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GO TO HELL BUT・・・

作者: 碧宙

この話はフィクションです。

死後の世界や死神など、私の空想がほとんどなので、予めご了承下さい。

この世に存在する人間は、真っ二つに分けられる。

“善い人間”と“悪い人間”。

そしてそれらは、死んだ後にも引用される。

死んだ後の居場所―――

“天国”か“地獄”か・・・



“無”か。




「もしもし、竜牙?あたし、未来だけど」

私の名前は五十嵐未来(いがらしみく)

中2。

「今日学校行きたくないんだけど〜」

ぶっちゃけ不良です♪

「竜牙、どうする?行く?」


夏の日差しをそのまま吸収して、二倍にして照り返すアスファルトを

鬱陶しく思いながらも可愛い声で電話を続けた。


「そっか〜・・・じゃあまた連絡してね♪」


相手が電話を切ったのを確認して、私も電話を切った。


「竜牙遅刻かよ」


コンっ


道端の石ころを蹴る。

竜牙のいない学校なんて意味が無い。


私は竜牙に惚れてしまった。

「好きだよ。竜牙・・・」

何も無い空に向かって呟いた。


遡ること1年とちょっと前。

入学式


小学校の校区から言って、私は仲のいい友達と同じ中学だった。

変わり映えのしないメンバー。

それでもこれから始まる新しい生活に、心を躍らせていた。


入学式、一つの空席。


「学校長、式辞」

司会の先生がそういい、校長が立ち上がった瞬間だった。


ばんっ!!


静まり返った体育館内に、激しい音が鳴り響いた。


「・・・!」

「何だね君たちは!?」

体格のいい教師が、突然開いた重いドアに走って行った。


「新入生代表!小嶋竜牙!!」

茶色い髪を奇麗にまとめた少年が声を張り上げた。

「何!?」

司会が必死で冊子を確認した。

「馬鹿だろ竜牙ー!」

仲間だと思われるピアスの男の子が大笑いしながら言った。


「・・・わっ」

身を乗り出して彼らを見ていた私は、竜牙と名乗る少年と目を合わせてしまった。

「・・・怖」

そう言いかけた瞬間だった。


「・・・っ」

一目惚れ・・・だった。

小嶋竜牙は私に優しく微笑んだのだった。


それからは簡単だった。

竜牙にたくさん話し掛けた。

それだけじゃダメだと、髪を染めてピアスを開けた。

学校サボって煙草吸って、バイク乗り回した。

竜牙と同じ時間を過ごした。


今では多分、竜牙の女友達で一番側にいるはず。


「きっと、竜牙も私のこと好きだよね」


ケータイの待ち受けに話かける。

竜牙との2ショット。この待ち受けを変える気は全くない。


そうこうしているうちに、学校に着いた。


「うぃ〜す未来」

私が靴を履き替えていると、背中に声を掛けられた。


「蓮、隼人」

振り向くと、そこには前川蓮と福田隼人がいた。

2人とも不良仲間で、入学式に遅刻してきたうちの2人だ。


「竜牙は?」

「遅刻して来るって」

「ふ〜ん」


そんな他愛の無い話をしながら教室へ向かった。


キーんコーンカーンコーン


がらっ


遅刻しちゃった。


そう思いながらも、急がずに席へ着く。

「朝の会するぞ〜。日直、前に出て」

前髪を横に流した女子が、教団につく。


「起立」

ガタガタ


ダラダラと席を立つ。

「礼」

頭を下げた時だった。


チャララら〜


ケータイが鳴った。

パカ


「竜牙!」

竜牙からのメールだった。


やっぱ今日だるいからガッコいかねぇ

じゃ


「まじかよ〜」


足を机に乗せた。


「五十嵐!」

「・・・っち」


・・・学校だるいな。帰ろっかな〜

あっ!!


