下げられ恐縮した。

別にライラも、ライラの親父さんも、俺を害した分けではない。むしろ俺が『勝手にライラを心配して』探しに行っただけである。


「頭をおあげください。私が『ライラ』を勝手に心配し、何も考えずに探しに行っただけです。今思うと思慮が足りなかったと恥ずかしい気持ちでいっぱいです。むしろ。。。」


「むしろ?」


「むしろ、『コボルト』による傷を『ライラ』に治して貰った事には感謝しているんですよ。」


「傷?ですか?」

聞いていないようだ。


「薪を探しに外に出た際、『コボルト』に襲われて、傷を負ったんです。水で傷口を洗い、縛っていたんですが不充分とライラに怒られました。流石にヨーゼフさんの娘さんですね。」


「娘が『アルト』様に対し、怒ったんですか?それで?」


「急に火のついた薪を傷口に当てられた時は流石にビックリしましたが、すぐ『ヒール』をかけてくれて。。。」


『ヨーゼフさん』の顔がだんだん蒼白になっていくのが傍目でも分かった。


「えっと、『ライラ』は家で治療の手伝いとかは?」

まさかね。


『ヨーゼフさん』は首を横にふった。


「。。。。」


しばし沈黙が包む。


「治療を手伝いたいと、娘はいつも言っておりましたが手伝わせた事は一度もありません。」


「だって『ヒール』を使えてた。。」


「修行もろくにしていない幼子に、

患者を任すことは残念ながら一切ありません。

『ヒール』が使えたのは、たまたま私が唱えていた呪文を耳にはさんで覚えていたからでしょう。すみません」


そういうと、なんと土下座をされてしまった。


(考えてみりゃそりゃそーだ。

10才の娘の治療なんて、元の世界だってあり得ない。

もし、させていたら、まず訴えられるな。)


「頭を上げてください。結果何も無かったのですから。」


「しかし。なんと償って良いか。でも

まずは傷口をお見せください。」


傷口を専門家らしく詳細に調べる。


「良かった。これなら治せる。治療させて貰って良いですか?」


「もちろん。」


「では腕をお借りします。【ハイヒール】」


魔法の発動とどもに火傷の跡が綺麗に戻った。

魔法ってやっぱり凄い。





※※※※※※

『ハイヒール』で俺の火傷跡がすっかり治せたことにホッとしたのか、一瞬ヨーゼフさんの顔が揺るんだ。

ただ、それも一瞬でまた厳しい顔に戻った。

少し思い詰めた顔をしている。

(まあ、同じ立場だったらそうなるか。)


「どう償いをしてよいことか。『アルト』様を危険な状況に追い込んだばかりか、その大事なお体に。。。」


(あー、『思い詰めるタイプ』 か。切腹とか言い出しかねないな。この世界にはなさそうだが。

何か心を軽くする方法は。。。そうか!)


「先に言いました様に、『ライラ』を探しに行った事や

『コボルト』と戦った事はあくまで、俺自身の意志です。

結果も後悔してません。

受けた傷に対する対処が多少未熟であったかもしれませんが、

『ヨーゼフ』さんによりすでに完治してます。」


「確かにそうだが。」


「気が済まないと?」


「....」


「なら、『治療魔法』を教えてください。」


「それは。。。」


(『門外不出』とか、『治療神との契約が無いと無理』とか、

何か教える事の出来ない『制約』があるのかな?

