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私は中間管理職!  作者: 苺パフェー
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私は猫を飼ってます。

私は今日も、元気に通勤に勤しんでいます。

そしてかたわら農家にも勤しんでいます。

自分でも、私の仕事はどっち?状態なのであります。

暢気な母と言い出したら聞かない父を持つ私。体が幾つあっても足らない・・・・

おまけに弟は彼女と毎週デート。その分、お姉ちゃんの私が農業を手伝う。

普通は逆でしょう!弟なら「姉ちゃん。俺が農業を手伝うよ!」と言いなさい!

本当に、どいつもこいつも役に立たん!!

しっかり者の長女の私が何もかもしなくてはならなくなったのだ!!

おまけに母は何時までも「父の恋人」気取り。いい加減にしてほしい。

会社では猫を被っている私。だけど、日に日に猫が大きくなってくるわ。

本当に「猫を飼ってる」状態!

自分でもよくバレないと思う。だけど、ウチの部署の先輩方は異様に感が鋭い。

こんな時・・・・恐ろしくて考えないでおこう。

どうか、今日もバレませんように!と願いながら出勤する私ってどうなのか?

馬鹿なのか?賢いのか?

そして、何と言っても麗子先輩に近づくためのも頑張らねば!


「松田皐月さんは?」


「はい。私ですが。」


「そう。あなたなのね。松田皐月・・・・・さんって仰るのね。」


「はい。あの~何か?」


「いいえ。あなたの顔を見に来ただけだから。」


「そうですか。あの~~、私。今、手が放せないものですからこれで失礼します。」


あの方はいったい誰なんでしょうかね?

この会社は・・な方が多いように思いますよ。

私と麗子先輩だけがあくせく働いているってどうなんだろうか?

この会社は潰れはしないか?が心配になってきた。


「オイ!松田。こっちへ来い。」


「はい。何でしょうか?」


「今のヤツは知っているのか?」


「いいえ!とんでもないですよ。知りません!そうでなくっても、私は自分の仕事で手が一杯なのですから他の部署の方のことなど存じ上げませんよ!」


「・・・・そうか。戻ってよし。」


何で、課長に呼ばれたの?それにあの方、見たこと・・・・ない。

それどころか家に帰ったら野菜の農薬の調合をしないといけない。

父はめんどくさい事を全て私に指す。

会社での自分の仕事だけでも大変なのに家に帰っても仕事が待っているなんて若い私のする事ではないわよ。私だって合コンがしたい。合コンがしたいのよ~~~!




さっき、隣の部署の葉山は松田を見に来た。

何故?松田を見に来たんだ?

彼女の部署には・・・・・・・・そうだアイツがいる。

アイツが最近、ちょくちょくウチの部署に来ているからなのか?

ハハ~~ン!!葉山は気になるんだな。

それにしてもだ!松田は良く仕事をやってくれる。

葉山に言われても平気で言い返す。あの葉山を知らないとぬかす。

本当に、怖い物がないのか!松田皐月。

松田は周りが見えてないようだな。


私の部署では「葉山」と言う名前が飛び交っています。

私には全く知らない方。また、お知り合いになりたいとな思いません。

今は麗子先輩のように。麗子先輩の手助けが出来れば私は満足。

でも・・・そういえば、あの葉山さんっていう方も美人さんだったような!?

まぁ、麗子先輩には負けますが。

私の頭の中は「麗子先輩」でビッシリですわ。

ところで、あの葉山さんってどんな方なのでしょうか?私の顔を見に来たって言われても自慢できる顔では御座いません。分からないです。この会社の実態が。

そして、夕方5時。

私は昨日の午後の仕事を頑張ってしています。いってみれば「残業」

先輩方は「お疲れさん」「未だ。やるのか?適当にしておいたら。」「何もそこまで頑張らなくても。」

とか色々な言葉を掛けて頂き、皆さん帰宅。

誰、1人として手伝ってやろう。と言う声が聞こえません。私は新人なのでイヤでも先輩方の手伝いをしているのに・・・薄情なもんです。

そして、9時をまわりましたよ~~~!

どうしよう~~!!終電があるかどうかは不安。

すると、誰かが私に声を掛けてきて・・・もう、私はビックリしました。

心臓が飛び出すのではないか。というほどの驚きです。


「未だ。仕事をしているのか。松田皐月。」


「・・・・はい。でも、もう終わりました。」


「そうか。メシでもどうだ?」


「はぁ~・・・でも、もう帰るのでまた、次回にでも。」


「・・・・・では駅まで送って行くよ。」


「・・・・・・はぁ~~。ご迷惑なのでは?」


「いいや。俺もそっちに行く用事があるから。それに、可憐な女の子の夜の1人歩きは危険だ。」


「はぁ~~・・・そうですか。では、ご一緒にお願い致します。」


私はこの方の事は知りません。だけど、同じ会社の方なんですよね。

この方、1人でワンマンショーのように話しておられます。私は全く話しが見えない。

それに、この方、私の事を知っておられるみたい・・・・

それよりも、農薬の調合は・・・この薬を・・・・水を何倍だった?


「クス!君は、はぁ~しか言わないんだな。」


「はぁ~~」


そしてトンチンカンな話しをしているうちに駅に着き、この方には丁重な挨拶をして最終電車に飛び乗った。

今、9時30分。家に着く頃は・・・・午前様になってしまうではないか!

農薬の調合・・・どうしよう。これからするにしても朝になってしまう。

会社を休むわけにもいかない。

ええい!こうなれば朝まで起きていよう。

そして、父に頼まれていた農薬の調合もしたし。後は会社に行くだけ。

徹夜って久しぶりにしたけど、結構、大丈夫ではないか。私の体力もなかなかのものだわ~~~。

やっぱり若さよね。まだまだ私も捨てたものじゃない!


今日も清々しい朝を迎えました。

徹夜をしたぶん、体は・・・まあ良いか!

そして、出社して2時間後、私の周りがグルグル回ってる~~~~

佐川さんが私の異変に気が付き「松田さん・・・松田さん・・」と呼ばれたところまでは憶えている。

後は目の前が真っ白。

私が気がついたのは夕方でした。

誰かが私を医務室まで運んでくれたようなのです。


そして、先輩方曰く「松田さん。今まで頑張りすぎたんだよ。こんな華奢な体なのに。」

「松田!心配掛けるな!しんどくなったら言えば良いんだ!」

「ビックリしたわ。皐月さん。あなた、私達にちっとも手伝ってって言わないから。これからは言ってね。」

「松田さん。この前も熱で早退しましたよね。何も無理しなくてもゆっくり休めば良いじゃないですか。」


「・・・・・・先輩方。有り難う御座います。」


徹夜をした私の健康管理の悪態なのに、皆さんに迷惑を掛けてしまいました。

だけど、この日から私は「体の弱い子」になったようです。

ラッキーというのか恥ずかしいというのか複雑な気分。


これで、突然、言ってくる父の言葉も何とかなりそう。

悪いとは思いますが、暫らくは「体の弱い新人」で行かせて頂きます。


私はあの残業をした日、親切に駅まで送って頂いた先輩のことはすっかり忘れていました。

今でも、あの方は誰なのかは知りません。


ハァ~~~・・・・今日は疲れたわ~~~~~!!

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