閉話
今日は休み。農業も今はやることがない。
私が今の会社に入社できたのも普段から真面目にコツコツと努力してたお蔭。
きっと、神様、仏様のご褒美だと思う。
何も出来ないお母さんと遊び歩いている弟にはきっとバチが当たると思うよ。お姉ちゃんは。
お父さんも私に頼ってばかりで自分の仕事も忙しいだろうけど、私も今や社会人!
忙しさは同じだ!お父さんは「責任感の持ち場が違う」とよく言うけど私だって責任ある仕事を任されているんだからね!だから麗子先輩には迷惑をかけるわけにはいかないのよ。
だけど、農家の仕事が無いって・・・こんなに暇だったのか。
弟の一樹が私にとんでもない事を言い出した。
「姉ちゃんがこの家を継げば。俺は出て行く。」
なんですと!何を言っているの分かっているのか我が弟よ!
君が家督だ!この松田家の跡取りだろ~~が!何を寝ぼけた事を言っている。
お母さん!あなたは何故?そう暢気にいられるのか。私は知りたい!
そして、父よこの母の何所が良かったのか知りたい!
お母さま!あなたこそが天然なのではなかろうか。
麗子先輩に「あなたは天然よ。」という言葉が私の頭の中でグルグル回る。
もしや、私はこの母の天然のDNAを貰って生まれてきたのか?
私はもしかしてとんでもない夫婦の子供に生まれて来たのかなぁ?
子は親を選べない。とは言うけれど、もうちょっと普通の家庭に生まれたかった。
農家の家に生まれた事は仕方が無い!だけど・・・・私の手を見たら悲しい。
私はまだ20代なのに・・・・手だけはオバサン。
こんな手をした娘を誰が嫁に貰ってくれるのか・・・・心配。
・・・・手だけじゃない!腕にも少なからず筋肉が~~~~~
私はこのまま行けば、どんな女になるんだろう?
ああ~~あ!・・・悩める乙女だ!