「先生!胃と肺と頭と腹が痛いので早退します!」

私は鞄を持って教室を飛び出した。


「五十嵐!」

「未来!?」



「竜牙飯食ったのかな〜?」

私はスキップしながらコンビニに入った。


「らっしゃいませ〜」

定員のやる気ない声が、閑散とした店内に響いた。


適当に店内をうろつく。

「おっ」

私はお菓子の箱を手にとった。

「新商品だ〜」

私は新商品に目が無い。そッこーで買うことを決断した。


「うっわ。高っ!320円かよ・・・」

私はしばらく悩んで、辺りを見回した。


定員は・・・なし。防犯カメラも死角だし・・・


確認すると、私はさりげなく箱を制服の内ポケットにいれた。

そして、10円ガムを購入して店を出た。


「ありがと〜ございました〜」

またやる気のない声が背中に聞こえた。


ば〜か


「てか急がないと!」

私はケータイを眺めて、さっきみたいに辺りを見渡した。


「見っけ♪」

私は目に入った、(キー)の差しっぱなしの原付バイクに跨った。


ブイブイブブブ・・・

ブ〜ん!


別に罪悪感なんてない。万引きもバイク盗まれんのも、される方が悪いんだし。


私はそう思いながら、暗いトンネルに入った。

トンネルの中では、速度を更にあげた。


チャラらら〜


ポケットの中でケータイが鳴った。


「あっ竜牙かも♪」

ぱかっ

私がケータイの画面を確認した、その時だった。

「?」

視界が、突然・・・暗くなった。


えっ・・・


顔をあげると、そこにはトラックが・・・


「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


キキ−−−−−!!


・・・・。

・・・・。

・・・え?


そっと目を開けた。


目の前にはトラック。私はバイクに跨ってて、右手にはケータイ。

しかもメールは竜牙からじゃなく、親からだった。内容は“牛乳買って来い”だし。


「つか何これ?私死んでないの?」

「死んだよ」


えっ?


「事故死。しかも・・・14歳!?」

何々!?誰!?

辺りを見回す。

「こっちこっち!上で〜すよ〜」

上っ!?

思わず見上げる。


「!!」


ひっ人っが・・・ういっ浮いてる・・・!?


「始めまして♪死神です!」

死神!?

「死人のね〜魂を狩に来ました〜」

死人!?

「分からないの?今ね、トラックぶつかったでしょ?」

まるで幼稚園児に言うようにその少年は言った。

「は、はぁ」

「その時に死んだの」

「はぁ・・・」

死んだんだ〜さっきの事故で・・・

「これから君の居場所を発表しま〜す」

「はいっ」


居場所・・・死んでから生まれ変わるまでの間、魂が収められる所。


「君の居場所は・・・地獄です!!」


地獄・・・

地獄か・・・


「あとね、君はやらなきゃいけない事があって〜」


「えっ?」


地獄の上にやらなきゃいけない事!?


「君さぁ、生前に悪いことし過ぎちゃったんだよね」

「悪いこと?」

「盗みとか〜」

あっ・・・


私は衝突でぐちゃぐちゃになったバイクを見た。


「最低ですね」

最低・・・知ってるよ。

私は最低だし。でもしょうがないじゃん。そうでもしなきゃ、竜牙には振り向いてもらえないんだよ。


「・・・んで、何をすればいいのさ」

「へぇ。物分り良いんだね」

死神は不気味に笑った。

「五十嵐未来さん?」

「は?」

なんで私の名前・・・

「僕はタクト。君がちゃんと役目を果たすまで、僕が担当だから♪」

タクトは微笑んだ。目には残酷な光が宿っていた。


「その役目を教えてってば」

私は多少苛つきながら言った。


「まぁまぁ。そうピリピリしないで〜」


私は視線を外した。タクトを見ているとなぜか苛つく。


「君には、“善いこと”をしてもらうにょ〜」

「善いこと・・・?」


私は手汗でべチョべチョの両手を握り締めた。


「そう。例えば〜落し物を交番に届ける、とか?おばあさんの荷物もったげるとか!」

「何個くらい・・・?」

「それは僕が決めるのだ♪」


はっ・・・?