考えて見ればこの村には『ヨーゼフさん』と弟子以外に

白魔法使える人いないしな)


「無理なら無理と言ってください。『ヨーゼフさん』のお立場もあるでしょうし。」


「娘の恩人であり、領主の尊い血脈であらせられる、『アルト』様のお頼みならば、是非お教え差し上げたいのですが。。。」

なんとも歯切れが悪い。


「何らかの制約があると?」


「はい。『適性』がある為、『アルト』様が望んでも覚えられない可能性があります。」


(どうやら禁忌や、門外不出に関わることではなさそうだな。)


「どういった『制約』ですか?」


「『アルト』様は『精霊魔法』の担い手の血脈です。

この血脈であるからには白魔導師に必要な素質INT(インテリジェンス)は持たれいるとは思います。

魔力も充分以上保有されているでしょう。

ただ、INTの素養が高い血脈と言うのは、もうひとつの重要な素養WIS(ウイズダム)が必要な水準まで達していない可能性があるのです。素養が無ければ一生かかっても『ヒール』すら覚えられない可能性があります。なのでお勧めできないのですが。」


「それでも構わない。教えてくれ。」


こうして俺は白魔導師の弟子になった。

ステータスを見て、素質(INT知識、WIS知恵)が基準を越えているのは分かっていたしね。




※※※※※※

母上の許可をもらい、屋敷の中で週3回夜に白魔法の講習をしてもらう事になった。

ヨーゼフさんからは「迷惑をかけたので無償で」と申し出を受けたが、キチンとお金を受け取って貰うことにする。


(好意と言う形にすると教える側も教え

られる側にも甘えがでるしね。

月金貨1枚は果たして妥当かは分からないが。)


本音では『ライラ』にも会えるのもあり、修行は『ヨーゼフさん』の家でと思っていたんだけど。

前回の冒険?がインパクトあり過ぎたせいか、俺自身に今一つ信頼が無く、屋敷での修行になった。


仕方ない。


さて、その初回


「魔法はイメージ、呪文の詠唱、魔力込め、魔法名を唱えることで発動します。

イメージと魔力操作これのこつを掴むまで数年はかかると思ってください。

これは地道にコツコツ練習をすることでしか上達はできません。」


「『イメージ』は具体的にどのように持てば良いのですか?」


「例えば『ヒール』であれば、傷が塞がり、元の状態に戻っていくイメージを持ってください。」


「魔力操作は?」


「ヒール系の魔力はホワイトなので白色の魔力が自分の手から出て、傷口に流れ込むさまを思い浮かべたると良いでしょう。」


(血管とか、神経とか、骨の位置が分かればもっとイメージを絞れそうだな。元の世界の医学辞典とかあればなあ)


その思いが引き金になったのか、急に目の前に人体組織に関する情報が溢れる。

「『アカシックレコード』接続しました。」

そんな声が聞こえた。


なら?


『使用MPを10使うイメージを持ち』、白色光が右手からでるイメージを思い描く。その光が自分の左手に注ぎ、手の組織が回復していく様をイメージ、最後に『ヒール』と唱えた。


左手は別に怪我をしていた訳でもない為、効果は分からない。けど、目の前のヨーゼフさんが固まっていた。



出来ちゃたみたいだ。



念のため『ヒール』をかけた後の左手を、ヨーゼフさんとチェックしたが、何も異常は無かった。


()いて言えば、ほくろが無くなっていたくらいか。


呪文を口に出さないのに(そもそも知らない)魔法が発動した事は驚いたが、

『ヨーゼフさん』(いわ)く、上級の白魔導師になると呪文は必要無くなるらしい。(『無詠唱』と言うスキルだとか。)


発動の『イメージ』がしっかりしている必要があるので、

本来は中級レベルの魔導師でも出来るものではないらしい。


「『アルト様』のセンスは素晴らしいです。ある意味天才と言って良いかと。」


(何か物凄く照れる)


照れ隠しで、何度も繰り返し左手に『ヒール』をかけていると、また『ヨーゼフさん』が固まった。


(ん?また何かやってしまった?)


その後、我にかえった『ヨーゼフさん』に事情を聞くと

『修行を始めたばかりの魔導師』が、例え『ヒール』とは言え、そう何度も連続で発動出来るものではないと言う。

すぐ魔力切れを起こし気絶するのがオチだとも。


「もともと一般の方に比べ自分の魔力量は多い方だと思います。

(加護もあるしね。)

それに1回当りの込める魔力を少量(10MP)に絞っていますから。


ひとつ質問ですが、1回当りの量10MPだと、実際に施術する時足りるんでしょうか?

