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私は中間管理職!  作者: 苺パフェー
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麗子先輩と私

今日は金曜日。そして、憧れの麗子先輩からお誘いが掛かりました!

私は即座にOK!何処か美味しいものを食べに連れて行って頂けるそうなのです。

そして今日の私はフリー!!何も予定はない!こんなに嬉しい事なない。


「ねえ、皐月ちゃん。何が食べたい?」


「私は何所でも良いですよ。別に好き嫌いもありませんから。」


「そう。じゃあ、私がいつも行くお店で良い?」


「ハイ!」


麗子先輩に行きつけの店に行くことになりました。

きっと、オシャレなフレンチでも食べるのかな?と思い私は内心ドキドキ。

だって、フレンチだよ!フォークにナイフで・・・・・短大の謝恩会ぶり。


「皐月ちゃん。ここよ。この店の『おばんさい』が美味しいの~~」


はぁ~~。そうですか。期待した私が馬鹿でした。

私はその店の暖簾のれんを潜ったら・・・まぁ~~~!何と!オシャレな和食のお店ではないですか!さすが~~!麗子先輩!

私は麗子先輩が好きなものを頼みなさい。と言われたけど、先輩を差し置いてあれも、これもと言うわけにはいかない。

私は麗子先輩がどんな物を好むのかも興味があって先に頼んでもらいました。

麗子先輩の好きな物は「カレイの煮付け」「小芋の煮っ転がし」「筑前煮」「コンニャクの炒めもの」

何だか何時も私が家で食べている物ばかり。和食通だったんですね。

私が頼んだ物は・・・これまた洋食ばかり。

そらそうですよ。家の畑で取れた野菜ばかりが食卓に上がるのですから。

外食した時くらい「洋食」が食べたい!

これは、きっと農家の方達が少なからず持ってる気持ちだと思う。

そして、麗子先輩は日本酒もお好きなようで、お銚子を軽く3本を飲まれています。

私にも勧めて下さったのですが、私はこれから2時間掛けて帰らなくてはいけない体。絶対ムリ。

麗子先輩は気を良くしたのか、私が相手だったのか分からないけど麗子先輩がポツポツ私に話しかけてきました。

「あのさ~~!皐月ちゃん。あなたは今の会社はどう思っているの?それに、あなたは何時も一生懸命に仕事してるけどさ~~~」


「先輩!酔ってますよ。大丈夫ですか?」


「平気よ。このくらい。それでさ~~、あの葉山に何か言われたんだって!」


「・・・・葉山?・・葉山さんて?・・すみません。知らないのですが。」


「ハイ?・・・・葉山を知らない?前に皐月ちゃんの所へ来たでしょう。あのお・ん・な」


「・・・・ああっ!来られました。でも、何もなかったですけど。それが何か?」


「プッ!・・ハハハハ・・・・・皐月ちゃん。あなた、葉山に狙われているわよ。」


「はい?何故ですか?私は何も・・・・」


「知らないの!!じゃあ、片山は?」


「片山さん?知りません。」


「・・・・片山を知らないなんて。あなたはモグリよ。ハハハハ・・・こりゃ、可笑しいわ!」


私は全く覚えてないのですよね。残業をした日に送って頂いた方が片山さんだったなんて。


「知らなかったら良いのよ。皐月ちゃんって天然なの?」


「天然ですか?はぁ~~・・・分かりませんが。」


「そうよ!あなたは天然・・・・・よ。きっと。だからウチの部署でも上手くやっていけるのね。」


「そんなもんですか?でも、私、麗子先輩に憧れているんです。だから少しでも麗子先輩に近づけたら良いな~~なんて思っています。・・・変ですか?」


「・・・・・ハハハハ・・・・皐月ちゃんってカワイッイ。だから大好きよ。」


「麗子先輩・・・・」


麗子先輩が、麗子先輩が・・・この私を好きだと言ってくれた~~~!嬉しい。

私だって麗子先輩の事は好きです。仕事は出来るし、頭は良いし。美人だし。それに何といっても手と指が綺麗です。私の目標は「目指せ!先輩の手と指」なんですから。



皐月ちゃんって可愛いのよね。

私の事を「麗子先輩」って言ってくれるもの。

今までの社の中では「荻ちゃん」「荻田先輩」だったもんね。

初めてなのよ麗子先輩って言ってくれる子が。

嬉しいわよね。それに、こんなに私を慕ってくれて。

それにしても、葉山と片山を知らないなんて・・・今時の若い子にしたら珍しいんじゃない。

葉山は私より3つ後輩なんだけどね。女の色気か何か知らないけれどカッコイイ男を見ると人が変わってくるし女子の間では嫌われているのよね。それに、自分が気に入らない子は排除するし。

葉山は片山に惚れているから。

まぁ、片山は葉山の事を見抜いているから良いんだけど。

問題は片山なのよね~~。片山と私は同期。私達は言わば「同士」の関係。

片山が皐月ちゃんの事を打ち明けられても肝心の皐月ちゃんが「知りません」だもの。

どうする?片山!これは難しいわよね。



私と麗子先輩はこの後、オシャレなバーで飲み直し?先輩だけ。

そこに、あの方。私が駅まで送って頂いた方が来られました。


「やあ!荻田。・・・アッ!松田皐月も一緒か。」


「なんだ、片山じゃない。どうしたの?」


「あの~~。この前は有り難う御座いました。」


「エッ!片山、皐月ちゃんを送って行ってあげたの?何時?」


「麗子先輩。私が早退した時、翌日に残業をした日です。私、あの日は夜9時まで仕事をしていたものですから、この片山さんに駅まで送って頂いたんです。」


「へぇ~~~~~そうなの~~~!それで?」


「エッ!・・・それだけですが。」


「プッ!ハハハハハハ・・・・・・・・」


「麗子先輩!何が可笑しいのですか?」


「片山!君は大変よね。ハハハハ・・・・・・」


「・・・・・言うな!荻田!」


「・・・・2人とも何ですか?」


「何もないわよね~~片山・・・・!」


麗子先輩はこの片山さんとお知り合いだったようです。

エッ!まさか!恋人同士?・・・でも、お似合いです。

この2人は良いムードです。私はお邪魔なようなので帰ります。


「麗子先輩。私、もう失礼します。後はお2人でごゆっくり(ニッコリ)」


「アッ!松田皐月!!待て!」


この片山は馬鹿じゃない!最後の言葉も皐月ちゃんに声届かず!

自分の名前も教えてない。

どうして皐月ちゃんが知るのよ。知らない理由が分かったわ。



私は麗子先輩と片山さんを残して駅へと走っています。

本当に先輩達はいいムードだった。

そんな時に私がいると邪魔だわ。

麗子先輩!頑張って下さい!

私、陰ながら応援してます!!

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