「それってあんたの気分次第って事・・・?」


タクトは「う〜ん」と考えるそぶりをした。


「まぁ簡単に言えばそうだね」


をい・・・


「さぁ急ごう!早くしないと・・・」

そこでタクトは口を噤んだ。

「何よ?」

私が聞くと、タクトは鼻を鳴らしてニコッと笑った。


「れっつごーー!!」


タクトは私の背中を押した。


「うわっ」



「つかさ〜、そんな簡単に善いことなんか転がってんの?」

私は道を歩きながら聞いた。

「何言ってんの?それを未来が見つけるんでしょ!!」

タクトは頬を膨らました。


んな事言われたって。つ〜か勝手に未来って呼ぶなよ。


「んっ」

私は道の端にエロ本を見つけて、拾った。


「な〜にそれ?」

タクトが覗き込んだ。


「これって落し物?」

「・・・」

「タクト?」

「・・・」

タクトが後ろを向いて震えている。


「どうしたの?」

「そんなの拾っちゃいけません!!」

タクトが顔を真っ赤にして叫んだ。


コイツ・・・照れてんの?


「捨てるから;ゴミ箱に!」


おちょくってやろうかと思ったけど。


私はゴミ箱に雑誌を投げ入れた。


「これで善いこと2個だね〜」

私は鼻を鳴らした。

「なんで2個なの?」

耳まで真っ赤なタクトが不思議そうに聞いてきた。


「タクトを助けたのと〜ゴミを捨てたの♪」


タクトはまた顔を赤くした。


「あっまたゴミ〜」


こうして私は次々と“善いこと”をこなしていった。



「疲れた・・・ゴミ拾いすぎた・・・」

1時間ぐらいゴミを拾い続けていると、もう私はくたくただった。

「レベルの低い善いことばっかやっても、地獄にはいけないよ〜」


行きたくね〜よ。


「じゃあ何すりゃいいのよ」

「それを早く見つけるんだよ」

「もう散々やってきたじゃん!かなり頑張ったよ!?」

あまりの疲れに、思わず声を荒げてしまった。


「・・・」

「何よ・・・?」

一瞬、タクトがものすごく冷たい目をした。

本当の・・・死神みたいな。


「教えてあげようか?」

「何を・・・?」


ふっとタクトが笑った。


「君のしてきた悪事を消化するくらい善いことをしないと・・・要は中和させないと、君は地獄に行けないんだよ。」

「地獄に行けないって・・・天国に、」

「行けないよ」

「じゃあどこに?」

「“無”の世界」

「・・・は?」


無・・・って何


「つまり〜魂だけがこの辺を浮遊する状態?」

「浮遊霊ってこと?」

「まぁそんなトコ」


・・・。


「だったら私それでいい!!」

私は思わず手を上げた。

「えっ?」

「それなら、こんな辛い思いせずに・・・この世に留まっていられるんでしょ!?だったら私、それで・・嫌、それ()良いよ!!」


その方が・・・大切な人とも離れずに済むじゃん。


「小嶋竜牙のため?」


ドキッ


「なんで竜牙のこと・・・?」


タクトは冷酷に微笑んだ。


「あのね、君みたいな子は他にもいるんだ。」

「?」

「もちろん、天国にいけるはずの子も君みたいな地獄行きが決定してる子も。実際にこっちを選んだ子も多い。」

「だったら良いじゃん。私もそうさせて。」

「でも問題が。」

「何?」

「こっちの仕打ちが酷いとか言って、あっちの世界への移転希望者が絶えないんだ。」

「仕打ち?」

「君、幽霊好きじゃなかったでしょ?生前」

「まぁ。」

「気味悪がってたでしょ?」


なんか・・・タクトが怖い。


私は黙って頷いた。

気づけば、私は奥歯を噛み締めていた。