標準の量が分からないので、取り敢えず10MPを割り当てているのですが。」


『ヨーゼフさん』は暫く思案顔をした後聞いてきた。

「『アルト様』は、もしかして魔法に込める魔力量を『意識して』調整できるのですか?」


「込める魔力量(数値)をイメージして魔法は使ってます。」


「『数値』をイメージしてるんですか?

『感覚』で量を調整してるのではなく?」


「『ステータス』で自分のMP総量は分かっているので、それを超えない『数値』をイメージして適当に込めてます。」


「ああ、『ステータス』を都で鑑定されていたんですね。

しかし、込める魔力量を『数値』でイメージしコントロールするなんて初めて聞きました。

流石『古い血脈』の一族ですね。きっと色々な秘伝があるんでしょうな。」


(何か勝手に推論して納得しているな。。。

まあ、否定すると説明が難しいし、このまま話の流れに乗るか。)


「使用する量が10MPと言う数値が最適かどうかは(ヨーゼフ)には分かりません。私自身魔力量のコントロールをその方法で行っていませんので。


ただ、各魔法ごとに発動する為の『最低量』は決まっている為、足りているのだと思います。」


「もし、魔力量を必要以上に込めたらどうなります?」


「さあ?実際に試されたらどうですか。」


初日の『レッスン』はこんな感じで終わった。




※※※※※※

ヒールを習得したので、その夜ステータスを覗いてみた。どんな風に変わっているか楽しみだ。

※※※※※※※※※※

【ステータス】

種族 人間

名前 アルト オーガニクス ラファス JR

真名 ブラックオウル

年齢 10歳


JOB 白魔導師 LV1

JOB補正 STR↓CON↓WIS↑INT↑

STR-CON補正 HP↓ WIS-INT補正 MP↑


経験値 120

HP 16/16 16◼ (20*0.8)

MP 120/225 225◼(50(+100))*1.2

STR(力) 21 ◼30*0.7

CON(体格) 22 ◼28*0.8

DEX(素早さ) 42

WIS(知力) 171◼ (32(+100))*1.3

INT(知識) 192◼(60(+100))*1.2

LUK(運) 554◼ 54(+500)


◼天啓

前世記憶

アカシックレコードアクセスLV3

幸運の祝福(運アップ)


◼ギフト

知識の泉(INTアップ)

知恵の泉(WISアップ)

空を統べるものLV1

暗闇の友(暗視LV3相当)


◼加護(MP総量アップ)

聖霊の加護(音 仮)

魔力コントロール LV20


◼ユニークスキル

なし


◼取得魔法

ヒール


※※※※※※※※※※


あれっ、JOBが白魔導師になっている。

何をしたらJOBは変更されるんだろうか。

そのJOBになりたいといった俺の意志かな?


あと、白魔導師になった時点で補正が入っている。ある意味HPが凄いことに。。。

(これじゃコボルトに数発殴られたら確実に死ぬね。。)





※※※※※※


翌日朝起きてみたら昼近かった。

基本貴族の子供は何時に起きてもとやかく言われる事はない。


これが村人の場合、子供でも立派な家事労働の担い手として見られる事を考えれば恵まれていると言える。

(余談だが、あの4人組さえ朝の手伝いー水汲み、薪割り、釜たき 等を手伝ったのち解放されている。)


(昨日『ヒール』が使えるようになってはしゃぎすぎたかな。)

寝床の中で頭を整理する。

ヨーゼフさんの説明で、この世界の魔法の発動の仕組みがなんとなく分かった気がした。


対象を定め(ターゲットオン)

その魔法を行使した結果を想像(イメージ)

その魔法が発動する最低量以上の魔力を込め(インジェクション)

行使する魔法名を唱える


こんな感じだ。魔法名が発動のトリガーだな。



ヒールをかける場合だと


『怪我した部位を見つめ』

『自分の体から白光がその部位に流れ込む事を想像し、

その光によって傷ついた組織(筋肉、血管、骨、皮膚)が回復していく様子をイメージする。』

『魔力量を定め』

『ヒールと唱える』

こんな感じだな。


魔法を行使すると決めてから、発動までこうしてみると工程が多い。白魔法だから魔力の色は『白』なのは当たり前のような気がする。魔力量も例えば『ヒール』なら『MP10』と決めておけば、

いちいち設定することも無いんじゃ?


