つかの間の未来
食糧危機に苛まれる人類を救うために、博士は「未来から食料を分けてもらう」ためのタイムマシンを完成させ、愛する妻と息子を連れて旅立った。行きついた未来には、果実が生い茂る代わりに人類が見当たらなかった。人類は滅んでしまったのかもしれない。
家族が飢えない程度の食糧を手に入れるだけのつもりだったが、このままでは飢えて滅んでいく世界中の人々を救うために、タイムマシンとこの未来を活用することを思いつき、悩む博士。
「しかし、そんなことが僕にできるだろうか?そんな救世主のような真似が…」
「大丈夫!あなたには、世界中の人を救って欲しい!」
妻は博士を大いに応援した。
しかし、未来での食料調達のさなか、突如現れた熊のような生物に襲われた博士は、妻と離ればなれのまま過去へと舞い戻ってしまう。そして妻を助けるためにもう一度未来へ向かったとき、そこには妻も果実の森もなく、まったく別の未来が広がっていた。
「あなたは、まさか救世主?」
「人類を救ってくださった!」
「我らの父!」
博士のことを救世主と呼ぶ未来人たちの腰には、みな星型の果実がぶら下がるように生えていた。それは、妻を置いて現代に戻ってきた次の日、息子の腰から突然生えてきた果実と同じものだった。
妻を連れて消えた人類のいない未来と、
博士が食料を持ち帰ることで人類が救われ、誕生した新たな未来。
星型の果実、熊たちの正体、
そして博士の下した決断とは。
家族が飢えない程度の食糧を手に入れるだけのつもりだったが、このままでは飢えて滅んでいく世界中の人々を救うために、タイムマシンとこの未来を活用することを思いつき、悩む博士。
「しかし、そんなことが僕にできるだろうか?そんな救世主のような真似が…」
「大丈夫!あなたには、世界中の人を救って欲しい!」
妻は博士を大いに応援した。
しかし、未来での食料調達のさなか、突如現れた熊のような生物に襲われた博士は、妻と離ればなれのまま過去へと舞い戻ってしまう。そして妻を助けるためにもう一度未来へ向かったとき、そこには妻も果実の森もなく、まったく別の未来が広がっていた。
「あなたは、まさか救世主?」
「人類を救ってくださった!」
「我らの父!」
博士のことを救世主と呼ぶ未来人たちの腰には、みな星型の果実がぶら下がるように生えていた。それは、妻を置いて現代に戻ってきた次の日、息子の腰から突然生えてきた果実と同じものだった。
妻を連れて消えた人類のいない未来と、
博士が食料を持ち帰ることで人類が救われ、誕生した新たな未来。
星型の果実、熊たちの正体、
そして博士の下した決断とは。