「きっとお払いされたり酷いことされるよ。」

「それでも・・・!」

「未来は竜牙を愛しててもさぁ!」


タクトは私の言葉を遮った。


「竜牙にはお前が見えないんだよ?挙句の果てに、気味悪がられてお払いされて・・・」


私は唾を飲み込んだ。


「辛いね」


無情にもタクトは微笑んだ。


「どうする?」


目頭が熱い。

言葉が出ない。何か言ったら、きっと涙が零れ落ちる。


「タイムリミットが来てしまうよ?」

「やっぱ・・・」


頬に熱いものが伝う。


「分かんない・・・」

止まらない涙を、制服の袖で乱暴に拭う。


そっ・・・


冷たくて硬い手が、私の頭に乗った。


「行こう。善いことしに。」

タクトのあまりにも優しい声に、私はただ頷くことしか出来なかった。



「未来はさ、竜牙のどこが好きなの?」


私たちは善いことを着々とクリアしながら歩いていた。


「ん〜わかんない」

「えっ?」


ガコンッ

私は落ちていた空き缶をゴミ箱に投げ入れた。


「分かんないけど、好き」

「・・・へ〜」

タクトは少し寂しそうな顔をした。


「タクトはなんで死神なの?」

「・・・言えない」

「え?」

「ごめんね」


そういってタクトは微笑んだ(わらった)

どこか淋しげだった。



「あのう」

不意に後ろから声がした。

「はい?」

声の主はおばあさんだった。


「この住所へはどうやって行ったらええんかね?」

おばあさんは地図を見せた。

「・・・ばあちゃん家」

「へ?」

「これって、五十嵐芽衣子(いがらしめいこ)の家ですよね?」

「えぇ。そうじゃけど・・・あなた芽衣ちゃんの?」

「はい!孫の未来です!」

私は背筋を伸ばした。


「あらあら、初めまして。私は三谷春子(みたにはるこ)。芽衣ちゃんの同級生よ」

春子はニッコリ笑った。

「祖母の家まで案内します!」

「あんら〜ありがとう」



ピンポ〜ん


「ば〜ちゃん!未来だよ〜」

「芽衣ちゃん!春子だよ〜」


反応がない。


ガラら・・・

私は引き戸を開けた。


「ば〜ちゃん?入るよ?」

私と春子さんは家に入っていった。


「ばーちゃん?」


今を覗いたその時だった。


「ばーちゃん!!」

目の前で、祖母が倒れていた。


私はすぐに抱き上げた。


「どうしたの?ねぇ!?」

祖母の顔は蒼白だった。


「・・・春子さん!救急車!!」

「はっはい!」



ピーポーピーポー


しばらくして、救急車が到着した。


・・・ばぁちゃん!!





「転んだだけ?」

医者の言葉は随分あっさりしていた。

「はい。足を滑らせて。でも高齢ですからね、頭を打ったようなので入院してもらいましょう。」

「はぁ」


「未来」



「ばーちゃん!」

私は、ベッドで寝ている祖母に抱きついた。

「ごめんな〜。心配かけて」

祖母は笑った。

「本当だよ!」

「それにしても、大きくなったね〜」

祖母は私の頭を撫でた。


そういえば・・・中学入ってから全然会ってなかったもんな


「またおいで」


私は頷いて、病院を出た。



「お別れだね、未来」

頭上でタクトが言った。

「へ?」

私も空を見上げる。


「中和したんだよ。」

タクトが降りてきてため息を吐いた。


「本当?」

「人の命救ったのと、人を案内したっしょ?」

「それで?」

「後、おばーちゃんに安心をもたらした。」


タクトは優しく笑った。


「これで完璧に中和出来たのさ」


これで・・・終わり?


