表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は中間管理職!  作者: 苺パフェー
4/42

私の別の仕事は辛いです。

今日は会社は休み。勿論、大きいとは言えないけどそこそこ大きい会社なので土曜日、日曜日は休みなのです。

でも、私の家は農家。私が休みになると家族が待ってる。

私もこの家では「働き手の1人」なのです。


昨日から父が「明日は天気が良かったら畑の草刈りと野菜の消毒。」


そうです。今日は朝からお天気が物凄く良い!私は日焼けがイヤなもんだから農家の帽子と言う名称のある帽子を被り、首にはタオルを巻いて手袋は勿論の事、「目」を保護するメガネを掛けて畑仕事開始。母は農家に嫁いだのに農家の仕事は出来ないの。だって虫が怖いだの、ヘビが出るだの、最後は「だって日に焼ける」と言う始末。私だって日焼けはしたくない!だけど、お母さんがしないから私にこの仕事が回ってくる。何とかしてよ!といつもお父さんに言っているんだけど、お父さんは「お母さんはこんな仕事は無理だ。」じぁあ、私は良いのか!お母さんを甘やかすのは大概にしてよね。


そして、弟よ。君は「エエッ!なんで俺がすんの?」と反抗心いっぱい!

お姉ちゃんだって本当はしたくないんだよ!それに、お姉ちゃんは社会人なのだ。だから、指、顔は日焼けするわけにはいかない!麗子先輩のような綺麗な手でいたい!

それに、通勤時間だって2時間掛かるんだよ!弟よ。お姉ちゃんは、オマエとは違うんだ!

会社には「ウチは農家」だと内緒にしてるのに・・・・

そんな事を思いながらせっせと畑仕事に勤しんでいたら、お母さんが「お昼よ~~~!」と。

ああ~~あ!暢気な人!

私とお父さんは家に帰り楽しく?お昼ごはんを食べている。


「おい、皐月。どうだ?仕事は慣れたのか。」


「うん。私と同じ部署の先輩。麗子先輩って言うんだけど、凄くカッコ良いのよ~~。私の憧れの先輩!」


「そうか。お父さんは、その麗子先輩に会いたい!なぁ、母さんも同じだろ。皐月、一度、お連れしなさい。」


「ええ。そうですね。お父さん。皐月がお世話になっているんですもの。一度、お礼が言いたいわ。」


と、とんでもない!あの麗子先輩をウチに招待?

そのような事が出来ましょうか!私は会社では麗子先輩の一の後輩(自称ですが)このような姿を見せたくない!!

会社では私、猫を被っているふし有りかな?会社の私と農家の私。性格も変わるのよね。

会社では「素直な事務員」家では「頼りになるお姉ちゃん」もし、会社の先輩達にバレたらって考えると・・・・・恐ろしい!きっと「農家の娘」とドン引きされるかも・・・・

だから、わざわざ会社まで時間がかかる所を選んだのに。どうか、バレませんように。



そして、今日は月曜日。私はせっせと長い通勤時間を我慢して。勿論、家で取れた米、野菜のお弁当を持って憧れの麗子先輩に指導を願う私。この二重人格の私。どうか、どうかバレませんように!



「おはよう御座います!」


「おお!今日も元気だな。松田。」


「おはよう!皐月ちゃん。あれ!何処か行って来たの?日焼けしてるわよ。」


ウソ!・・・草刈りで日焼けしたんかなぁ??ヤバイです。


「おはよう御座います。麗子先輩♪」


「おはよう。あら、皐月ちゃん。どうしたの?日焼けしちゃって。もしかしてデートで海でも行って来たの?」


「いいえ。いいえ!とんでも無いです。ウチの・・家の庭の草引きをしてたから日焼けしたんだと思います。」


「そうなの。でも、皐月ちゃんの家って広いのね。だって日焼けするほど草引きしてたんでしょう。」


「・・・・はい。」


「一度、皐月ちゃんの家に招待してほしいわ。」


「はあ、その内に・・・」


本当にヤバイです。日焼けをしていたなんて。おまけに麗子先輩は私の家に来たがっているの?

その話しは何とか誤魔化しました。

今日も、麗子先輩は綺麗です。私の憧れの方なので、私は一日も早く麗子先輩のようになりたい!

そして、今日の仕事は「器具の売り上げの上げ方」

麗子さんは私達の部署でレクチャーされています。

こんな部署ですが先輩方は凄く売り上げが良いのです。特に、沖課長。彼は会社でも1、2を争う腕の持ち主。何故なのでしょうか?いつも私にせんべいを買いに走らせます。この、せんべいオタク!

そして、私が最も気持ちが悪いと思った方は柳さん。彼は国立大学出のエリートらしいのです。

いつもパソコンの傍から離れません。私、不思議と思い、一度、彼のパソコンを覗いて見たのです。

まぁ~、何と料理のレシピーを検索されているではありませんか!後で彼の聞いたら「料理オタク」ですって。人は見た目では分からないものです。信じられない事ですが、この柳先輩は売り方のプロらしいのです。私は今後の為にも近づきたい!

麗子先輩のレクチャーはテキパキと要点を言っておられます。

麗子先輩はオツムも良いのですね!ますます私の憧れです。


ある日、麗子先輩は私に「皐月ちゃん。大分、憶えたようね(ニッコリ)私は覚えの良い後輩を持って幸せだわ!」と仰っておられました。勿論、私の事。

そして、こんなことも。

「皐月ちゃん。これで私の仕事は皐月ちゃんに任せられるわ。じゃあ、後は宜しくね。時々、私もフォローするから頑張ってね。」と怖い事を仰いましたよ。

麗子先輩の「片腕」になった?とは自分なりに思っていたんだけど、でも、私1人ではとても、とても。それに、私以来、後輩が入ってこない。だから、私はいつまで経っても一番下だし。

全てにおいて不安&心配ですよ。先輩。

家では畑仕事。会社では責任ある仕事。でも、私の体は1つ。1つだけしかない。

これも、何かの試練なのでしょうか。

だけど、一歩づつですが麗子先輩に近づいている?・・・・恐れ多いです。


これから私は麗子先輩の代わりに部署の皆さんにレクチャーをしなければならない!

でも、何をレクチャーするんだ?


勉強、勉強・・・・ただただ勉強!

いったい、私は何を勉強したら良いのか?


目指せ!麗子先輩!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