でも、まてよ?

例えば『MP50』込めて『ヒール』打ったら『ハイヒール』と同じになるとか?

まさかね。

っていうか、


『ハイヒール』と言う魔法名俺知ってるよね?

多分起動に必要な魔力量も足りている気がするし。


ニヤリ。


『ハイヒール』MPを『150』ほど込め唱えた。


「-----」


あれ?『160』では?


「-----」


できなかった。

魔力が体から抜けていく感覚もない。


『ヒール』の発動コツを忘れてしまったか?

左手を見ながら、『ヒール』

思いきり『MP160』を込め唱えた。


「-----」

同じように発動しない。


えっ?慌て『ステータス』をみると、残量は『150』だった。

(流石に残量を越えてたら発動はしないな。

じゃMP『150』)


『ヒール』


光が溢れ『ヒール』は発動し、俺は気絶した。

『MPを枯渇寸前まで使用すると、自己保存の為気絶する』

後日ヨーゼフさんに聞くと、『サーキットブレーカー』と言って魔導師にとって『常識(あたりまえ)』の話だった。。。





※※※※※※

次に『気が付いた』のは14時過ぎだった。

気絶した場所が寝床だったせいか、家の者は誰も気絶していたことに気が付いていない。

(それだけが救いだな。また、気絶していたのがお母様に知れたら、『監禁生活』が長引くことは間違いない。しかし、何故気絶したのだろう?MPを目一杯使ったから?0になると気絶するとかか。)

取り敢えずまた『ステータス』を見てみる。


※※※※※※※※※※

【ステータス】

種族 人間

名前 アルト オーガニクス ラファス JR

真名 ブラックオウル

年齢 10歳


JOB 白魔導師

JOB補正 STR↓CON↓WIS↑ INT↑

STR-CON補正 HP↓ WIS-INT補正↑

レベルアップ補正

WIS10% INT8% STR5% CON5%

MP10% HP5%

LV 2

経験値 280/320

HP 16/16 16◼ 20*LV1.05*0.8

MP 259/259 259◼(50(+100))*LV1.1*1.05*1.2

STR(力) 22◼30*LV1.05*0.7

CON(体格) 23◼28*LV1.05*0.8

DEX(素早さ) 42

WIS(知力) 188◼ (32(+100))*LV1.1*1.3

INT(知識) 207◼(60(+100))*LV1.08*1.2

LUK(運) 554◼ 54(+500)


◼天啓

前世記憶

アカシックレコードアクセスLV3

幸運の祝福(運アップ)


◼ギフト

知識の泉(INTアップ)

知恵の泉(WISアップ)

空を統べるものLV1

暗闇の友(暗視LV3相当)


◼加護(MP総量アップ)

聖霊の加護(音 仮)

魔力コントロール LV20


◼ユニークスキル

なし


◼取得魔法

ヒール


※※※※※※※※※※


白魔導師としてのレベルが、LV2に上がっていた。地味に嬉しい。

レベルが上がるとやはり基礎直も上がるんだな。あと40経験直で次のレベルか。

今日中には上がっておきたいなあ。


あと『気絶補正』なる項目が増えていた。

MPがアップしていると言うことは、気絶する度にMPの基礎値が上がる補正みたいだ。


運動時に『筋肉』を限界近く酷使すると、断裂した筋繊維がより強く修復され、筋肉がつくって言うから、それに似たプロセスかな。

何れにせよ、MPの基礎値が上がるのはありがたい。


(今回何故『ハイヒール』が使え無かったかは、後でヨーゼフさんに聞いてみることにしよう。)