「私、死ぬの?」

「うん。何いまさら。」

「やだ・・・」

「は?」


私は両手を握り締めた。


「やっぱり私、死にたくない!」

「ちょっ何言ってんの?」

「私・・・気持ちよかった。善いことするの、すごく楽しかった。今まであんなに嬉しい気持ちになったことなんてなかった!!」


また、泣きそう。


「ねぇ、お願い。私この何倍も何百倍も善いことする!タクトなら出来るでしょ!?私を生き返らせて!」

私はタクトに縋り付いた。

「ごめんね」

「お願い!頑張るから!!」

「ごめん、未来。あのね・・・」

「タクトォ・・・」


ぱっ


タクトは私の手を握った。


「未来。それは出来ない。ごめんね。」

「・・・」

とても辛そうなタクトの顔を見たら、何も言えなくなった。

「・・・タイムリミットが来てしまう」

「!」

「生き返らすことは出来ないけど、ご褒美はあげる。タイムリミットが来る前に。」

「えっ?」

「竜牙に会いに行こう」


ぐいっ


タクトは私の手を握って、空を飛んだ。


「どこに行くかは、それから決めたら良い!!」


タクト・・・泣いてる?

声が震えている。


空を飛べば、竜牙の家まではすぐだった。


「タクト、ここだよ」


私はゆっくり着地した。


竜牙。会いに来たよ。


私は深呼吸をした。



がちゃっ


「!!」

竜牙の家のドアが開いて、私は思わず隠れてしまった。


「じゃあね、竜牙」


出てきたのは、高校生くらいの女性だった。


「麻理子。」

後に続いて、制服を乱した竜牙が出てきた。

「また来いよ。」

「うん」


今まで聞いたことのない、竜牙の優しい声。


「愛してる」

「やめてよ〜」

竜牙とその女性は唇を重ねた。


「・・・」

「・・・」


「竜牙。大好き」

「俺も」


2人は抱き合って、竜牙は女性の耳に何かを囁いた。


「じゃあね」

「やっぱ送ってく」

「なにそれっ」


2人は楽しげに立ち去った。


「・・・未来」

「彼女かなぁ」


もう涙もでない。


「竜牙、だまされてるみたいだな」

タクトが呟いた。

「は?」

如月麻理子(きさらぎまりこ)。高1。彼氏に貢ぐために、竜牙に貢がせてんだよ。そんで、竜牙は麻理子に貢ぐために、お前に貢がせたり犯罪とかしまくってるのさ」

「・・・」


嘘でしょ・・・!?


「未来。タイムリミットだ。」


・・・決めた。


「タクト、私・・・」

「ん?」

「“無”になる」

「!?竜牙はお前を騙してたんだぞ!?」

「・・・許せない。だからずっとついとくの。」

「まさか・・・!」


未来は冷酷に微笑んだ。


「如月麻理子と小嶋竜牙」

「呪うのか?」

「・・・タクト。つかの間の幸せをありがとう。」

「そんな事したら、二度と人間にはなれない、死神になっちまうんだぞ!?」

「・・・うん。」


タクトも誰かを呪ったんだね。だから死神になったんだね。


「構わない。」

「・・・分かった。じゃあ、狩るよ?」

「うん」


タクトはどこからか大鎌を取り出した。


「さようなら」

「・・・さよなら」


私は目を閉じた。


ざしゅ!!


キキ−−−−−−!!


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」


どんっ!!



五十嵐未来。亡命14歳。

居場所・・・



“無”。




「愛する者のために“無”を選ぶなんて・・・人間は滑稽だねぇ。」


少年は笑った。


「ここに残っても、呪いなんて出来ないんだよ?死神にもなれない。」


待っているのは・・・永遠の無さ。


「あーーっははははは!!はっはっはっはっはっは!!」


最悪な死神の笑い声が、夜空に響いて消えていった。














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― 新着の感想 ―
[一言] むっちゃ面白い! 最後タクト最悪やなぁ。。。 これからもクレイジー5とか頑張ってください! はなでした♪
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