取り敢えず次のレベルになっておくか。左手に40MP分ヒールをした。


予想通り白魔導師LVは3に上がりステータスも上がっていた。

次は。。。レベル上げに必要な経験値をみると640になっていた。

レベルアップに必要な経験値は『倍々に上がっていく』っぽいな。

やはり訓練は日々欠かさず必要ってことだね。





※※※※※※

『JOBに合った魔法(白魔法)で魔力を消費した分、経験値が上がる』

『経験値がある量に達するとJOBレベルが上がる』


単純なことだと気付き、それから数日は、寝ている時以外、暇があればひたすら自分にヒールをかけまくっていた。寝る直前に前MPを使って気絶することも日課にした。


屋敷の敷地を出ることは出来なく、他の人にかける事ができなかったので、

あくまで、ヒール???であったのは残念だったけど。


なんやかやで、レベル上げは順調に進み


俺って天才?と秘かに思っていたら。。。


なんとすぐに限界が来た。


『10240』これがレベル8になる際に必要な経験値だった。

次のレベル9に上がるには『20480』そしてレベル10に上がる為には。。。『40960』もの経験値が必要になる。


大体、今俺が1時間に回復するMPが起きている間で60MP前後。寝ている場合は80MP~。


はい~?

現実は甘くないです



※※※※


もっとも、家庭教師?として次にやって来た師匠(ヨーゼフさん)にLV8になったことを話し、それ以降なかなか上がらないと言ったところ諭された。


「アルト様、私のJOBレベルをご存知ですか?」


「分からないけど、50ぐらいですか?」


首を振られた。


「では40」


首を振られた。


「えっ?30。。。」


「レベル18です。」


「アルト様は今おいくつですか?」


「10才です。」


「何を焦られているのですか?、アルト様は充分上達されています。むしろ出来すぎなくらいです。

それに、アルト様、将来は本職の白魔導師になられる訳でもないかと。

あまり根を詰められ、白魔法にのみのめり込まれ過ぎるのも、バランスが良くないですよ。」


ーー後に聞いたが、この世界でベテランと言われる人のJOBの平均は15前後らしい。ヨーゼフさんはそのレベルを3以上、上回っていることになる。田舎?でそのレベルに達するのは人一倍の努力をされていたと言うことだ。


話をもとに戻す。この時点の俺は何も知らない常識知らずに過ぎない。


「でも、今の私は、『ヒール』のすぐ上の『ハイヒール』ですら出来ないんですよ。」


はあ。と『ヨーゼフさん』はため息をつく。


「『ハイヒール』が使えるようになるレベルはLV10です。『アルト様』がいくらMPが高く能力に溢れていようとも、現在は無理です。高位の白魔導師が作成した、魔導書(スクロール)があれば、別ですが。」


(魔法は魔法名と効果をイメージ出来るだけじゃ発動することは出来ないんだな。

理由は分からないけど、使用できる為に必要なJOBレベルがあるのか。それとスクロール?いつか手に入れよう。)


「今のレベルでは『ハイヒール』が使えないのは、当たり前だったんですね。ホッとしました。現在のレベルで使える魔法をご教授願います。」


その一言を聞いて、『ヨーゼフさん』は、はーっとため息を吐いた。何故?




※※※※※※

「まだ『アルト』様に教えるには、早いと思っていましたが、白魔導師について概略をお話します。と、その前に失礼ですが『アルト』様は、文字を読む事は出来ますか?」


(この世界はまだ貴族以外文字を読める人は少ないんだった。)


頷くと、話を先に進めた。


「白魔導師とは簡単に言うと『光の精霊の力』を詠唱やイメージによりこの世界に引っ張ってくる力をもった者の総称です。『アルト』様たち貴族のように『精霊そのもの』をアストラル界から呼び出せるものではなく、MPを代償として力を借りる形になります。」


「総称と言うと、色々な光精霊がいると?」


「そうです。『アルト』様は薄々ご存知かと思いますが、私は回復系の光精霊『イリス』の力を借りて治療を行っています。」


(そういえば、『ライラ』が俺に『ヒール』をかけた時『イリス』と言う名前を呟いていたな。)


「他の光精霊の力は借りられないのですか?」


「精霊の名前と魔法名、結果のイメージがあれば、白魔導師なら可能です。若しくは高位の魔導師が付与(エンチャント)した習得用の『スクロール』を使えば可能になります。」


「ヨーゼフさんは可能なの?」


「残念ながら私の師は『回復系の白魔導』しか知りませんでした。なので私は無理です。」

残念そうだった。


「話を続けます。白魔導師はそのJOBレベルによって覚えられる呪文に制限があります。現にアルト様はC3カテゴリー呪文を、『魔力を充分に持っていて』、『イメージ出来』、『魔法名を知っていた』にも拘わらず発動出来なかったと思います。」


俺は頷いた。

「JOBレベルによって覚えられる魔法について、お教えします。」


そう言うとヨーゼフさんは、紙にすらすら何やら暗号のよーなものん書き込んでいった。


※※※※

白魔導師 JOB

LV 経験値 習得可魔法

1 0 C1×1

2 160 C1×2

3 320 C1×3

4 640 C1×4

5 1280 C2×1 C1×4

6 2560 C2×1 C1×5

7 5120 C2×2 C1×5

8 10240 C2×3 C1×5

9 20480 C2×4 C1×5

10 40960 C3×1 C2×4 C1×5


C1共通系

スクロール(1回消費系スクロール作成)


C1回復系

ヒール 人体部分修復

キュア 病気回復

ストナ 石化部分回復

ポイゾナ 毒回復

コンナ 混乱回復

ブラナ 暗闇回復


C3

ハイヒール 人体全体修復

ハイストナ 石化全体回復

ディスペル 呪文解除

※※※※


書き終えると、説明が始まった。


「『アルト』様はLV8になられたとおっしゃってました。この表で言うと何処に当たりますか?」


「 8 10240 C2×3 C1×5の場所かと思います。」


「そうです。この場合カテゴリー2の魔法を3つと。。。」


「カテゴリー1の魔法を5つですよね。」


「『アルト』様流石です」


「覚えられる魔法は?」


「ヒールからブラナまでの内5つですか?でも、6つ魔法名が書かれていますね。なら名前を覚えたら使えてしまうのでは?」


「面白いもので、名前も呪文も分かっていて、イメージも出来たとしても、規定個数しか自身の魂には組み込まれません。なので、どの魔法を選ぶか慎重に考えて下さい。」


「あっ、ヨーゼフさん、カテゴリー2の呪文は何故ないんですか?」


「無いです。正確には『回復系光魔法では無い』になります。

ただ、もし、他の系統の光魔法を習得したいのなら、

C2レベル程度の呪文であれば他系の白魔導師が作った『習得用スクロール』が比較的簡単に手に入りますよ。

それなりの値段はするので私には無理ですが。古代ダンジョン内では比較的浅い層で発見される事もありますし。」


取り敢えず取得するC1魔法は良く考えて選ぶことにした




結局悩んだ末に俺はC1スキルにスクロール、キュア、ポイゾナを選び、新たに習得した。

が、特に使う機会も特に無く、『ヒール』を使った経験値上げを繰り返す日々が続いた。


(『スクロール作成スキル』は、非常に興味もあったが、スクロールを書き込むのに必要な『リザードマンの皮』の入手のメドが立たなく、練習すら出来なかった。)


こうして、代わり映えのない日常を過ごすうち、季節は移ろい秋へと、俺は11に、そして白魔導師のレベルは念願の10へとなっていた。

(ちなみに『ハイヒール』はレベル10になるとすぐに習得した。)


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